デザインシンキングで枚方市からイノベーション創出の機会へ 大阪府×枚方市×SAPジャパン株式会社による公民連携事業の推進
OSAKA KOUMIN NEWS / 2022年6月24日 15時0分
SAPジャパン株式会社と枚方市が連携し、デザインシンキング研修を実施!
令和4年6月8日(水)、9日(木)枚方市役所でSAPジャパン株式会社と枚方市の危機管理対策推進課、人事課が連携し枚方市の防災をテーマにデザインシンキングの研修を実施した。
大阪府とSAPジャパン株式会社が、産業振興、教育・子ども、スマートシティ、地域活性化、ダイバーシティ等の8分野にわたる連携、協働に関して締結した包括連携協定に基づくICT推進の取組みの第2弾。前回は令和4年1月24日、25日の計2日間実施し、今回はさらなる取組の推進、発展を目指し開催された。(前回の記事内容)https://osakakoumin.news/news/sap_hirakata_design/
研修講師を担当したSAPジャパン ビジネステクノロジープラットフォーム事業本部 岸 俊彦 氏から「デザインシンキングについて、インプット位置づけ」を説明した。デザインシンキングは現状をより望ましい状態にデザインする。人間中心で課題を発見、定義、解決策を探索、検証する手法でプロセスからマインドセットをするものである。人にとっての望ましさ、技術的実現性、経済的実現性が合わさるところがイノベーションの機会になると説明した。
次に枚方市の防災に関する状況及び課題の把握を危機管理対策推進課 中原 良彰 氏から説明した。平成25年9月の台風第18号による浸水被害の状況や平成30年6月18日に発生した大阪北部地震による被害状況を説明した。災害の経験からみえてきたことは、助かる人は地域で助かる。地域での約束事がある。それを継承をすることである。また、自分たちの命、財産を守るための助け合いについて自発的な防災計画としての地区防災計画の策定支援について説明した。
大分大学理工学部 小林 祐司 氏からは「防災・減災教育と事前復興そしてその先へ」と題した災害への向き合い方などを説明した。被災後に明らかになる社会の脆弱性や災害に対する意識について説明した。防災・減災に取組むことは命や自分自身の存在意義を深く考えることでもあるので人間形成に大きく寄与する。また、災害後、問題になることとして救助、救命・対応・復旧・復興・被災者支援である。被害をできる限り最小限にするには事前復興・復興デザインなど平時の取組みが被災後を決めると説明した。
次に、SAP ジャパン デジタルエコシステム総括本部 吉田 彰 氏からテクノロジーを使った様々な災害対策の高度化について説明した。テクノロジーの急速な発展により、情報の蓄積から活用すること、阪神淡路大震災や東日本大震災など具体的な事例を用いて情報利用について説明した。
6月9日(木)に前日の講義を踏まえ、SAPジャパン エヴァンジェリスト 吉越 輝信 氏から、デザインシンキングセッションについて説明した。イノベーションの要求が高まっているが、内的要因としてユーザー重視の欠落、縦割り型の精神構造、従業員の関与が低いなどイノベーションの機会が阻んでいる。また、デザインシンキングのプロセス、心構え、ツールについて説明した。その後、岸 俊彦 氏からは前日の講義内容やデザインシンキングについての振り返りを行った。
その後、「ICTやデジタル等も活用し、避難指示が発出された時に、枚方市民を安全に適切な避難場所に避難させる」をテーマに様々な部署の係長を中心に、1組5人で5つのグループでワーキングを行った。付箋を用いてデザインシンキングを活用しアイディアを出し合った。
研修講師を担当した岸 俊彦 氏は「各班の枚方市職員の皆様の所属が異なるため、枚方市民の安心安全を多角的な視点から議論されていたことが印象的でした。防災・減災の観点からは、過去の経験を継承すること、情報を早く伝えることが非常に重要です。各発表では、その手段としてデータを活用し、ICTでコミュニケーションを効率的に繋ぐことに重点を置かれていました。今回の発表を一時的なものにするのではなく、具体的な政策としてブラッシュアップすることが今後の重要なステップかと考えております」と話す。
デザインシンキングの講師・ワークショップを担当した吉越 輝信 氏は「様々な部署から参加頂きましたが、当日のワークショップのお題であった、「枚方市民の皆さんを安心安全に避難させる」ことに関して、具体的な市民像をイメージし、現状の課題を洗い出した上で、解決・改善のアイディアを沢山生み出して頂きました。全員はじめてのデザインシンキングワークショップ参加とのことでしたが、常に市民の生活を意識し、あるべき/ありたき姿を考えられているというのが強く感じられ、デザインシンキングでいちばん大切な「共感力」と「課題探求力」を、既に日々実践されているのだと感じました。そのうえで、今回学んで頂いた各種手法を実業務に取り込んで頂くことで、枚方市をより暮らしやすい街にしていく事に、少しでもつながっていくことを期待しております」と話す。
この研修の最後に各々のグループで出たアイディアをまとめ枚方市 伏見 隆 市長の前でプレゼンテーションを行った。
プレゼンテーションを踏まえ伏見 隆 市長は「それぞれの部署で仕事の時に良いアイディアを出し、みんなが集まったらいろんなアイディアが出てくる。そのアイディアをたくさん使って業務に励んでほしい。予算がないとかではなく、事業を実施するために情熱を持って何回もアタックする気持ちで望んでほしい。あきらめたら終わり、あきらめた瞬間に終わる。それぞれの部署で強い思いをもって提案していってほしい」と話した。
◆各種リンク
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