ボーイングKC-46ペガサスがアメリカの型式認証を取得
おたくま経済新聞 / 2018年9月7日 15時16分
フライングブームを伸展させたKC-46A
アメリカ空軍の新型空中給油機KC-46ペガサス。ベースとなったボーイング767(B767)からの用途変更に伴うアメリカ連邦航空局(FAA)の型式認定に向けた試験飛行を2015年から続けていましたが、2018年9月4日(現地時間)に無事型式認定を取得したとボーイングから発表されました。
1957年から運用されているKC-135ストラトタンカー、1981年から運用されているKC-10エクステンダーを置き換えるために開発されたKC-46。ボーイング767-200(B767-200)をベースにして、航空自衛隊やイタリア空軍向けに開発されたKC-767をさらに改良したものとなります。
F-16に空中給油するKC-135(Photo:USAF)
トラビス空軍基地でのKC-10(Photo:USAF)
いわゆる「改造開発」という扱いなので、航空機としての基本的な性能はすでにB767-200として認定済み。それとは別に、空中給油機という新たな用途に使われる飛行機となったので、その性能が安全基準を満たしているか、という補助的型式認定(STC)、そして軍用機として所定の性能を満たしているか、という軍用型式認定(MTC)を受けるための飛行試験を2015年から続けていました。
試験においては6機の試験機を使用し、様々な飛行機への空中給油を支障なく行えることが確認されました。およそ3500時間を費やし、F-16、F/A-18、AV-8B、C-17、A-10、KC-10、KC-135、そして同型のKC-46に対して、合計で300万ポンド(約1360トン)もの空中給油を実施。空軍で用いている「フライングブーム」式、海軍や海兵隊で用いられている「プローブ&ドローグ」式という両方の給油方式で、空中給油機として問題なく運用できることを証明したのです。
エドワーズ空軍基地でのKC-46A(Photo:USAF)型式認定に先立ち、すでにボーイングはアメリカ空軍から調達予定の179機のうち、初回分となる34機分の発注を受けており、ワシントン州エバレットの工場で製造を始めています。おそらく最初の1機は2018年中に完成し、アメリカ空軍へと引き渡されることでしょう。
Image:Boeing/USAF
(咲村珠樹)
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