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ラトビアの新型警戒監視レーダー、導入試験終了

おたくま経済新聞 / 2018年3月13日 17時34分

ラトビアの新型警戒監視レーダー、導入試験終了

ラトビア空軍のTPS-77 MRR(Image:Lockheed Martin)

 2018年3月12日(現地時間)、ラトビア空軍は導入した多用途三次元警戒監視レーダーTPS-77 MRR(ロッキード・マーティン製)の導入試験が成功裡に終了したことを明らかにしました。

 TPS-77 MRR(Multi-Role Radar)は、Lバンド(1215〜1400Hz)の周波数帯域を用いる三次元フェイズドアレイレーダー。トラックに乗せた可搬式で、C-130などの輸送機に搭載して運ぶこともできます。長距離/低高度モードで使用でき、長距離モードでは高度0〜3万m・半径10〜643km(5〜250海里)、低高度モードでは高度0〜1万5000m・半径2〜150km(1〜81海里)の範囲が走査エリアとなります。レーダー素子には窒化ガリウム(GaN)素子を採用しており、消費電力が従来より低減され、素子自体も長持ちするようになっています。

 ラトビアは2015年に3基のTPS-77 MRRの導入を決定。納入されたTPS-77 MRRを使用して、導入試験を続けてきました。

 「TPS-77 MRRの導入は、我が国の軍の能力を高める大きな投資であり、我が国周辺の脅威に対する適切な対策となります。特に低高度の航空監視任務は、ラトビアの空域監視における最も重要なものであり、この新しい多用途レーダーの技術によって、他国の同種のレーダーとも同程度の能力を持つことになりました」と、ラトビアのライモンズ・ベルグマニス国防相は、TPS-77 MRRの導入試験終了に際してコメントを発表しています。

 ラトビアのあるバルト海周辺では、近年ロシア軍機の活動が活発になってきており、イギリスやオランダ、ベルギー軍機によるスクランブル件数も増加傾向です。最も距離的にロシアに近いNATO加盟国のひとつであるラトビアにとって、空域の監視は非常に重要になっているのです。

Image:Lockheed Martin

(咲村珠樹)

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