金沢駅の美しさを守る「鷹パトロール」がスゴ過ぎる!
おたくま経済新聞 / 2018年4月23日 12時11分
![金沢駅の美しさを守る「鷹パトロール」がスゴ過ぎる!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/otakuma/otakuma_20180423_04_0-small.jpg)
鷹パトロール / 画像提供・株式会社鷹丸
石川県の玄関口「金沢駅」は改札を出ますと、訪れた人に傘を差し出す「もてなしの心」を表現した「もてなしドーム」が温かく迎えてくれます。そのドーム状の屋根は、空の移り変わりが感じられるガラスでできた屋根。ひとたび屋外へ出ると、鼓の胴にある「調べ緒」をモチーフにして作られた木造の「鼓門」が現れます。
しかし、これら美しい建築物が、ハトにとっては格好の場所に! 設計当初から金沢市は、ハトの糞害対策を検討・実施していたといいますが、より効果的な方法として取り入れたのが「鷹パトロール」。生きた本物の鷹が飛び回り、ハトを威嚇するので効果絶大。おかげで金沢駅は糞害もなく駅の美しさが保たれ、さらに鷹が駅中を周回する姿が「風情に合う」とニュースやSNSで度々話題となり、美観維持とPRという一石二鳥の効果を得ています。
一体どのようにハトを追い払っているのか、鷹を操る鷹匠(たかじょう)さんに聞いてみたい! ということで、金沢駅で「鷹のパトロール」を定期的に行っている株式会社鷹丸さんに詳しくお話を伺いました。
――いつ頃から金沢駅で鷹パトロールをされているのでしょうか? 以前から金沢駅には、ハトが多かったのですか?
作業は2015年3月からスタートしています。当時、かなり沢山のハトが住み着いていました。恐らく何年も前から住み着いていると思います。
――鷹は、金沢駅をどのように周回するのでしょうか?
鷹を腕に乗せ、金沢駅前広場の西広場や東広場を歩きながらハトが侵入しそうなポイントで飛ばし周回していきます。金沢駅前広場では沢山の利用者の方がいらっしゃいますので、利用者のご迷惑にならないように気をつけて飛ばしています。
――鷹のパトロールは、週に何回されていますか?
現在は、4月~10月までの期間で月に2回。午前か午後の2時間から3時間のパトロールをしています。
――鷹はハトをみつけた際に、咥えて鷹匠さんのところまで戻ってくるのでしょうか?
現在ハトは全く見かけない状態ですのでこの環境を維持するために、鷹を飛ばしてハトが寄りつかないようにするためのパトロールになります。今の作業とは話は違いますが、本来鷹狩りでは、鷹は捕らえた獲物を鷹匠のところまで持ってくるわけではなく、鷹が獲物を捕らえたところまで鷹匠が取りに行きます。また鷹が獲物を咥えず鋭い爪を持つ足で獲物を捕らえます。
――餌はどのようなものを食べるのでしょうか?
ウズラやヒヨコを食べます。
――金沢駅のパトロールでは鷹で行われていますが、その種類以外にパトロールに適した鳥類などはいるのでしょうか?
実際のパトロールは、中南米原産のハリスホークという鷹で行います。中型の猛禽類がハトの天敵となり得ます。鷹以外ですと、隼(ハヤブサ)や梟(フクロウ)などになりますが、鷹が一番向いており、更に金沢駅の環境を考えるとハリスホーク以外に適した鷹はいないと思います。
――鷹にパトロールさせる際の決まった合図などはありますか?
鷹を飛ばす時には「渡り」と言う技を使います。これは、鷹を木や構造物などに飛ばした後、餌合子(えごうし/えごし)という小判型の小さいお弁当箱のような道具の蓋と本体を叩くように鳴らし、鷹を呼び戻すことをいいます。鷹が帰ってくると、餌合子の中に予め入れておいた肉の切り餌を一切れ食べさせます。
――鷹匠になるには、試験や訓練などどのようなことをするのでしょうか? 一人前になるにはどのぐらい時間がかかるのですか?
鷹の訓練は、放鷹術と呼ばれる1600年以上の歴史のある訓練方法を応用しながら鷹を訓練していきます。
私はNPO法人日本放鷹協会の会員で鷹匠の認定試験を受け鷹匠となっていますが、全国共通の基準がないので、鷹を購入し次の日から鷹匠と名乗ることもできますので「鷹匠」と言ってもかなり技術の差が各人であると思います。どこまでの技術が身につけば一人前か何とも言えませんが、数年~10年くらいかかるのではないでしょうか。
北陸新幹線が金沢まで伸びた開業直後から金沢駅で「鷹パトロール」を行っている鷹丸さん。もしも今、ハトの侵入防止ネットなどが駅のあちこちに張り巡らされていたら、きっと今の美しい金沢駅は見られなかったかもしれませんね。
<取材協力・画像提供>
株式会社鷹丸
(黒田芽以)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
スーパーで買ったアサリを飼育したら…大量に“何か”を吐き出す姿にSNS衝撃「寄生虫?怖っ!と思ったら…」「興味深い!」
ORICON NEWS / 2024年7月2日 12時10分
-
銃弾一発ではカタがつかない現実。熊の恐ろしさを学べる狩猟FPS『theHunter: Call of the Wild』がセール中
Game*Spark / 2024年7月2日 12時0分
-
交通事故で甲羅が損傷し大けが ぐったりした天然記念物のカメ 獣医が8カ月懸命に治療し回復 森に返すまでの軌跡
沖縄タイムス+プラス / 2024年6月28日 8時16分
-
北朝鮮の“汚い北風”に韓国ブチ切れ!宣伝放送攻勢で一触即発まねいた9年前より事態は深刻
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月11日 9時26分
-
改めて「クスリ」とはなにかを考える…漢字の意味は?【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月8日 9時26分
ランキング
-
1日産新型「セレナ“ミニ”」登場は? シエンタ&フリード対抗の「小型ミニバン」は? 実はあった「小さな3列車」 ユーザーの声いかに
くるまのニュース / 2024年7月6日 7時40分
-
2不倫相談士は見た 第2回 PTAは不倫の温床? 恋に狂った妻には届かない“ダブル不倫の絶対ルール”とは
マイナビニュース / 2024年7月4日 16時0分
-
3何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
くるまのニュース / 2024年7月6日 18時10分
-
4値上げラッシュに打ち勝つ!電気&ガス代が家計を圧迫「夏の光熱費節約」プロ技10
週刊女性PRIME / 2024年7月6日 11時0分
-
5ワークマンの「暑い日に履きたい、通気性抜群のシューズ」3選 980円の「ボーンサンダル」はカワイイ&歩きやすい
Fav-Log by ITmedia / 2024年7月4日 5時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)