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「知名度低い」「アピール下手」自覚する熊谷組 新卒採用の悩みを赤裸々告白

おたくま経済新聞 / 2018年3月1日 15時18分

「知名度低い」「アピール下手」自覚する熊谷組 新卒採用の悩みを赤裸々告白

熊谷くん

 「売り手市場」といわれる2019年の新卒採用戦線。ついに3月1日に活動が解禁され、あわせて各社人事部らがミッション「新人獲得大作戦」をスタートさせています。

 そんな最前線で、建設会社の中でもゼネコン(総合建設業)と呼ばれる株式会社熊谷組が、「知名度アップ」を目指して新卒に対するアピールを開始しました。ちなみに「熊谷組」ですが、“くまがやぐみ”とよく読み間違えられていますが、正しくは“くまがいぐみ”と読みます。

■知名度が低くアピール下手であることの自覚

 同社が3月1日に公開したのは、新卒採用向けページと、熊谷組のリアルな声を代弁するキャラクター「熊谷くん」が登場するスペシャルコンテンツ。これだけなら割と普通にも見えるのですが、その裏側には人事部の人たちの葛藤、そして新たな挑戦があるそうです。

 同社の人事担当者によると、社内では熊谷組を誰でも当たり前に知っているという意識に対し、学生の間では建築・土木の勉強をしている人でも「初めて知りました!」という人がほとんど。

 さらに一昔前には比較的応募がくる時代だったのに対し、最近では「なんで人がこないんだろう」という程人が来ず、「こんなに熊谷組知らないの?」と驚く事もしばしば。あ、なんか切ない。

 そこで「この温度差が埋まらないとマズい!」と、人事部中心となって立ち上がり、さらに「自社アピールが下手」という欠点を克服すべく悩んだ結果出てきたのが「熊谷組の良いところも悪いところも包み隠さず“リアル”に代弁する新キャラクター熊谷くん」の制作。見た目もリアル熊によせています。

■誇る技術や仕事はあるけど……目立つことへの抵抗「恥ずかしい(照れ)」

 同社としては「もっと誇ってもいいような技術とか、仕事とかもあるんですが」としつつ、これまで大々的にドーンとアピールすることに対し尻込みする傾向があったそうです。

 「自分たちはこんな派手な会社じゃない」という考えや、目立つことに対しては照れもあり「恥ずかしい想いの方が強かった」と、過去の反省についても述べています。

■良いことも悪いことも包み隠さず紹介 「OB訪問、誰もこないなぁ」

 3月1日にオープンした新卒向けコンテンツはサイトを通じて5本の動画を公開。

 登場するのはもちろん熊谷くん。彼は2017年の新卒で23歳、見た目は熊だけど人間という設定。「現場主義篇」では「研修みじかかったな~」「まだ学生気分でいたかった」など冒頭からぼやいて、早くも現場に放り出された実情を明かしています。他にも「怖そうな人程、実は優しい法則」と、現場での職人さんたちとの空気感を明かしてみたり、就職活動篇では「OB訪問、誰もこないなぁ」と愚痴ってみたりと本当に赤裸々。


 さらに、映像ではできるだけ現場空気感を伝えたいとして、実際の現場や熊谷組社員が出演して撮影が行われているそうです。このため熊谷くんのビジュアルを除けば、実際どんな職場なのかをリアリティをもって訴求。一見すると自虐ネタにも思われますが、清々しいほどの本音をもって職場を伝える様には、逆に見ているうちに誠実さを感じる人もいるのではないでしょうか。

 なお、人事部としてはこの熊谷くんについて「このキャラクターが社内外含め、拡がっていくのが楽しみです」とウキウキ期待をよせています。反響によっては続編も考えているのだとか?……どうやら熊谷くんへの期待は大きそう。がんばれ熊谷くん!

(宮崎美和子)

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