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アメリカ海兵隊に新スナイパーライフル配備開始

おたくま経済新聞 / 2018年5月23日 16時28分

アメリカ海兵隊に新スナイパーライフル配備開始

バージニア州クワンティコ海兵隊基地でMk13のデモンストレーションを行うランディ・ロブルス軍曹

 アメリカ海兵隊の狙撃手が使用する新しいスナイパーライフルとして、アーセナル・デモクラシー社のMk13 Mod 7が採用され、部隊配備が始まりました。2018年5月9日(現地時間)、アメリカ海兵隊が明らかにしています。

 アメリカ海兵隊は現在、M40A6、M110、M107と3種類のスナイパーライフルを部隊の特性に合わせて使い分けています。これを一本化することになり、主力ライフルとして.300ウィンチェスターマグナム弾を使用する、アーセナル・デモクラシー社のボルトアクションライフルMk13 Mod 7を採用したものです。

 Mk13 Mod 7は、ステンレス製の銃身を持つボルトアクションライフル。銃口には発射音を低減するサプレッサーを装着できるようになっており、通常は反動を軽減して精密射撃時のブレを抑制するマズルブレーキが装着されています。銃本体の上部には、スコープなど各種オプションを取り付けられるピカティニー・レール(MIL-STD-1913)が標準装備されています。

 使用する.300ウィンチェスターマグナム弾は、口径こそ7.62×51mmNATO弾を使用するM40A6やM110と同じですが、実包の長さが若干長い7.62mm×67mm。その分弾丸を発射するための火薬が多くなり、銃口から飛び出した時の運動エネルギー量が多いため、弾丸が山なりにならずにまっすぐ飛ぶ「低進性」に優れているという特徴があります。弾丸がまっすぐ飛ぶ距離が長ければ、その分直接狙って射撃できる距離を長く取ることができ、なるべく相手の脅威が及ばない遠くから精密に射撃を行いたい狙撃手(スナイパー)にとって重視したい能力です。

 すでにMk13 Mod 7は海兵隊の特殊作戦コマンド(MARSOC)で主力スナイパーライフルとして使用されており、今後2018年から2019年にかけて、歩兵部隊と偵察部隊に配備されることになります。これにより、ヨーロッパのNATO諸国とほぼ同等のスナイパーライフルを海兵隊は手にすることになる、と第3海兵遠征軍のショーン・ヒューズ曹長は語っています。

 「Mk13 Mod 7の配備により、これが海兵隊の主力スナイパーライフルとなります。(原型の採用が1966年と古い)M40A6は、養成学校や実戦部隊で補助的なスナイパーライフルとしますが、主に教材用として使用することになります。M110と(12.7mmと大口径で威力が大きく有効射程距離の長い)M107は、どちらも斥候狙撃兵(スカウト・スナイパー)用の追加装備として残します」と海兵隊システムコマンド歩兵用火器チームのポール・ギルキン大佐は、既存のスナイパーライフルをすぐ全廃する訳ではないとコメントしています。

 Mk13 Mod 7を用いた訓練は2018年4月初旬から実戦部隊や予備役、訓練部隊を通して徐々に始まっており、実際に手にした兵士たちの評判は上々のようです。長い間スナイパーライフルの一本化ができずにいたアメリカ海兵隊ですが、Mk13 Mod 7が待望の銃となってくれたようです。

Image:USMC

(咲村珠樹)

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