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沖田修一監督の新作ショートフィルム「4つのお祝い」公開

おたくま経済新聞 / 2018年6月22日 17時48分

沖田修一監督の新作ショートフィルム「4つのお祝い」公開

ケーチとともにテーブルへ

 2018年5月に最新映画「モリのいる場所」が公開になったばかりの沖田修一監督によるショートフィルム「4つのお祝い」が、6月21日にYouTubeの三菱地所公式チャンネルで公開されました。それぞれ「5」にまつわるアニバーサリーを迎え、ケーキにろうそくを飾り付ける4人の男女。その意外な正体に注目です。

 2009年の映画「南極料理人」や2013年の映画「横道世之介」で各映画賞を受賞し、注目される映画監督の一人である沖田修一さん。その最新作となるショートフィルムが、YouTubeの三菱地所公式チャンネルで2018年6月21日に公開されました。「4つのお祝い」と題されたこの作品、脚本も沖田さんが手がけています。

 ケーキにろうそくを立てていく、中島歩さんと桜井ユキさん演じる若い男女。そして、フィギュアで遊ぶ男の子(中村研人さん)に「コワイ話」をする、古舘寛治さん演じる男性。「私は一度生まれ変わったんだ」と告げ、昔は首が360度回ったと語ります。


 この4人がテーブルを囲み、合計で105本のろうそくに火を灯して50歳(古舘さん)、25歳(中島さんと桜井さん)、5歳(中村さん)のお祝いをするのですが、それぞれの間に部妙な距離感が。ひとつ屋根の下で暮らしているようですが、どうにも不思議な関係です。

 実はこの4人、神奈川県横浜市の横浜駅からみなとみらい地区にかけ、三菱地所グループが所有する4つの施設が人間の姿をしたもの。横浜駅東口にあるスカイビルは、初代のビルが竣工したのが今から50年前の1968年3月4日(前年の1962年にプールやスポーツジム棟が先行オープン)。偶然にも演じた古舘寛治さんも1968年3月生まれです。

 初代のスカイビルは地下1階・地上11階の建物で、劇場やボーリング場、ショッピング街のほか、最上部の10階と11階は回転式(10階と11階で回転方向が違う)展望レストランとなっており、帷子川を挟んで国鉄の高島駅(貨物駅)や横浜機関区、三菱重工横浜造船所、横浜港を眼下に望むことができました。その後横浜造船所や周辺の貨物線が廃止され、みなとみらい地区の造成が始まり、横浜駅東口地区も再開発のため、初代スカイビルも1992年に解体され、1996年9月に新しいスカイビル(地下3階・地上30階)が竣工します。「生まれ変わった」というのは、このことを指すんですね。

 また、中島歩さんが演じていたのは、みなとみらい地区のシンボル、横浜ランドマークプラザ。1993年7月14日に竣工し、タワー棟「横浜ランドマークタワー」は最高高さ296mで、当時日本で一番高いビルとして知られた地下3階・地上70階・塔屋3階の建物です。桜井ユキさんが演じていたのは、この横浜ランドマークタワーの上部を占める「横浜ロイヤルパークホテル」。横浜ランドマークプラザと同じ、1993年9月15日に開業しました。今年で誕生25年を迎えます。

 そして中村研人さんが演じていたのは、2013年6月21日に開業した横浜市みなとみらい地区の大型商業施設「MARK IS みなとみらい」。中村さんの言葉通り、オープン時は大勢の人が押しかけ、グランドオープンから3日目の6月23日には早くも来場者数が累計約40万人にのぼったといいます。子育て中の家族から、その親世代までが楽しめる様々な店舗があるだけでなく、5階屋上の「みんなの庭」には果樹園があるなど、緑にも触れることのできる施設です。


 今回、この4つの施設が50年、25年、5年と「5」のつくアニバーサリーを迎えることを記念して作られた「4つのお祝い」。このショートムービーの予告編を思わせるテレビCMもオンエアされるほか、各施設ではそれぞれのアニバーサリーを記念したイベントも実施が予定されています。それぞれの語る思い出は、施設の思い出であり、そこを利用してきた人々の記憶でもあります。多くの人に親しまれ、そしてこれからも歴史を刻んでいく4つの施設。どんな思い出が増えていくのでしょうか。

情報提供:三菱地所グループ

(咲村珠樹)

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