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ANAの欧米便と一部ラウンジでしか提供されない「幻のボス」飲んでみた

おたくま経済新聞 / 2018年6月22日 19時11分

ANAの欧米便と一部ラウンジでしか提供されない「幻のボス」飲んでみた

プレミアムボス・スカイブラックの正面

 飛行機関連の取材をしていると、空に関係する様々な話題が耳に入ってきます。新しい機材やシートといった飛行機そのものに関するものから、機内食(インフライトミール)や空港ラウンジなどのサービスに関するものまで、ほんとうに多種多様な情報が入ってくるのですが、その中で「ANA(全日空)の国際線、それも欧米便でしか飲めない缶コーヒーがある」という話を聞きました。しかも2018年の6月1日~30日の期間限定。それってどんなの?

 その正体は、サントリーの「プレミアムボス スカイブラック」。形はコンビニなどで売られているボトル缶と同じですが、下からブルーのグラデーションが浮き上がってくるデザイン。「幻のボス」とも呼ばれているようですが、期間残りあとわずかという時期にお願いしたところ提供してもらえました!

 パッケージによると、インドネシアのリントンで生産されたマンデリンと書いてあります。コーヒーに詳しい人ならご存知でしょうが、リントンは、スマトラ島北部のトバ湖南岸に位置する、インドネシアでもオランダ統治時代からコーヒー栽培を続ける、歴史ある生産地。アラビカ種の中でも原種に近い、ティピカ種の古木が多く、また栽培する農家は大資本が入っていないために小規模で、大々的に農薬や化学肥料を使う規模ではないので実質的に有機無農薬状態で栽培されている場所です。当然、収穫もコーヒーの実(コーヒーチェリー)の状態を見極めて収穫されるハンドピック。昔ながらの手法で栽培と収穫が行われています。

 このリントン・マンデリンを主体にしたブレンドを缶コーヒーで味わえるとは驚きです。しかも通常コーヒーの輸入には船便を使うのが一般的なところ、これは空輸したものなんだとか。コーヒー豆の鮮度がより保たれている訳ですね。そしてこのような事情で大量に作ることができず、通常の販路で販売するのが難しいので、空輸に協力してくれたANAの、それも長時間のフライトなのでリラックスしてほしい……と、欧米線のみでの提供となったようです。

 さて、ボトル缶を開けて飲んでみると、マンデリン独特のコクと奥行きのある味わい。マンデリンはこの懐の深さがあるので、深く焙煎しても嫌な苦味が出にくいという特徴がありますが、深煎りであっても、嫌な重さはありません。湯せんしてホットの状態にして飲んでみると、香りも立って味も軽さが出てきました。無糖なので、より自然な味が楽しめますね。 

 しかし欧米線のみというのは惜しい……と思っていたら、国内の一部空港ラウンジでも飲めるとのこと。空港で見つけた時は逃さずに味わってみたいと思います。

記事化協力:サントリー食品インターナショナル株式会社

(文・撮影:咲村珠樹)

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