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潜入「名古屋めし大試食会」 とっても名古屋的なお料理モリモリ食べてきた!

おたくま経済新聞 / 2018年7月31日 15時37分

潜入「名古屋めし大試食会」 とっても名古屋的なお料理モリモリ食べてきた!

名古屋めしが色々

 皆さんは「名古屋の名物料理」というと、何が思い浮かびますか?味噌煮込みうどん、手羽先、きしめんあたりが思い浮かぶ人も多いかと思います。しかし最近は新たな「名古屋めし」を開拓すべく、名古屋をイメージする食材で新たなメニューを開発、提供しているお店も増えてきました。そんな、名古屋めしの新たな境地と魅力を発信しようという試みに潜入してきました。

 名古屋生まれのグルメ小説家である、Swind/神凪唐州(かんなぎ・からす)さんが主催した「名古屋めし大試食会」。開催された場所は、大須商店街のアーケードから少し離れたビルの一角にある「大須の森カフェ コダマ」というお店。普段はジブリファンが集う、大須の憩いの場なのですが、今回は名古屋めし一色に。15時からオープンという事でしたが、21時くらいまでやっているという事だったので18時前にお邪魔してみました。

 お店に入ってまず出迎えてくれたのが、ブッフェテーブルに並ぶお料理の数々。時間が浅かった事もあってスナックなどもありましたが、定番モノも。ピリ辛のひき肉が美味しい台湾ラーメンは殆ど姿を消してしまっていましたが、それと入れ違いでやってきたのがひつまぶし。

 でも、このひつまぶしはウナギが入っていません。実は、手羽先の煮込んだものを細かくしてご飯に乗せて、刻みのりと小葱を散らし、甘辛いタレをかけたもの。お出汁をかけて頂くのが名古屋流。という事で、早速いただきます。ほぐした手羽先肉と鰹出汁が程よく合わさって、思わず「うまっ!」と声が出てしまいました。

 次にかじり付いたのが、手羽先。こちらは身が柔らかくなるまでよく煮てあり、甘辛の醤油ダレにくぐらせてあります。がぶりと一口。身も皮もプリプリで、タレの甘辛さがよく絡んで美味でした。コショウを利かせた定番手羽先も美味しいのですが、個人的にはこちらの方が好みかも。

 そうこうしているうちに小ぢんまりとしたお店はどんどんお客さんが。19時前にして満席になってしまいました。そしてあたふたと料理を運んでくるSwindさん。お料理が盛られたお皿が来るたびに、ブッフェテーブルの前には長蛇の列が。

 刻み唐辛子が美しい土手煮の串は、前日から仕込んであっただけの事はあって噛むとほろっと崩れる柔らかさ。モツ特有の臭みもあまり気にならない感じで、これは日本酒が合いそうかも。

 次に来たのは、みたらし団子。みたらし団子ってとろみのある甘い醤油ダレが一般的かもしれませんが、こちらのお団子は大須の商店街ではおなじみの醤油のみの味付け。パリッとしたお団子の焼き目と焦がした醤油の香りが食欲をそそります。何本でも食べたくなる……。

 次に運ばれてきたのは鉄板の上に敷かれた卵焼きと、その上に乗ったモツ。モツのプリプリとした食感と唐辛子を利かせた赤味噌のコク、卵の甘味が一体となって口の中で弾みます。普段モツをあまり食べる機会がないため、その旨味をここぞとばかりに噛みしめていると、どうやら手羽先が運ばれてきた様子。あれ、これはさっきと様子が違う……。身の大きい方の骨を抜いて、中に何か詰めてあるようです。

 どうやらこれは「おからの手羽先餃子」だそうで、抜けた骨の部分にお出汁で炊いたおからが詰まっています。外の皮の部分は、あっさりとした塩焼き。おからの部分からかじってみると、手羽先の旨味をおからが良く吸っていて、おからの味とよく馴染んで美味。パサつきも全くないのは手羽先の皮から出るコラーゲンと脂のおかげかも。

 おからの旨味を味わっていたら、何やらカルボナーラらしきめん料理が。どうみてもカルボナーラでしょ、名古屋めしどこ行った?と思いつつもひと口食べてあれ??っとなりました。食感が、きしめん……。平たいめんは卵もよく絡んでこれは確かにアリだし、スーパーで蒸しきしめん(1玉30円くらい)を買ってくればわざわざ平たいパスタを買って茹でなくても作れるじゃん。いいじゃん。

 さて、名古屋の学園祭の模擬店やお祭りの露店には大体あるのが、たません。知らない人の為に説明すると、楕円形のエビせんべいに卵焼きを挟んだものが、たません(「たま」ご焼きを挟んだ「せん」べい)。上手い人が作ると、垂れない程度に程よく焼けた半熟の卵が楕円の半分に乗っかり、もう片方の半分でキレイに挟んであるんです。卵にはソースがかかっており、おやつのお好み焼きみたいな感覚。そのたません、お料理風になると、こうなります。半分に割ったエビせんと共に卵焼きと千切りキャベツ、そしてソースが添えられて「のっけてたません」。オープンサンドよろしく卵とキャベツを乗せてソースを垂らし、かじり付くと……確かに縁日のたませんだわこれ。

 たませんで駄菓子気分に浸っていたら、何やら大物が来ました。輪切り唐辛子とごろっとしたにんにくひとかけが丸々入った、インパクト大の「ベトコンニンニクもやし炒め」。何故ベトコンかというと、元々は愛知県一宮市で中華料理店を営んでいた「新京」が、スタミナ抜群で元気になれる「ベストコンディションラーメン(略してベトコンラーメン)」をメニューにしたのが始まり(新京公式サイトより。発祥には諸説あるようです)。そのベトコンラーメンのめんとスープのないのがこちら。辛めの肉みそと、よく火の通ったにんにくはほっくりとして食べ応え抜群!

 いい加減お腹が辛くなってきた……けど、まだまだ料理は運ばれ、そして行列が続きます。最後の締めに、八丁味噌コーラと「乗っけてしるこサンド」を。八丁味噌コーラはコダマさんに行けば他のご当地コーラと共にいつでも味わう事ができますが、せっかくのご当地メニューなので味わってみる事に。とっても赤味噌感漂うコーラの見た目……そして、お味はというと。あれ?案外味噌味噌しくない。もっとこう、赤味噌のコクとか塩気とかがグイっと来るかと思ったのに。後味にほんのりとした味噌の香りが引く感じで意外とゴクゴクいけちゃいました。

 そして「乗っけてしるこサンド」。こちらは各自ビスケットの上にしるこソースを乗っけて食べるスタイル。本家のしるこサンド同様、小豆と一緒にりんごの角切りも仕込まれていてあっさりとした甘さ。これ、別腹いける。

 しるこサンドを口にしていたら、さらにお料理が運ばれてきたんですけど……もうギブアップ!小倉サンドじゃない、小倉ピザも食べてみたかった……きっとあんこの甘味とチーズの塩気が程よく合ってたんだろうな。食べてないので写真撮れませんでしたが。

 去年までは名古屋コンベンションビューローが開催していた「名古屋めし博覧会」も、今年以降の開催はなく、寂しい思いもあったのですが、こうして新たな名古屋めしを発掘できる機会に恵まれました。草の根的な試みですが、定番と同じくらい愛される新名古屋めしもあると、より名古屋が面白くなるかもしれませんね。

<取材協力>
大須の森カフェ コダマさん(@moricafe_kodama)
Swind/神凪唐州さん(@swind_prv)

(梓川みいな)

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