蚤の市の骨董屋にはロマンがいっぱい 中国の古い墓から盗掘された斧に大奥女中の愛用品も?
おたくま経済新聞 / 2015年10月8日 17時16分
![蚤の市の骨董屋にはロマンがいっぱい 中国の古い墓から盗掘された斧に大奥女中の愛用品も?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/otakuma/otakuma_20151008_03_0-small.jpg)
中国の斧?
過ごしやすいような、日に日に寒さが増すような……。気がつけばもう秋ですね。
秋と言えば、食欲に紅葉と色んな楽しみ方があります。そして過ごしやすい時期にあちこちでみられるのが「蚤の市」。今ではフリーマーケットといったほうが分かりやすいでしょうか。
個人からプロまで色んな人が参加して、思い思いの商品をもちあい、地面に並べて販売するあれです。本来は古物を売る場所ですが、今では新品のものから、ハンドメイド商品、さらにご当地商品まで幅広く売られたりもしています。
私もたまーに、何か掘り出し物がないかちょこっと覗くことがあるのですが、必ず探してしまうのが「骨董屋」さん。(最近はよほどの専門的な蚤の市じゃない限り、色んなジャンルが出店しているので探すことが多いです。)普段の生活では骨董屋に立ち入るなんて少し敷居を高く感じてしまいがち。でも蚤の市なら青空天井なぶん、ほんと気軽に覗けてしまうのです。
■店主の話にはロマンがいっぱい!
なぜ骨董屋さんを気にするかといいますと、たまに変な曰くのお宝に出会うことがあるからです。お宝といっても本物かどうかはわかりません。でも、その商品について店主に問いかけると壮大なロマンで返してくることがあるのです。
例えば先日たちよった静岡の蚤の市では、店先に古代の斧みたいなものが値札もつけずに目玉商品よろしく目立つ場所に置いてありました。
思わず「店主これなに?」とたずねてみると「それはね、中国の古い墓から発見された斧なんだよ。盗掘されたものが日本に流れてきたのさ」。胡散臭さ満点ですが、もうこの辺から話にワクワクしてしまいます。
たしかに西漢時代(紀元前202年~8年)のものに似てる気もするので、発掘地に墓の持ち主に……とアレコレ聞いてみたいところですが、あまりにしつこく追求すると嫌な顔をされてしまうので、ほどほどで質問をしまいつつ、今度は別の商品で攻めたりもします。例えば、このお店の場合には、店の片隅にあった新幹線の模型の詰め合わせ。これも値札はついていませんでしたが、聞くとだいたい1万5000円前後とのこと。でも「マニア間では高値で売買されているもの。こないだも欲しいって人きちゃってねコマッタコマッタ」と購買意欲を煽る煽る。こういうやりとりがたまらなく好きなのです。
■群馬では大奥女中の愛用品が売られてた?
さらにある時立ち寄った群馬の蚤の市では(こちらは写真NGだったので写真はありません)、綺麗なべっ甲のかんざしセットが目に付きました。
かんざしに詳しくないためこちらも本物かどうかはわかりません。でも木箱に入っていかにも古くさ~く、元は高価そうなもの。その時も店主に由来をたずねてみると「昔大奥のエライお女中さんが使ってたものみたいよ」だって。ワクワクしませんか?このやりとり。
どこの店主もこんな風に「あやしい」答えを返してくれるわけではないのですが、特に蚤の市の場合にはこういう「ノリノリ」の店主が多いような気がします。
これからしばらくの過ごしやすい季節。もし蚤の市で骨董屋さんを見かけることがあったら、ほんの軽く覗いてみるといいかもしれませんよ。思いもよらない「お宝」に出会えるかもしれません。でもその際にはあまり店主にしつこくしないでくださいね。たまーに「自分の方がくわしいんだぞー」という感じで押しかけ論破目指して店主を困らせる人もいるようですが、それは良いこととは言えません。本当の知識は自分の中に納め、ただただその空間を味わうのも“知識人”のたしなみのひとつかと。あくまでつつましく、そして小粋に楽しんで下さいね。
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