あれ?と思ったら即行動 脳梗塞に「ここで気がついた」が話題
おたくま経済新聞 / 2017年7月15日 12時0分
イメージ(写真ACより)
脳梗塞に「ここで気がついた」という事例がツイッター上で話題になっています。
今ツイッター上で3万8千以上リツイートされている助六さん(@5UKE6)のツイートには
「風呂に入ったら体の左右で体感温度が違う →その場で風呂を出て評判のいい脳外科を検索 →電話して病院へ →即入院 →現在、全く後遺症なしで勤務中。 あれ?と思ったら即行動。 これが先輩の命と健康な生活を救いました。 」とあります。このツイートに対するリプライも多く、反響も大きいようです。
脳梗塞と言えば先輩が奇跡の完全復活というのがありました。
風呂に入ったら体の左右で体感温度が違う
→その場で風呂を出て評判のいい脳外科を検索
→電話して病院へ
→即入院
→現在、全く後遺症なしで勤務中。
あれ?と思ったら即行動。
これが先輩の命と健康な生活を救いました。
ご参考に
— 助六 (@5UKE6) 2017年7月11日
■脳梗塞とは
「脳の血管の一部が詰まり、血流が足りなくなった脳細胞が壊死する事。運動・感覚の麻痺などを起こし、後遺症による寝たきりや死亡にもつながる (メドレー医療辞典より)」
血管内にできたドロドロの塊(血栓)が脳の血管内に流れてしまい、血管を詰まらせてしまう病気です。塊の大きさが小さいと血管の細いところで詰まる事があるため症状も最初から大きく出ない事も多いです。そのため、初期に気がつかずに放置していると最悪の場合命に関わる事態となり、脳機能の低下が進んで寝たきり状態や認知症の症状も引き起こす事もあります。
認知症の場合、40代~50代で起きる「若年性認知症」ではその4割が脳血管疾患(または脳卒中……脳梗塞・脳出血・脳動脈硬化 )と言われております。
この中で特に夏場に起こりやすいのが脳梗塞です。熱中症から脳梗塞になるケースも見られます。夏場は汗により体内の水分が失われやすくなり、血液が濃くなります。濃くなった血液は血管内にコレステロールを含む塊をつくりやすくします。そのため、水分を摂って熱中症が回復しても塊が流れの良くなった血流にのって脳へ運ばれてしまうと脳の血管のどこかに詰まって脳梗塞を引き起こしてしまいます。また、完全に血管に詰まらなくても一時的に脳への血流が悪くなるなる一過性脳虚血発作(TIA)という状態があります。TIAは起こした方の15~20%の方が90日以内に脳梗塞を起こしていて特にTIA発症から48時間以内の早期に脳梗塞を起こす事が多いようです。いわばTIAは脳梗塞の前兆とも言えるのです。
■どんな症状に気をつけたらいい?
・突然激しい頭痛が起こり、立っているどころか座っている事すらできなくなった時は必ず救急車を呼んでください。脳の中に異変が生じている可能性が極めて大きいです。
・体の片側(右ないし左)に感覚が鈍い状態が発生する事があります。軽いと体の一部分だけ服の上から触られているような軽い感覚の鈍さで済んでしまう事もあります。
・歯医者で麻酔をかけた後みたいに口の角から飲み物がこぼれたりよだれが出たりするのも症状のひとつです。また、ろれつが回らない、言葉が出てこないなどもあります。
・歩きづらさやめまいといった症状もあります。足が思うように出ずふらつく事も。
・手や足の片方が急に力が入らなくなるという症状もあります。
・片方から呼びかけられてもいつもの様に反応しない事もあります。
■症状に気がついたら…「速やかに」病院へ
救急車を呼んでもいいのですぐに病院に行きましょう。翌日に持ち越さず、とにかく「速やかに」です。
神経内科や脳外科のある病院に行くのがベスト。CTやMRIを撮影する必要もあるので総合病院など設備の整っている病院が良いです。症状は大した事ないからまぁ急がなくてもいいかな?と思う事もあるかも知れません。でもこれが本当に脳梗塞だとしたら……4.5時間以内に脳の血栓を溶かす点滴(t-PA)を使えば手術などをする事もなく後遺症も殆どなく回復できる見込みがあります。
救急車を呼ぶべきか迷ったら、東京・大阪・奈良・福岡では「#7119」で救急相談ができます。その他の自治体でも救急相談を独自で行っている地域もあるようなのでお住まいの地域のタウンページを見てみてください。
最初のページを開いたところに緊急情報案内が載っているのでそちらを活用しましょう。
■症状に気がついていても脳梗塞だと思わなかったという事例
編集部に、過去脳梗塞を発症してしまったという人がいます。その人に体験談を語って貰いました。
「5年前、過労と仕事による心労からの鬱を患っていたけど仕事をこなさなければならず、抗うつ剤をエナジードリンクで流し込みながらどうにか毎日をやり過ごしていました。金曜日に仕事を積んで帰宅、何事もなく過ごしていたけど日曜の晩に突然後頭部が殴打されたような痛みと共に座っている事もできず、うまくしゃべる事もできなくなってしまいました。」
その時にすぐに救急車で病院に行っていれば良かったのですが……。
「夫も仕事が忙しくすぐには帰れませんでした。半身の麻痺が始まってしまっていたので当時中2の息子に抱えて引きずってもらいながらトイレに行ってました。6時間後に夫が帰ってきて異変に気がつき、すぐに自家用車で病院に運んでくれましたが先に来ていた交通事故の患者がいて検査や処置が後回しに。その後の診察で半身麻痺で車いすでの生活になる事を宣告されました。が、電気治療と必死のリハビリの結果足を引きずりながらだけど歩けるようになりました。」
「自分は脳の行動学を大学で学んでて、脳梗塞の知識がないわけじゃなかったのに、仕事が頭を過って病院に行く選択肢がなかったし、たとえ手遅れでも救急車を呼ばねば診察は遅れるという事を知らなかったのもどちらもダメでしたね」
その後もストレスによる再発もあり当時の仕事を退職し、現在は編集部で体調にあわせて働きつつ、通院しながらの生活を送っています。
若いからと言って無理をすると大きな負荷が掛かってしまいます。その負荷に耐えられなくなった時、どこかに故障が出てしまいます。病気になると自分だけではなく周りの人も大変な思いをする事になってしまいます。この記事を読んでくださっている皆さんも無理や無茶な生活をしないように、健康でいてくださいね。
<記事化協力>
助六さん(@5UKE6)
<参考・引用文献>
メドレー医療辞典:脳梗塞
治療ノートコラム:救急車、呼ぶべき? 相談センター「#7119」に問い合わせましょう
(看護師ライター・梓川みいな / 見出し画像・写真ACより)
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