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食べたくない時は本能が拒否している?食物アレルギーの漫画が話題

おたくま経済新聞 / 2018年2月10日 16時0分

食べたくない時は本能が拒否している?食物アレルギーの漫画が話題

横山了一さん(@yokoyama_bancho)より。

北海道出身の漫画家が、これまで何となく食べるのを避けていたカニを大人になってから食べてみたら、実はカニアレルギーだった!というツイートが話題になり、大きな反響を呼んでいます。

 ツイッターやブログで漫画を発信している漫画家の横山了一さんがツイッターに投稿した漫画。
「なんとなく食べたくないときは食べない方がいいと思う」というつぶやきとともにその体験を漫画にしています。

 作中、横山さんは昔からエビやカニが苦手だった事を明かしています。30代になり何となく一口だけカニを口にしたところ、のどにピリピリとした痛みを感じたそうです。「オレ…軽いアレルギーだったんだ!」と衝撃を受ける横山さん。大人になって食べて初めて気が付いたのだそう。
このツイートには「自分も食べ物でアレルギーがある」という声が多く集まり、その種類も甲殻類から野菜や果物など多種にわたっています。

 こういった何らかのアレルギーを持っている人は、全日本人の約3人に1人。その種類は花粉症から食物アレルギー、薬剤、化学物質、自己免疫などあらゆるものが原因となりえます。

■アレルギーと一口に言うけど……

 一口にアレルギーといっても、原因や症状は実に多岐にわたります。今回話題になった食物アレルギー以外にも、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息、血液や腎臓の病気や免疫疾患など挙げたらキリがないくらい。

 アレルギーはその反応の違いからI~IVの型に分類され、食物アレルギーはI型に分類されます。

 このアレルギーではよく知られているように、アレルギーの元となるもの(アレルゲン/抗原)が体内に入るとそれを排除しようとする機能が働きすぎて免疫が過剰に働いてしまい、結果的に炎症やショック状態を引き起こします。

 横山さんのように局所的に反応が出る軽度のものから、急激な血圧の低下や意識消失などのアナフィラキシーショックといわれる命に危険を及ぼす状態まで、程度は様々。特にアレルギーが強く出やすい物質やアレルギーを起こす人が多い物質7品目(卵、乳又は乳製品、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニ)については法令で原材料に必ず表示することと義務付けられています(これら7品目に関しては微量混入・添加物のレベルでも表示義務あり)。

 さらにこれ以外の20品目においても表示を奨励する特定原材料として指定されています(あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)。これらの表示は子供向けのお菓子などに表示されている事が多く見られますが、加工食品全体をみるとまだそんなに多くはありません。

■食物アレルギーかもしれない?って思ったら

 食物アレルギーは乳児期に発症するものから小児期、成人後に発症するものまで幅広い年代で見られます。全年代で見られるといってもいいくらいです。
乳児期に発症したアレルギーは自然寛解していく例が多く、一般的に大豆・小麦・牛乳・卵の順で良くなっていきます。成長とともに免疫機能がアップデートするという感じでしょうか。ただ、アレルゲンに晒され続けるとアトピーや喘息などの症状はいつまでたっても治まらないので成長するまではアレルゲンとなる食べ物は食べさせない様にし、成長に合わせて少しづつ医療機関の指示下でアレルゲンになる食べ物を試していく方法が良さそうです。

 しかし、そば・ピーナッツ・果物などのアレルゲンで幼児・学童・成人で発症した食物アレルギーは治りにくいといわれており、特に重篤な劇症化しやすいアレルギーを持っている人には「エピペン」という患者が携帯して使用できる注射薬を処方されます。 エピペンは血液検査でアレルギーの反応を示す数値(IgE抗体)が高い人や基礎疾患に喘息がある人に処方され、処方された人はアレルギーによるアナフィラキシーショックを起こしたときに直ちにエピペンを使うことで命を守ることができます。

 エピペンは自己注射薬ですので、基本的に患者自身が注射するものです。ただし、患者自身が打てない場合は、その保護者や学校、幼稚園、保育所の職員などが患者本人に代わって患者へ注射することができます。幼・保育園、小学校や学童保育など子供と接する現場ではとっさのアナフィラキシーショックに迅速に対応できる様、エピペンの取り扱いについての勉強会も開かれています。

■アレルギーの予防はアレルゲンの回避から

 食物にしてもハウスダストにしても花粉にしても、どのアレルギーも原因となる物質を体に取り込まないというのが大原則です。
どの食品や物質がアレルギーの原因であるかを把握しておくことはアレルギーの程度にかかわらず大切であるといえます。食べたもので体に異変を感じたらかかりつけ医や内科などで相談してみてくださいね。

なんとなく食べたくないときは食べない方がいいと思う pic.twitter.com/vhjWXvUXAu

— 横山了一@コミティアA-28b (@yokoyama_bancho) February 8, 2018

<記事化協力>
横山了一さん(@yokoyama_bancho)

<参考サイト>
リウマチ・アレルギー対策 |厚生労働省
アレルギー表示に関する情報|消費者庁
※記事中の図・表は厚生労働省 平成22年度リウマチ・アレルギー相談員養成研修会テキスト より引用。

(梓川みいな / 正看護師)

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