【RIZIN】横山武司「勝たないと復帰とは言えない」失明を乗り越え再起を誓う 新たなタトゥーも公開【単独インタビュー】
ORICON NEWS / 2025年2月9日 12時0分
日本屈指のグラップラーが、ついにRIZINのリングに返ってくる。柔術で日本一になった実績を引っ提げ、2023年5月に鮮烈なRIZINデビューを飾った横山武司が、網膜剥離を乗り越えて3月30日の『RIZIN.50』で1年半ぶりにRIZINに復帰し、日本拳法王者の木村柊也と対戦する。
【インタビュー動画】横山武司、失明乗り越え“ストライカー”木村柊也と決戦「すぐ終わらせられる」新たなタトゥーも公開
練習中のアクシデントにより一時は右目を失明し、MMA引退も頭によぎりならも手術とリハビリの日々を経て、ようやく掴んだ復帰戦。視力をずっと失うかもしれない不安、大好きな格闘技ができなくなるかもしれないという葛藤、そして新たに生まれた家族の存在――。どん底から這い上がり、今、戦う理由がより強くなった横山武司の想いに迫った。
■「朝起きたら視界が真っ暗で…」手術で視力が回復、RIZIN復帰が決まり毎日が充実
――RIZINに久しぶりの参戦となりましたが、カード発表会見はいかがでしたか?後ろの席の赤田プレイボイ功輝選手の発言でずっと笑っているように見えましたが…。
【横山】もう面白かったです。会見はまだ2度目なんでちょっと緊張はありましたけど、楽しもうと思っていました。赤田選手、最高ッスね。あれをできるのすごいですし、エンターテイナーですよね。やれるなら僕もやりたいですけど……無理かな(笑)。自分はその分、試合で魅せます。
――今回は1年半ぶりのRIZIN参戦となります。前回(2023年9月の)摩嶋一整選手との試合後の練習中に、目を負傷されたんですよね。
【横山】練習中に右目に相手の指ががっつり入って、ずっと調子が悪かったんですけど、1週間後くらいに朝起きたら視界が真っ暗で。ヤバいなと思って超萎えました。気分は最悪で人生が終わったくらいの絶望でしたね。網膜剥離だったので手術して治ったのですが、角膜に穴が開いてしまいそこに血が入ってきて、その穴を直したらまた別の箇所にも穴が見つかって…。目がけっこうボロボロで白内障の手術も一緒に受けて、右目に人工レンズを入れました。中間距離は見えるけど、遠くや近くのものをみるとボケちゃって。でも、格闘技をやるのは全く問題ないです。
――手術後は練習が制限される期間も長かったのでは?
【横山】出術後の入院期間は寝る向きを固定されるのが大変だったし、その後も2ヶ月間は頭を振っちゃいけない、ジャンプもダメ、ジョギングも禁止で、体が全く動かせないから鬱(うつ)みたいになりましたね。その年の大みそかの『RIZIN.45』は見に行ったのですが、「みんな自由に動けていいな。体を動かせるだけで幸せだよな」って思って、気分が超落ちてました。
――そこから徐々にリハビリを開始されて昨年8月の「Fighting NEXUS」で復帰し、岸野“JUSTICE”紘樹に1ラウンドで一本勝ちして、復帰勝利を飾りました。この勝利はこれまでの勝利とは違う喜びだったのでは?
【横山】そうですね、あそこで負けてたら多分MMAを辞めてましたけど、「行けるな、次はRIZINだな」って思えました。そこからワンチャン、11月の名古屋大会に声がかかるかなと思ったけど決まらなくて、いきなり大みそかで復帰というのもハードルが高いから、次の3月の香川大会は出たいと思っていたらオファーが来て、本当にうれしかったです。10月にはチームRIZINとしてグラップリングの試合に出たり、大みそかもコミュニティアリーナのイベントに呼んでもらっていたけど、やっと正式な試合が決まって。練習はキツいですけど自分で望んだことなので、毎日が楽しいです。
■「ストライカーとの初めての試合は試練。乗り越えないと上の選手に勝てない」
――怪我をしたことで恐怖心はないですか?
【横山】それはあるし、練習でちょっと目に当たったら「大丈夫かな」って気になるけど、もうポジティブにやってます。
――会見のライブ配信で、横山選手が登場した時のコメント量がすごくて、待っていたファンの方が本当に多いんだなと思いました。
【横山】本当ですか、そういう人たちのためにも、ちゃんと勝って復帰をしたいですね。試合に出て復帰じゃなくて、ちゃんと勝たないと復帰とは言えないと思います。
――復帰戦の対戦相手となる木村柊也選手は、日本拳法王者でMMAも4戦すべて1ラウンドKO勝利です。まさに寝技vs.打撃という構図となりました。
【横山】僕はMMAで7戦していて、ゴリゴリのストライカーと試合するのが初めてなので、ずっとそういうタイプとやりたかったから決まってうれしいけど、決まったら決まったで怖さもあります。でもこういう試合を乗り越えないと上の選手には勝てないですし、自分にとって試練だと思います。
――木村選手は会見で「ファーストコンタクトで相手が崩れ落ちる」と宣言していました。
【横山】4戦全部1分くらいで勝ってきて、そういうイメージを完全に持ってるところは怖いですよね。短期決戦に持ち込まれたら相手のペースになるかもしれないけど、逆にそこがうまくいかなかったら普段と違う展開になって迷いが出ると思うので、そこをかいくぐっていきたい。1ラウンドでもいい形で組めたら僕もすぐに終わらせられる自信はあります。
――怖いと言いながら、楽しそうですね。
【横山】MMAは厳しい世界なので、楽しくポジティブに考えないとやってられないですから(笑)。
――横山選手が怪我でRIZINから遠のいている期間、入れ替わるように横山選手がMMAの指導を受けている佐藤将光選手がRIZINで活躍しています。
【横山】RIZINに出るころから佐藤先生に習っていて、やっていくほどに先生のすごさがわかってきたので、前は週1~2だった練習が今は週4~5くらいになっています。選手としてもめっちゃすごいですけど、指導者としても最高です。格闘技に愛がある人だし、会員さんへの指導もすごいので、自分はマンツーマンで教えてもらうこともあれば、普通のレッスンクラスに参加して一般会員さんと一緒に教えてもらうこともあって、めっちゃ惚れてます(笑)。自分もああなりたいって尊敬しているし、RIZINに出て格闘技ファンに知られていって勝手に誇らしく思ってました。「佐藤将光はすげえだろう、やっと気づいたか」って感じで(笑)。いつか一緒の大会に出たいけど、そしたら自分のセコンドは誰になるのかって悩みも出ちゃいますね。
■「普通に鈴木千裕選手のファンです(笑)」左腕に刻んだ新たなタトゥーは娘の名前
――そんな佐藤選手が昨年9月に牛久絢太郎選手と対戦しましたが、横山選手は牛久選手とも昔から親交があったので、あの試合を複雑な気持ちで見ていたのでは?
【横山】複雑っていうか気まずいっていうか……。もちろん試合だから中立の立場でしたけど、なんかあったとき「なんでこの技を知ってるんだ?横山が裏で動いたのか?」って思われるかもしれない心配もありました。だから、2人の試合が決まったときは僕のNEXUSでの復帰戦の直後だったので、数週間は2人と会わないようにしていて。でも、僕は「どっちも大怪我しないで終わってくれれば」とだけ思っていて、結果的にいい試合だったから、僕的には良かったし2人ともすごいなって改めて感じました。
――復帰まで見ていたRIZINで印象に残っているファイターはいましたか?
【横山】鈴木千裕選手がすごかったですよね。RIZINに出る前くらいからちょっと知っていて、初参戦は昇侍選手にKO負けから始まったけど、そこからの快進撃は尊敬しちゃいますし、同じ階級ですけど自分も見習ってしっかりやっていかなきゃいけないって感じました。倒してきた選手もすごかったし、負けてしまったけどこの前のクレベルとの試合も本当にすごかったです。
――同じ香川大会に出られますが、面識はあるんですか?
【横山】会見前のエレベーターで一緒になって、共通の先生がいるので「最近会ってますか?」っていう話だけしました。普通にファンですね(笑)。もちろん、同じ階級なのでいずれ戦いたいですし、“RIZINの顔”みたいな選手たちを倒していきたいので、そのためにも今回の試合はしっかり乗り越えないといけないと思っています。
――5月の『THE MATCH 2』では、まさに“RIZINの顔”である平本蓮選手と朝倉未来選手が再戦します。どんな試合展開を予想されますか?
【横山】僕は総合を始める前から朝倉選手をすごいと思っていたので、朝倉選手のカッコいい姿を見たいんですけど、前回の負けのイメージがあるからまた平本選手が勝つんじゃないかなって今は思います。朝倉選手にあんな攻撃ができるのはすごいですよね、本当に強いです。いつか自分が平本選手とも戦うために、今回の試合でストライカー相手にどこまでできるのか、自分自身も楽しみにしています。めっちゃ緊張してますけどね(笑)。
――最後の質問です。横山選手といえば体中のタトゥーも特徴ですが、前回のRIZINの試合から増えたタトゥーはありますか?
【横山】いい質問です!娘が生まれたので左腕に「杏夏(あんな)」と名前を掘りました。自分が失明して病院に行って「もうMMAは続けられない」って思った日に嫁の妊娠がわかって、いろいろと運命だったんですね。いま生後7ヶ月で、オムツを変えたり毎日練習前にお風呂を入れたり、めっちゃ育児をやってます。そんな娘のためにオムツ代とミルク代を稼がなきゃいけないし、フィニッシュボーナスも狙いたいです。僕らパパファイターは勝って次につなげないと、家族を養っていけないですから。娘が大きなモチベーションになっていますけど、相変わらず僕は奥さんラブなので(笑)。
◆『RIZIN.50』あなぶきアリーナ香川
バンタム級タイトルマッチ
【王者】井上直樹 vs. 【挑戦者】元谷友貴
・フェザー級
鈴木千裕 vs. カルシャガ・ダウトベック
・ライト級
ルイス・グスタボ vs. 野村駿太
・フェザー級
横山武司 vs. 木村柊也
・59.0kgキャッチ
伊藤裕樹 vs. トニー・ララミー
・ヘビー級
酒井リョウ vs. エドポロキング
・59.0kgキャッチ
前田吉朗 vs. 横内三旺
・ライト級
スパイク・カーライル vs. 泉武志
・バンタム級
魚井フルスイング vs. 赤田プレイボイ功輝
・ストロー級
越智晴雄 vs. 中務修身
ほかオープニングファイト5試合
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