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イギリスのF-35B最初の4機がイギリス本土に到着

おたくま経済新聞 / 2018年6月8日 10時16分

イギリスのF-35B最初の4機がイギリス本土に到着

イギリス向けF-35Bが初めてイギリス本土の地を踏む

 2018年6月6日(現地時間)、イギリス海空軍向けF-35Bの第1陣として、イギリス空軍で運用される最初の4機がアメリカから大西洋を横断して、イギリス東部のノーフォークにあるマーハム空軍基地に到着しました。これは当初の予定より2か月も早いスケジュールです。

 この日早暁にアメリカ、サウスカロライナ州のビューフォート海兵隊航空基地を離陸したF-35Bは、途中イギリス空軍の空中給油機ボイジャー(A330 MRTT)からの空中給油を受けながら大西洋を横断、イングランド東部ノーフォークにあるマーハム空軍基地に到着しました。


 コクピット下部と主翼には低視認仕様のラウンデル(国籍標章)、垂直尾翼にはフラッシュ。本来フラッシュは赤・白・青の3色ですが、トーンの違うグレーで表記されています。

 エシュロン編隊を組んだ4機のF-35Bは、一旦基地上空を通過するオーバーヘッドアプローチを実施。1機ずつ着陸間隔を空けるための編隊解散方式であるコンバットピッチを行って、イギリス本土の地を踏みしめました。

 着陸時は珍しく、リフトファンと推力偏向ノズルを使用したSVTOL形態で滑走路に着陸。これはSVTOL形態への転換がちゃんと行えるかの機能チェックを兼ねたものです。


 到着した4機は、すべて第617飛行隊に配属され、このマーハム空軍基地で残りの訓練や試験が行われます。第617飛行隊は第二次世界大戦中、ドイツのルール工業地帯の用水や電力を供給するダムを破壊する「チャスタイズ作戦」を実行した爆撃部隊、通称「ダムバスターズ」として発足した、イギリス空軍でも象徴的な部隊。現在はトーネードGR.4を運用していますが、これからはF-35Bのマザースコードロン(要員育成の母体となる飛行隊)として機能していくこととなります。


 イギリスにとってF-35は、次世代航空戦力の要であるだけでなく、その製造などによって国内に多くの雇用を向こう50年は生み出してくれる重要な製品でもあります。ウィリアムソン国防大臣もこの部分に触れ、F-35Bのイギリス到着にあたり、以下のようなコメントを発表しています。

 「これら卓越した能力を誇る戦闘機は、我が国を守るだけでなく、同盟国を脅威から守るという我が国の意思を示すものにほかなりません。ゲームチェンジャーとなりうる、戦争やテロとの戦いにおけるその情報収集能力は、我が国史上最も進歩的なジェット機であることを示しています。我が国防衛産業や軍が最先端のテクノロジーを手にし、今日ここに最初の機体が到着したという記念すべき瞬間は、国民が我が国における革新の伝統を誇りに思い、イギリスを増大する危険から守るということを示しています」

 空軍制服トップであるヒラー参謀総長は、F-35B到着にあたり以下のようなコメントを残しています。

 「イギリス空軍100周年というこの記念すべき年に、ここマーラム空軍基地において、最も先進的でダイナミックな戦闘機を我々空軍の歴史に加えることができて、非常に素晴らしいことだと思っています――合わせて、コクピットにいる現代の『ダムバスターズ』たちにとっても、この帰国はイギリス航空戦力における歴史的瞬間だと感じていることでしょう」

 この秋には、空母クイーンエリザベスでのF-35B運用試験が始まります。その時、イギリスにとってまた歴史的な一歩となることでしょう。

Image:Crown Copyright 2018

(咲村珠樹)

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