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アメリカ陸軍が次世代ロケットランチャーHIMARSを外国向けに発注

おたくま経済新聞 / 2018年8月16日 14時27分

アメリカ陸軍が次世代ロケットランチャーHIMARSを外国向けに発注

ロケット弾を発射するHIMARS

 2018年8月14日、ロッキード・マーティンはアメリカ陸軍から次世代ロケットランチャーシステムM142 HIMARS(High Mobility Artillery Rocket System)を外国向けに18基、総額1億1800万ドルで受注したと発表しました。このHIMARSは搭載する車両も含めて、2020年には納入される予定としています。

 HIMARSは5トントラックに搭載可能な軽量ロケットランチャーで、その大きさからC-130以上の機体規模を持つ輸送機なら難なく搭載できるため、迅速に展開できるという特徴を持っています。使用できる弾薬も、陸上自衛隊でも採用している従来のM270多連装ロケットシステム(MLRS)のアップグレード版である誘導式多連装ロケットシステム(GMLRS)の弾薬をはじめ、最大射程300kmの本格的なミサイルであるMGM-140 ATACMS(Army Tactical Missile System)も発射でき、用途に応じた柔軟性も有しています。アメリカ陸軍ではその機動性を生かして、迅速な展開が求められる部隊に配備されています。

 システムに必要な人員は3名で、ロケットランチャーを搭載したトラックに全員乗ることができるため、ランチャーだけで独立して展開できるという点も重要です。運転席周りは生残性を高めるため、小銃弾や機関銃から身を守る程度の装甲で覆われています。

 HIMARSは現在のところ、ロッキード・マーティンが用意した5トントラックのシャーシに積載されていますが、これは導入する側で指定する別の5トントラックに変更することも可能。その際は運転席周りの装甲を形に合わせたものにすることになります。

 HIMARSはアメリカのほか、シンガポール、UAE、ヨルダンで採用されていますが、今回発表にある、外国の顧客がどこなのかは明らかにされていません。これまでにカナダ、カタール、ポーランド、ルーマニアなどが興味を示しているという報道がなされていましたが、これまでの提案と規模が異なるので、ひょっとしたら別の国という可能性もあります。アメリカ陸軍を通じた有償軍事援助(FMS)の形なので、比較的小規模で十分な国ということなのかもしれません。

Image:Lockheed Martin

(咲村珠樹)

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