【珍スポット】有名人も訪れる佐賀・武雄の道祖神 なるほど、ご立派
おたくま経済新聞 / 2017年8月2日 22時0分
有名人も訪れる佐賀・武雄の道祖神
佐賀県武雄市。楼閣が有名な佐賀の温泉地です。ここに“ご立派”な道祖神『さやの神さん/さやんかみさん』があるということで、行ってまいりました。
場所は御船山楽園入口から直ぐ近く。御船山楽園は桜の季節や紅葉の季節には地元の人だけでなく観光客も訪れる風光明媚な場所です。武雄には花街があり、そこにいた女性たちがここの道祖神に性病から守るよう通うようになり、地元に広く根付いたのだとか。武雄の花街は、旧日本海軍が1889年に佐世保を軍港として設置し、佐世保駅から鉄道が開通するようになって一気に栄えた花街です。『全国遊郭案内』によると付近に炭鉱があり、遊び場としてもとても栄えたと書かれているので、軍人だけでなく、炭鉱夫なども客にいて繁昌していたのかもしれませんね。
さて、話を戻して道祖神です。こちらはタイミングがよければ、ガイドの方が案内をしてくださいます。
訪れたのは大雨の後だったのですが、毎年7月の第二日曜に「さやん神祭り」があるそうで、その直後に訪れた私はとても運が良いとのこと。
入口に道祖神の由来と、さやんかみさんの名前の意味やお詣りの仕方が書かれた看板があります。武雄市観光協会が作ったさやんかみの看板は、形も男性器で、じっくり読んでいると道路から思い切り見られてしまうのがやや恥ずかしいところです。
中に入るとお社がふたつあります。まずは奥の社から案内していただきました。ここには過去、ここにあった道祖神が祀られています。男性器と女性器の石が向かいあって置かれ、手前ほど新しいものになるのだそうです。歴代の道祖神が大事にされていることが分かりますね。
この道祖神はお詣りすると子宝に恵まれると言われていることで知られていて、ガイドの方からここを訪れた有名人の名前があがります。またご本人でなく、親御さんが孫が出来るように来ることもあるのだとか。
入口にあった武雄市観光協会の看板によると男女の陰相を作ってお供えするのが常だそうですが、あまり並んでいないところを見るとお祭りの後だったからかもしれないなと、後で気が付きました。
そして手前のお社の方に、こちらは女性器の上に男性器が乗る形の道祖神です。この道祖神、武雄市人形組合が奉納したものだそうで、だからでしょうか、作りがとてもリアルです。
道祖神の入り口には「腰のべの鳥居」という小さな鳥居があります。この鳥居をくぐると無病息災、家内安全、子宝、安産のご利益があると聞いていましたが、本当に小さくて途中で詰まると怖いので、くぐることは出来ませんでした。
こちらの道祖神、子宝で有名ということで参詣が多いということですが、行く時は虫よけのスプレーなどをしていくか、長袖、長ズボンでのお詣りをおススメいたします。
大雨の直後ということで不安定なお天気の中出かけましたが、佐賀県では3つめになる道祖神を見ることが出来てとても満足の旅でした。
【道祖神の由来(さやのかみさん)より】
道祖神は日本における原始人の一つである(猿田彦神)文献によれば古事記にその端を発して居る。それは巨石を以って象徴をなし街路に座して悪霊や悪疫を村境や辻等で防いで暮れる神として祭られて居たのが本当の姿であった
中世期以降漠然とした神威の昨日が漸次形式化し機能の一部が誘導されて顕著な生殖器の神となったものである即ち男女の生殖器を以って神体として男女下症の平癒良縁出産家庭円満商売繁昌ひいては幼児の守護として祈願はその奉賽として男女の陰相を作製して献ずるを常とした平原のさやの神さんは明治大正昭和の始めにかけて盛行をきはめ多数の陰相が献納され僥倖を呈した
特に花街からの参りが盛んであった なお入口の一隅に高さ三十一センチ横幅三十一センチの小さな鳥居があります これは昭和五十年三月大安吉日に入魂建立された「腰のべの鳥居」で参詣者が病気平穏を祈念して奉納したものですこの鳥居をくぐると霊験があり無病息災家内安全を祈念いたします。
【さやんかみとはより】
武雄地方では道祖神のことを塞神―俗称さやんかみさん―と呼んでいます。
むかし、村の境界や坂道の登り口に悪霊の進入を防ぐ神として、あるいは道路の守護神として、巨大な石をもって象徴し、崇拝の対象としました。
中世になり、同神象徴の巨石が誘導されて、顕在な生殖器神となりました。
男女下症の平癒祈願をはじめ縁結び、妊娠、安産等を祈りひいては幼児守護の神とされてきました。
祈願者はその奉賽として男女の陰相を作り、お供えすることを常としました。
さたに同神は猿田彦神、庚申信仰、地蔵信仰とも習合したと伝えられます。
当地道祖神は平原峠の登り口に祀られ、かつて武雄の湯の町の花街蓬莱館が賑わいを極めていた頃、花街の人たちの参詣も多くありました。
現在でも一般の人の参詣はそのあとを絶ちません。
武雄市観光協会
(天汐香弓・PinkMagazine編集部)
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