EBPM・デザイン思考で市民ニーズと課題を探る 枚方市・SAPジャパン株式会社
OSAKA KOUMIN NEWS / 2022年2月1日 12時15分
ICT活用で根拠を明らかに!新たな発想・アイデアで枚方の未来をデザイン!
枚方市(市長:伏見 隆)は、新しい生活様式による新たな価値観やAIの普及など社会状況が大きく変化する中、どのような状況にも対応できる持続可能な行財政運営の確立とまちの魅力向上をめざし、ICT活用の推進や、EBPM(根拠に基づく政策立案)の手法を取り入れた施策展開に取り組んでいる。
社会環境の変化に柔軟に対応できる人材育成にも注力するなか、枚方市人材育成基本方針では「市民感覚を持ち、市民に寄り添って対話をすること」、「自らの考えを言語化し、根拠を明らかにして物事を進めること」、「新たな発想・アイデアで、枚方の未来をデザインすること」等の行動指針を定めており、アクティブラーニング型研修等を通じて、多様化する市民ニーズに沿った効果的な行政サービスに繋げる、職員の応用力の向上等にも努めている。
今回、この人材育成の取り組みの一環として、枚方市は令和4年1月24日、25日の計2日間、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場でのグローバル企業である、SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下「SAPジャパン」)と「デザインシンキング研修」を実施した。
この研修は、令和3年1月に大阪府とSAPジャパンが、産業振興、教育・子ども、スマートシティ、地域活性化、ダイバーシティ等の8分野にわたる連携、協働に関して締結した包括連携協定に基づく、行政のICT化に向けた支援に基づく取り組みの一つ。
日本国内だけでなく、諸外国でデザイン思考を活用した事業を展開するリーディングカンパニーであるSAPジャパンとの公民連携での研修として開催された。
(参考:OSAKA MEIKAN NEWS:産業振興、教育・子ども、スマートシティなど8分野でSAPジャパン株式会社との包括連携協定を締結 大阪府)
※デザインシンキング:ユーザーがどのような課題を抱えているのかをヒアリングし様々な角度からアイデアを出すことで、課題解決に導くために用いられる考え方の一つであり、ユーザーを中心に考え、新たな価値を創造する手法
https://news.sap.com/japan/2021/01/大阪府およびsapジャパン、包括連携協定を締結/
デザインシンキングの活用で、市民に共感し、真の課題を発見すること
係長級の職員が参加した今回の研修は、1日目に「データ分析の概要およびデータ分析ハンズオン(EBPM実践事例紹介)」として、SAPジャパンが提供する「SAP Analytics Cloud(SAC)」を活用。
枚方市コールセンターに日々寄せられる市民等からの問い合わせデータをSACに取り込むと、問い合わせ内容の傾向分析が自動的に行われ、様々なグラフ等でデータが可視化できる。
簡単な操作研修を含めたハンズオン形式で研修が進み、ICT活用による効果的なデータ分析技術の知識、ノウハウの共有が行われた。
2日目は、「デザインシンキング概要およびデザインシンキングを活用した業務改善案設計」として、デザインシンキングの手法について講義を受けた後、グループに分かれ、初日のデータ分析結果を踏まえ、コールセンターを利用する市民を想定(ペルソナ設定)し、ニーズや課題を洗い出し、必要なサービスを設計する実践形式でのワークショップを行った。
研修に参加した職員からは、「普段の業務で蓄積されるデータや、今後収集できるデータ等から、課題の可視化や潜在する課題・要因の発見につなげられることを実感した」、「業務のあり方を検討する際に、既存業務の延長上で考えるのではなく、
『利用者目線』『人が求めているもの』『何が課題か』という視点で考えるように心掛けたい」など、データに基づく政策立案や市民ニーズの見える化の重要性やICT活用の有用性などに多くの気づきがあったなどの意見が寄せられ、非常に有意義な研修となった。
研修講師を担当したSAPジャパン ビジネステクノロジープラットフォーム事業本部 岸 俊彦 氏は、「今回、様々な部署の方に参加頂き、普段データ分析を行われないような方も多くいらっしゃいました。しかし、慣れない中でも、枚方市民からのお問い合わせデータを元に作成した分析ダッシュボードから具体的な課題の把握や、ご自身の部署におけるデータ活用の考えにまで落とし込んで頂けました。このことから、普段から真摯に業務に取り組まれているからこそデータを活用することで更なる業務の改善に繋げて頂けると確信を持ちました。EBPMという言葉が難しい印象を与えますが、既に活用できるデータがあれば、その可視化の方法を知ることでEBPMを実践することは難しくありません。特に地方自治体には、オープンデータや個別の業務における様々なデータソースがあり、そこには活用しきれていない宝の山が眠っています。そのため、まずデータが持つ価値を今回の研修で体感頂くことをメインテーマとさせて頂きました。ご参加者の方々には、今回の体験が各部署におけるデータ活用のきっかけとなり、市民の声を受け止める手法の1つとなれば非常に嬉しく思います。引き続き、大阪府との包括連携協定企業として大阪府公民戦略連携デスク様とも連携し、課題解決手法としてEBPM、デザインシンキングといった取り組みのお手伝いをしていきたいと考えております。」と話す。
デザインシンキングの講義・ワークショップを担当したエヴァンジェリスト 吉越 輝信 氏は「研修参加者ほぼ全員がデザインシンキング初体験ということでしたが、お問い合わせデータから市民の方の生活状況を想像し、抱えられている真の課題を探求するフェーズでは、活発に意見交換が行われ、デザインシンキングで最も大切な“ユーザーに対する共感”を実践されており、日々市民目線で皆さまお仕事をされていることがとても伝わってきました。既にお持ちの“共感力”にデザインシンキングでの課題発見や解決策を考える手法を組み合わせる事により、市民の皆さまの暮らしをより良いものにしていく為の、新たな市民サービス開発や改善につながっていくと考えております。」と、今回の研修の意義について話した。
枚方市人事課の担当者は、今回の研修目的について「令和3年7月に総務省から示された自治体DX推進手順書でも、利用者中心の行政サービス提供のために『サービスデザイン思考』の共有の重要性が謳われていることからも、デザインシンキングの考え方を庁内に浸透させ、そして効果的に活用していくことが今後必須であると考えたため、今回の研修を実施いただきました。研修のデータ分析パートでは、各部署で保持するデータを分析・活用することがより良い政策の企画・立案に結びつくことも体感してもらえました。今回参加した職員には、研修で得た学びを業務に活かしてもらいたいと考えています。」と話した。
■各種リンク
・SAPジャパン ホームページ (プレスルーム:大阪府およびSAPジャパン、包括連携協定を締結)
・大阪府 ホームページ(大阪府 公民戦略連携デスク:SAPジャパン株式会社との取組み)
・枚方市 ホームページ
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