坂元裕二×塚原あゆ子、豪華タッグの誕生秘話 映画『ファーストキス 1ST KISS』試写会&ティーチインレポート
ORICON NEWS / 2025年2月1日 15時31分
俳優の松たか子とSixTONESの松村北斗が共演する映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)の試写会が、1月31日に都内で開催された。本編鑑賞後には、塚原あゆ子監督と山田兼司プロデューサーが登壇し、観客との質疑応答(ティーチイン)が行われた。観客の熱い質問が飛び交い、撮影の裏話やこだわりが明かされた貴重な時間となった。
【画像】映画『ファーストキス 1ST KISS』場面写真
本作は、数々の名作ドラマや映画を手掛けてきた脚本家・坂元裕二によるオリジナルラブストーリー。昨年、『ラストマイル』(興収59.6億円)や『グランメゾン・パリ』(公開中)が大ヒットし、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS)も話題となった塚原監督は、本作で初めて坂元脚本の映画に挑戦した。
ティーチインでは、多くの観客が手を挙げ、「坂元さんと塚原監督のファンです!」と自己紹介する人が続出。「ビッグネーム同士が組むことになった経緯を知りたい」という質問も飛び出した。
これに、山田プロデューサーは「ビックネームを掛け算しようと、誘いました。この組み合わせ、期待値が高いですよね」とにんまり。山田プロデューサーは、坂元氏がカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した『怪物』(是枝裕和監督)も手がけており、「坂元さんとは『次に何をやろう?』と話していたんです。それから、松たか子さんが出演する夫婦の物語にしよう、監督は誰がいい?となった時、真っ先に浮かんだのが塚原監督でした。坂元さんと私では、どうしても男性目線が強くなってしまうので、女性の視点で描くことができて、いま日本で一番勢いのある塚原監督にお願いしました。坂元さんも私も、塚原監督の作品が大好きで、ある種のファンでもあるんです」と答えた。
指名を受けた塚原監督は「脚本を受け取った時の緊張感だけを覚えています」と、当初はかなりプレッシャーを感じていたそう。「最初に脚本を読んだとき、“これはもう聖書(バイブル)なんじゃないか”と思いました(笑)。私自身、坂元さんの月9ドラマなどを小さい頃から見てきたので、せりふを一言一句変えてはいけないような圧を感じました。でも、実際にお話しすると、坂元さんは『ここはこうですか?』と聞くと、『僕もよくないと思ってた』と言ってくれる方で、緊張が少しずつほぐれました」と話した。
さらに、山田プロデューサーが秘話を明かす。「坂元さんの脚本って、やっぱり“バイブル”のような印象がありますよね。でも、実は変なせりふもあるんですよ(笑)。最後の編集で、あるせりふを1つカットしたんです。監督が『このせりふ、気持ち悪くないですか?』と言って。僕らはそのせりふが絶対必要だと思っていたんですけど、監督の意見を聞いた瞬間、100%監督が正しいと思いました。特に、年の離れた2人の関係性は、少し間違えると違和感を与えてしまう。その微妙な距離感を、塚原監督の感覚で絶妙に調整してくれたおかげで、映画がより良いものになりました」と、塚原監督に感謝。塚原監督は「ほめていただけると、やる気が出ます(笑)」と、かみしめるように聞いていた。
ちなみに、今月7日に発売されるシナリオブック(著者:坂元裕二/KADOKAWA)には、「カットされたせりふが残っているかもしれない」(山田P)とのこと。
■映画史に残る作品に タイムリープを取り入れた理由
物語は、夫・硯駈(松村)を不慮の事故で失った硯カンナ(松)が、ある日、突然、夫と初めて出会った日の15年前へタイムトラベルしたことから動き出す。出会った日に戻ったことで、夫への愛情を再認識したカンナは、夫婦の未来を変えようと、何度もタイムトラベルし、彼との時間を新たに重ねていく。いわゆるタイムリープものだ。
目の肥えた観客から「坂元さんの作品には、タイムトラベル、タイムリープのようなファンタジー要素があまりなかったと思います。今回、どうしてこの要素を取り入れたのでしょうか?」という鋭い質問が。
山田プロデューサーは「坂元さんといえば、やっぱりラブストーリーじゃないですか。では、映画らしいラブストーリーとは何か?と考えたとき、『タイムトラベルもの』は意外と坂元さんがやっていなかったんです。世界には、生涯の1本に挙げたくなるようなタイムトラベル映画がたくさんあります。坂元さんの脚本で、新しい形のタイムトラベル×ラブストーリーを作れたら、映画史に残る作品になるんじゃないか?そういう思いで、この設定を選びました」と、秘めていた野心がチラリ。
塚原監督は「皆さんが映画を観るとき、タイムリープはできないという前提で受け取ると思うんです。もちろん、中にはできる方がいるかもしれませんが(笑)。でも、自分事として捉えたときに、『この物語をどう活用できるか?』という視点があるんじゃないかと。日々の出来事は“ミルフィーユ状”に積み重なっていて、そんな中で、違う次元に思いを馳せることで、『きのう喧嘩しちゃったけど、謝ろう』とか、そういう小さな気付きや変化が生まれるかもしれない。そういう“ちっちゃなことが起こりうる結末”が、観た人にとって大切なんじゃないかと思いました。坂元さんは本当に素晴らしい着地点を見つけたなと、個人的に解釈しています」と話していた。
高校で教師をしているという観客は、「生徒にも見せたい」と作品を絶賛。そして、劇中でカンナが着ている「かき氷が好きだ!」Tシャツについて質問した。この日、塚原監督も山田プロデューサーも上着の下に着用していたものだ。
山田プロデューサーは「実は、坂元さんの脚本には“ダサいTシャツ”とだけ書かれていたんです(笑)。でも、ダサければいいのか?どんなデザインが“ちょうどいいダサさ”なのか?かなり悩みました」と打ち明けた。塚原監督も「本当にダサすぎると恋に落ちる感じがしない(笑)。みんなビクビクしながらデザインを調整していました」と同調した。
脚本の打ち合わせで坂元氏と会った際、塚原監督が「わからないので描いてください」とその場でデザイン案を描いてもらったそう。坂元氏にはある程度イメージしていたものがあったようで、それをもとにTシャツデザインを、「映画のパンフレットやポスターデザインなどをよく手掛けている大島依提亜さんにお願いしました」と山田プロデューサーが明かすと、映画ファンにはおなじみの“ビックネーム”に、観客からどよめきがあがった。エンドロールにクレジットされているのだが、質問した教師は「涙でエンドロールをちゃんと見ていなかった」と言い、これにうなずく観客も多く見られた。
劇中では1000円で売られていたTシャツだが、「@Loppi・HMV&BOOKS online」で4000円で販売中。この値段を聞いて、塚原監督は「高い!」と笑いながら突っ込みを入れていた。
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