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秘密の地下図書館で提供される「宮沢賢治」ドリンクがまるで銀河

おたくま経済新聞 / 2018年9月6日 15時25分

秘密の地下図書館で提供される「宮沢賢治」ドリンクがまるで銀河

宮沢賢治「ケンタウルス祭りの夜に〜銀河鉄道の夜〜」

 9月に入り、秋の夜長につい夜空を見上げてしまうこともある今日この頃。都会だと地上の光が多くて、なかなか星空を見ることはできません。そんな中、東京・銀座にあるCafe&Barでは、9月のカフェタイム限定で、カップの中に夜空の星々がきらめくようなドリンクが提供されており、Twitterで話題になっています。

 このドリンクを提供しているのは、東京・銀座にある「“秘密の地下図書館” BookCafe&Bar 十誡(じっかい)」。“好事家の書斎”をコンセプトにした、ブックライブラリースタイルのお店です。午後はカフェタイムとして、アナログレコードに耳を傾けながら、コーヒーや紅茶を楽しむことができます。

 このお店では毎月、その月に関係する文豪とその作品をイメージしたオリジナルのドリンクをバータイムとカフェタイムに提供しています。9月のカフェタイムメニュー限定で提供されているのは、宮沢賢治(8月27日生・9月21日没)をイメージした「ケンタウルス祭りの夜に~銀河鉄道の夜~」というモクテル(ノンアルコールカクテル)。夜空をカップの中に閉じ込めたような、深みのある青に金の星屑がきらめくドリンクです。

カフェタイム限定、宮沢賢治モクテル『ケンタウル祭の夜に〜銀河鉄道の夜〜』

夜空をすくい上げたような真っ青なバタフライピーには星屑がチラチラと輝きます。
自家製ラベンダーレモネードを少しずつ加えると、カップの底から蠍の火がじわじわと広がります🌉 pic.twitter.com/dieaeyC1jx

— BookCafe&Bar 十誡 (@zikkai) September 4, 2018

 これは、バタフライピー(蝶豆)というマメ科の花を使ったハーブティ。原産地であるタイでは「アンチャン」という名で呼ばれており、青色は花に含まれるデルフィニジンというアントシアニンの一種によるものです。キラキラしているのは食用の金箔。カップに添えられているのは、可視光や紫外線で光る蛍光石です。


 これに、自家製のラベンダーレモネードを入れると、カップの底の方から「あかいめだまの さそり」と宮沢賢治の「星めぐりの歌」に歌われた、さそり座の心臓アンタレスのような赤が鮮やかに燃え上がります。なんとも不思議です。

 種明かしをしてしまうと、バタフライピーの青色を作り出しているデルフィニジンという色素は、酸性では赤い色を示す性質があり、ラベンダーレモネードでハーブティが酸性となり、赤く変化したというもの。この性質を利用して、かつてはリトマス試験液(リトマスゴケの色素を使う)の代用として使われたこともありました。

 味わいは特にクセのあるものではなく、単体ではほぼ無味無臭。ラベンダーレモネードを加えることで、ハーバルレモネードとして楽しむことができます。また、このカフェタイム限定のドリンクが好評のため、バータイムでも楽しめるアルコールカクテル版を9月中旬から提供する予定だとか。

 このほかにも、カフェタイム限定の宮沢賢治にちなんだドリンクとして、「星めぐり~銀河鉄道の夜~(自家製星屑寒天のヴァイオレットトニック)」、「銀河遊泳~銀河鉄道の夜~(天然色素の青い緑茶で作ったノンアルコールスパークリングドリンク)」が提供されています。

宮沢賢治「星めぐり~銀河鉄道の夜~」
宮沢賢治「銀河遊泳〜銀河鉄道の夜〜」

 夜のバータイムには、泉鏡花(9月7日没)にちなんだカクテルも提供されており、「外科室」や「逢魔が時~陽炎座~」という、泉鏡花らしい耽美な世界を表現したショートドリンクも。本好き(ビブリオマニア)にはたまらないバー「十誡」。銀座に行った際には立ち寄りたくなるお店です。

泉鏡花「外科室」
泉鏡花「逢魔が時〜陽炎座〜」

<記事化協力>
秘密の地下図書館「BookCafe&Bar 十誡」(Twitter:@zikkai/HP:zikkai.com)
※18歳未満は入店できません。

(咲村珠樹)

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