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カップヌードルの中の人がとことん上司のダメ出しに付き合った結果

おたくま経済新聞 / 2017年10月17日 18時10分

カップヌードルの中の人がとことん上司のダメ出しに付き合った結果

最終案

色々と突き抜け切っている感のある日清食品の広報ですが、カップヌードルの公式アカウントがまた何やら突き抜けたツイートをしています。

10周年のミルクシーフードヌードルがチーズ感プラスで濃厚になったよ!みんな買ってね! pic.twitter.com/1KAem4pgdY

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

ツイッターに「10周年のミルクシーフードヌードルがチーズ感プラスで濃厚になったよ!みんな買ってね!」というツイートと一緒に投稿された写真。
モデルさんはミルクシーフードヌールを片手にカメラ目線で微妙に口を開けて笑顔。背景には公園と思しき場所の芝生広場でかけっこをしている子供たちや木立など。さらにその向こうの後ろ側には高層ビル群が遠めに見えているという構図。写真下には白文字で「あぁ、チーズ感!ミルクシーフード」のキャッチコピー。まぁ言っちゃナンですが、普通ですよね。きわめて無難。

この投稿の後、徐々に「上司のダメ出し」の指示のもとにこの写真が魔改造されていく事になるとはこの時このツイートを見た人の誰もが予想だにしていなかったであろう……。

この投稿から15分後―「先ほどのミルクシーフードの画像に上司から「チーズ感が足りない」と厳しいダメ出しが入りましたのでしばらくお待ちください・・・」というツイートと一緒に投稿されたのは、最初の写真に「上司」が書いたらしい赤字が書き込まれています。

先ほどのミルクシーフードの画像に上司から「チーズ感が足りない」と厳しいダメ出しが入りましたのでしばらくお待ちください・・・ pic.twitter.com/y8zHKx4ugC

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

「もっと笑顔に!」など普通っぽさを感じるダメ出しから、「黒髪はチーズ感のある髪型に」「どこかに『ねとめし感』出してください」「背景のビル『牧場感』出してください」「人間以外にもミルクシーフードが愛されている感じ」など、やや無茶振りっぽさを感じる指示。

そして45分後……「画像修正しました。チーズ感・・・出てるのか?」という疑問をつぶやきつつ投稿した写真には?
しっかりにっこりに修正されたモデルさんの口元はいいとして、目がアホっぽさ全開に修正(?)されており、髪色もチーズっぽさを出したという金髪に。修正した結果、確かに商品は最初よりも目立ってはいますが……背景が若干カオス。ビルの前には牧場の建物がねじ込まれ、遠くに見える羊の群れと馬と思しき動物、その手前にブタ二頭。そしてなぜか一番手前にはササをかじるパンダ。なぜパンダ?!
空には「Internet」だの「SNS」だの書かれた気球を謎の球体とともに飛ばしています。さらに白い鳥の群れまで飛ばしているという盛り込み振り。よく見ると、背景の芝生にしれっとアルパカ入れている……?

画像修正しました。チーズ感・・・出てるのか? pic.twitter.com/K2Robpx6X0

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

その15分後。「『チーズ感がまだ足りない』と上司から再度厳しいダメ出しが入りましたのでしばらくお待ちください・・・」というツイートに貼り付けられた写真は赤ペン先生も真っ青になるんじゃないかってくらいにびっしりと赤字でダメ出ししまくっている写真。

「チーズ感がまだ足りない」と上司から再度厳しいダメ出しが入りましたのでしばらくお待ちください・・・ pic.twitter.com/ItszgKqgmY

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

「全体的に『ねとめし感』が弱いので先進感をもっと出してほしいです。」という全体的な指示から始まり、パンダに対し「商品を前にして『笹食ってる場合じゃねぇ』感を。&もっと牛っぽく」え?そこにそんな指示入れる?

右上の上空にあいたスペースをさして、「ミルクシーフードの存在に嫉妬する地球外生命体の存在を。」って、何じゃそりゃ。
「木に冬感がない。伐採してください。」という無慈悲な指示の下には「冬の定番商品です。雪を積もらせてください。」さらにその下に「ミルクシーフードはワインにも合うという点を訴求したいです」とか、まぁ確かに洋風ベースの味付けだし乳製品とワインって相性いいけどなぁ。分かるけど、盛り込めるの?

さらに、鳥を指して「twitterの鳥っぽく」だの、ビル群の上を指して「巨大な電子頭脳を置く」だの、子どもたちを指して「子どもたちのデジタルネイティブ感。INTERNETの喜びを感じさせる」とかもう、ここまでくると何を言いたいのか分からない。全部の指示を説明するのは割愛しますが、どうしてここまで……と誰もが思う事請け合いのダメ出しっぷりです。

さらに45分後……。「何度も画像修正してすみません!やっと上司からOK出ました!10周年のミルクシーフードヌードルがチーズ感プラスで濃厚になったよ!みんな買ってね!」
と元気よく投稿したその写真は……
ええっと……これ、なんて表現したらいいんでしょうかねぇ?

何度も画像修正してすみません!やっと上司からOK出ました!10周年のミルクシーフードヌードルがチーズ感プラスで濃厚になったよ!みんな買ってね! pic.twitter.com/u6QuWMzX5K

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

モデルさんがアホっぽさ全開の目で凝視している先にあるのは、写真中央になるように配置されたミルクシーフードヌードル。確かに最初の写真よりも商品がかなり目立っています。が、その手!!商品を置いている手!!いくら「チーズ的な目立たせ方」って指示でも手のひらにデロデロに溶けたチーズを敷いてその上に商品を置くとかチャレンジャー過ぎやしませんか。
「地球外生命体を」の指示に対してはU.F.O.にキャトルミューティレーションされていく牛(ホルスタイン柄)たち。芝生を二足で走る牛(ホルスタイン柄)たちの手には商品が。
「『笹食ってる場合じゃねぇ』感を。」と言われたパンダはホルスタイン柄になって商品もって万歳だし。デジタルネイティブな子供たちはキーボードをスケボーにして宙を浮いて「INTERNET IS HAPPY」とか喋らせてるし。なんじゃこりゃ。子供の背景で青く光る脳みそも謎。
「ワインに合うことを訴求したい」という結果、空いている手にノートPC持たされたモデルさんの左後ろに赤ワインをテイスティングしている爺さん(?)の上に雪を積もらせた枯れ木。

ちょっと説明に困ってきました。でもデザイン業界ではこういうのって実はわりとあったりするんですよね。初案で出したものから、あれやこれや「まじで?」と思うような指示を出すクライアントはいます。そのためこの一連のツイートにはわりと「あるある感」を感じる業界人は少なくないようです。迷走の結果というまぁ、極端な例ですけどね。

さて、話を戻すと、一連の投稿の最後には、「修正になんでも応えてくれるデザイナーさんが上司からの『チーズ感が足りない』というダメ出しに全力で応えてくれた結果…ミルクシーフードヌードルの広告がこのような形になりました!」といういかにも満足そうな、下手したらドヤ顔さえ画面の向こうから見えてきそうなツイートでこの一連のツイートがまとめられていました。

修正になんでも応えてくれるデザイナーさんが上司からの「チーズ感が足りない」というダメ出しに全力で応えてくれた結果…ミルクシーフードヌードルの広告がこのような形になりました! pic.twitter.com/0T7aFfBXtN

— カップヌードル (@cupnoodle_jp) 2017年10月17日

上司の無茶振りの数々に頑張ったデザイナーさん、お疲れさまでした。とはいえ……まぁ、一連の投稿はPRを盛り上げるためのネタ投稿でしょうが。でもあまりに面白い連続投稿だったため、かなり多くの人達が反応していましたよ。というわけで、10周年で大幅リニューアルしたミルクシーフード味のカップヌードルは10月16日に発売となっています。

第1案
修正指示1
第2案
修正指示2
最終案

<参考・引用>
カップヌードル公式Twitter(@cupnoodle_jp)

(梓川みいな)

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