サーブの小型早期警戒管制機「グローバルアイ」初飛行
おたくま経済新聞 / 2018年3月18日 11時30分
SAAB「GlobalEye」(Image:SAAB)
2018年3月14日(現地時間)、サーブは開発していた小型の早期警戒管制機「グローバルアイ(GlobalEye)」が、スウェーデンのリンショーピングにある飛行場で初飛行に成功したと発表しました。これはビジネスジェット機のボンバルディエ・グローバル6000をベースに3次元レーダーを搭載し、早期警戒管制機(AEW&C)化したものです。
サーブ・グローバルアイ(GlobalEye)は、ボンバルディエの長距離ビジネスジェット機、グローバル6000がベース。機体上部にサーブ製の長距離3次元レーダー「エリアイ(Erieye)ER」を搭載し、その他データリンクシステムやESM/ELINT(電子情報収集)機器、衛星回線(Satcom)、赤外線センサーなどを装備し、早期警戒管制機(AEW&C)に仕上げています。小型で取り回しのしやすい機体サイズのため、E-3やE-767のような大型機は必要ないけれども、安価で使いやすい大きさの早期警戒管制機が欲しい……という需要に応える機体といえます。
2015年のドバイ・エアショウで開発が発表され、同時にUAE(アラブ首長国連邦)空軍が2機を発注。UAEは2017年に3機目を追加発注しています。グローバルアイ初号機は2018年2月23日にロールアウトしました。
およそ3週間にわたる地上試験ののち、スウェーデンのリンショーピングにあるサーブが所有する飛行場で2018年3月14日12時52分(現地時間)、マグヌス・リュンダール、マグヌス・フレドリクソン、マグヌス・ペーテルソン、3名のテストパイロットチームの手によって、グローバルアイは初めて空へと飛び立ちました。
1時間46分の初飛行の間、機体に搭載された各種の飛行データ測定装置は設計通りの数値を記録し、航空機として所定の性能を発揮して着陸しました。
着陸後、テストパイロットのフレドリクソン氏は「飛行は計画通り進みました。飛行性能の水準も、我々の高い要求に非常にマッチしたものでした。操縦に関しても予想に違わずスムーズで、とても楽しいものでしたよ」と初飛行の感想を語っています。
UAEでは、このグローバルアイを救難捜索、国境監視など、多用途監視システム(SRSS=Swing Role Surveillance System)として運用する予定です。ビジネスジェットをベースとしているため、大型の早期警戒管制機より取り回しもしやすく、それでいて同程度の航続時間を持っているので、新たな需要を掘り起こすことになるかもしれません。
Image:SAAB
(咲村珠樹)
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