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「地震のたびに倒れてイヤね」 客の声から生まれたアイデア防災商品『明かりこけし』が素晴らしい

おたくま経済新聞 / 2017年10月29日 9時42分

「地震のたびに倒れてイヤね」 客の声から生まれたアイデア防災商品『明かりこけし』が素晴らしい

明かりこけし

 胴が細く、頭が大きい。この不安定な特徴をうまく利用し、防災グッズとしても役立つこけしを生みだした株式会社こけしのしまぬき。

 震度4程度の揺れがくると倒れてしまうデメリットを逆転の発想で利用し誕生した『明かりこけし』(税抜7,800円~)は、倒れることで内部のセンサーが反応してLEDライトが灯る仕組み。他にも手に持って傾けるだけでも反応します。普段は部屋の飾りとして置いておき、いざという時はすぐ手にできるとして、ネット中心に人々の関心をあつめています。

 株式会社こけしのしまぬきは明治25年創業。以来、125年にも渡り宮城県仙台市青葉区に店をかまえ仙台の伝統工芸品や民芸品、雑貨などを取り扱っているそうです。創業当初は、タバコ、パイプやキセルなどの道具を販売していましたが、その後こけしや仙台の工芸品や埋木細工(うもれぎざいく)などで作られた商品を販売していたとか。埋もれ木とは、500万年前に地中に埋まった樹木が化石のようになったもので、色は濃いグレーだといいます。すべて手作業で削り、菓子器や箸置きなどに加工されるそうです。

 今回、話題になっている『明かりこけし』がどのようなきっかけで誕生したのか、株式会社こけしのしまぬきの島貫さんに伺ってきました。

―明かりこけしは、どのようなきっかけで開発されたものなのでしょうか?

きっかけとしては2008年の岩手・宮城内陸地震でしょうか。三陸沖の地震が多い地域ということもあって、東日本大震災よりも前から「地震のたびにこけしが倒れてイヤだね」というお客様からの声が度々聞こえていました。それで、地震の揺れで倒れてしまうこけしに何かひと工夫できないかと考え『明かりこけし』を作ったんです。

―そうだったんですね。実際2011年3月11日東日本大震災の時、宮城県ではどのような状態だったのでしょうか?

停電、断水やガスの供給停止が一カ月以上続きましたね。電気は数日のうちに復旧しましたが、お風呂に一か月も入れないような状態でした。幸いにも私は知り合いからお風呂をお借りできたのでよかったのですが……。結局お店は2週間ほど休業することになりました。従業員は他県にでている者もおりましたが、全員無事でした。

―このような地震の際に、明かりこけしはとても活躍しそうですが、震災時以外にもオススメの使い方などありますか?

懐中電灯替わりに使用されている方も多いようですね。ライトのON、OFFのスイッチは無いんですが、LEDとセンサー、単3電池でできていまして、傾斜センサーが傾きを感知してライトが点灯する仕組みになっているんです。使用しない場合は、こけしを立たせておくしかないですが、お客様の中には「スイッチを押す手間が省けるからいい」と言ってくださる方もいらっしゃいますね。

―こけしは頭が大きく胴が細くて倒れやすいものですが、他にも種類はあるのですか?

こけしも現代にあわせて進化をしているんですよ。胴体が太くなり倒れにくいこけしもありますよ。『こけし缶』もそのひとつで、缶詰なのでサイズとしても小さいですし、倒れにくい作りになっています。

―「私もマイこけしを作りたい!」という方のためのワークショップなどあれば教えてください。

明かりこけしのワークショップは今のところ開催していませんが、こけし絵付け体験や作品展は随時開催しています。ぜひいらしてください。

 昔から子どもの卒業祝いや、お餞別、叙勲のお祝いや新築御祝など人生の節目にこけしを贈る文化が根付いている宮城県。
取材をさせて頂いて一番驚いたのが、こけしの種類が東北6県で11系統もあること。その中の4系統が宮城県発祥で、弥治郎(やじろう)、遠刈田(とおがった)、鳴子(なるこ)、作並(さくなみ)と顔の表情や模様、形状などの違いがあるそうです。今度、街中でこけしをみつけた時は、表情のちがいを観察してみるのも面白いかもしれませんね。

<取材協力>
こけしのしまぬき

(黒田芽以)

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