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NORADのサンタ追跡、カナダ軍のエスコートパイロット決定

おたくま経済新聞 / 2017年12月18日 14時0分

NORADのサンタ追跡、カナダ軍のエスコートパイロット決定

第401飛行隊のエスコートパイロットと整備員(PHOTO:RCAF)

 まもなく訪れるクリスマス。アメリカとカナダが共同で設置しているNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)が1955年以来、60年以上にわたって恒例としている、サンタ追跡も始まります。本番を控え、カナダ空軍がサンタクロースを上空でエスコートするパイロットたちを発表しました。

 そもそも普段は24時間態勢で北米大陸(アメリカ・カナダ)に対するミサイル攻撃などに備えているNORAD。サンタクロースを追跡するきっかけとなったのは、1955年のクリスマス商戦でした。アメリカ・コロラド州の百貨店が「サンタさんと話せる電話」を開設し、新聞広告に電話番号を載せたのですが、その番号が間違えており当時NORADの前身であるであるCONAD(中央防衛航空軍)の司令部の司令官用直通電話(ホットライン)が掲載されたのです。

 基本的にこの直通電話は、緊急事態が発生した時にしか鳴りませんが……かかってきた電話をうけとったのは、当時の指揮官、ハリー・W・シャウプ大佐。そして電話の向こうからはこんな質問が…………「ほんとにサンタさんなの?」。

 機転をきかせたシャウプ大佐は、サンタクロースの住んでいる北極から何かが飛び立った形跡がないか、部下に調べさせた結果を伝えました。恐らく、自分はサンタクロースではなく、彼を追跡監視する仕事をしているんだ……みたいなことも同時に伝えたんでしょうね。次々かかってくる電話に、大佐は同様の対処をしました。以来、CONADには、クリスマスの特別任務として「サンタクロース追跡」が追加されたのです。ちなみにシャウプ大佐のニックネームもこれを機に「サンタ大佐」になったそうですよ。

 そしてカナダ空軍では毎年、サンタクロースが安全にプレゼントを配れるよう、カナダ上空でエスコートするパイロットらスタッフを任命し、発表しています。今回任命されたのは4名のCF-18パイロットと、担当整備員です。

 カナダの東海岸を担当するのは、ケベック州バゴットビル空軍基地の第3航空団から第433飛行隊のボイヴィン大尉とクィリオン大尉。担当整備員はデイヴィッド軍曹。

第433飛行隊エスコートパイロットのボイヴィン大尉と整備員のデイヴィッド軍曹(PHOTO:RCAF)
第433飛行隊エスコートパイロットのクィリオン大尉(PHOTO:RCAF)

 カナダ西海岸でサンタをエスコートするのは、アルバータ州コールドレイク空軍基地の第4航空団から、第401飛行隊のロック中佐とミトルホルツ大尉。担当整備員はリッチモン伍長とアビエーターのラヴォアさん。

第401飛行隊のエスコートパイロットと整備員(PHOTO:RCAF)

 あわせて、オンタリオ州ノースベイ空軍基地の第22航空団・第21警戒管制隊で、サンタ追跡の通信管制を担当するスタッフも発表されました。責任者はカナダ空軍の女性士官リートン少佐。担当者はアメリカ空軍からビシニ軍曹、カナダ空軍からはシャルティエ伍長です。

NORADサンタ追跡の管制官(PHOTO:RCAF)

 NORADのサンタ追跡に従事するというのは名誉なことです。子供がいる場合、自分の親がサンタクロースのプレゼント配りをサポートしていると知ったら、とても誇りに思うでしょうね。

※PHOTO:RCAF

(咲村珠樹)

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