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【無所可用】第18話 いちばん沢山いる動物はコオロギです。

おたくま経済新聞 / 2010年8月5日 18時35分

【無所可用】第18話 いちばん沢山いる動物はコオロギです。

無所可用

いちばん沢山いる動物はコオロギです。毎度これといって役に立たないお話をおとどけしております不定期連載の「無所可用、安所困苦哉」。第18回目は、我が家で最も沢山飼っているとある動物のおはなし

爬虫類両生類飼ってます。結構います。しかし熱帯魚の数には適いません。でも、一番多い動物は、爬虫類でも魚類でもありません。昆虫、コオロギです。

瞬間最大的には1500匹を超えるくらいのコオロギが我が家にいます。どこかのお寺かなにかに「コロギ供養塔」でも建立して弔ったほうがいいんじゃないのかな?と思うくらいにコオロギはいます。
そもそも、コオロギは1匹で売ってくれる店があまりありません。
売るほうも商売にならないし、爬虫類・両生類への1回の給餌がコオロギ1匹ということは殆どないからです。さらに、店によっては50匹と100匹の価格が一緒だったり。また99匹までの単価と100匹以上の単価(1匹当り)だと100匹以上の場合のほうが大幅にお安い、といった場合もあります。
ある程度より小さいコオロギは「数えてられない」という事情もあります。ヤドクガエルでは2~3mmのコオロギまでしか食べられません。ですが、アリより小さいくらいのコオロギを正確にカウントするというのはナンセンスなお話。
「だいたい100匹」が普通ですし、たいてい100以上入っています。小さいコオロギはグラム単位の計り売りということもあります。
コオロギの入手先は、爬虫類・両生類のお店か、もしくは通販です。
どこで買うか、特に決めてはいませんが、通勤経路には売っている店がなく、たまに都内に出た日にしか店には行けないので、半々くらいです。店に行っても在庫がないことがあったりするので、確実に入手したいときには通販になります。
(通販の例:月夜野ファーム:https://tsukiyonofarm.jp/)

爬虫類飼育を始めた頃は、コオロギがすぐに死んでしまい、かなりへこみました。ただでさえ生きた動物をエサにするという趣味なのに。
今では、寿命以外ではほぼ死なせることなくエサになっています。
キープのひとつのポイントは、水でした。

まず、蒸れがダメということがわかってきました。
コオロギケースへの霧吹きはダメという話はよく聞いていたのでしませんでしたが、じゃあどうやって水をやるのか。
コオロギ用給水器なんてのも買ってみましたがあまりうまく行かず。結果としていちばんよかったのは、「軽く丸めたティッシュに水をしみこませたものを、コオロギの数に応じていくつか入れておく」という方法でした。ティッシュペーパーはコオロギがかじったりなんだりでだんだん汚れたり乾いたりするので、そうなったら交換。これでまず幼虫コオロギはかなり持つようになりました。

しかし成虫クラスはまだうまくいきませんでした。
わかってきたのは、過密がダメということでした。いっぱい買うと、いっぱい死にますが、少ないと死なない。ということで、100匹のコオロギを50匹づつでキープするとうまくいく。でも場所は2倍…もうちょっとどうにかならないものか?

爬虫類店でのコオロギのストックを見ていると、ケースに紙のタマゴパックとか穴を開けた箱とかを入れているのに気づきました。要するにコオロギにとっての延べ床面積をひろげているのです。
いろいろ見て回ったりネットで探したりしたところ、園芸用の紙ポッドに切り込みを入れて並べるのがいいことがわかりました。またコオロギは狭いところに入り込むのが好きなので(身を守るために隠れているのでしょうが)、小さいコオロギには小さくて狭いもの、というのもわかってきました。
とまあ、コオロギの維持がうまく出来るようになってきて、爬虫類両生類もうまく育つようになってまいりました。

ところで、コオロギを買うときに困ることがあります。特にお店で買う場合なんですが、大きさの呼び方がバラバラなのです。
与える動物の大きさによってコオロギのサイズも変えてやらなければなりません。ところがお店によって「M」とか「4令」とか、呼び方がまちまちで、また同じ「M」なのに大きさが違うことも。
コオロギも個体差があるので、たとえば成虫でも数mmの差が出ます。それは仕方ないとしても、ある程度意図した大きさでないと困ります。大きすぎれば食べられないし、小さすぎると食べ物と認識しないです。
しょうがないので、「**に食べさせたい」とか、具体的なサイズを言うとか、場合によっては実物を見せてもらうなど、「買うときの工夫」をだいぶするようになりました。また、余りがちなエサのサイズにあった動物を飼育するという、ちょっと順序が逆なパターンもやっています。あまってしまうよりよいですが、こういう場合の動物はたいてい安価なヤモリになります。

ところで、2009年の秋口に、日本全国でエサ用コオロギがいなくなるという事態が発生しました。
エサ用コオロギは野生ではなく、ブリードされたものです。それが、なぜか種親がとれなくなり、そのためコオロギが流通しなくなったのです。
1軒のコオロギ屋さんがだめになっただけでなく、どこの店にも在庫が無くなり、コオロギ専門店になければそこから仕入れる爬虫類店にも影響が及び、本当に手に入らなくなりました。
この期間、代用にといろいろな虫を買いました。正直、コオロギより数段値段が高く、ものすごく動物の食費がかかった時期でした。またエサ用ゴキブリなんてのも買ってみたりしましたが、やっぱりゴキブリはゴキブリなので、これはちょっと受け入れ切れませんでした。コオロギよりも喜んで食べる爬虫類もいましたが。。

コオロギが群れているところは、人によってはかなりのグロ画像なので、「動くものしかエサにできない」の代表、カエルの画像でお茶をにごしておきますね。

蛙 蛙

■ライター紹介
【エドガー】
鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま経済新聞編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/3458655.html

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