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これ知ってる? 懐かしの「ルーレット式おみくじ器」の今を聞いてきた

おたくま経済新聞 / 2018年9月18日 13時59分

これ知ってる? 懐かしの「ルーレット式おみくじ器」の今を聞いてきた

おみくじ(赤)

 球体の形をした「ルーレット式おみくじ器」って知っていますか? 星座でわかれた硬貨の投入口に百円を入れてレバーを引くと、ルーレットが回転。小さな筒状になったおみくじが出てくる仕組みです。

 発売された昭和50年代は、あちこちに喫茶店がある「喫茶店ブーム」と呼ばれた時代。今時主流のチェーン店はまだ少なく、色々な個性をもった喫茶店やレストランが多数登場した時期でした。そうした時代に、店で人気があったのが、この「ルーレット式おみくじ器」。コーヒーがテーブルに届くまでの時間や、会話のネタとしてつい回して遊んでしまう人が多かったのです。

 今でもたまにレトロ感漂うお店に入ると、ちょこんと置かれていることがあります。実はこれ、発売当初から何もかわらず、今に至るまで販売されつづけている現行商品。製造販売しているのは金属加工会社「北多摩製作所」。主に医療機械部品や車の部品などを製造している企業で、このおみくじは岩手県滝沢市にある工場で作られています。

 開発秘話をうかがったところ「他社のおみくじ機(卓上品)があった為、同じ商品が作れないのでルーレットが付いた商品を開発した」と、その理由を教えてくれました。また当時は喫茶店ブームの影響もあって、年間何十万台も販売していたそうですが、現在は月150台~200台位ほどにとどまっているそうです。ちなみに当時は、商品を買ってリース業をした人達が広めたため、地域によってはあまり置かれていない場合もあるそうです。

 仕組みとしては、先述の通り百円を入れてレバーを横に引くと、透明ドーム内の玉が回っておみくじが出てくるようになっています。特に金型は昭和から現在まで変わっていないため、多少ゆがみがあったりするそうですが「これも昭和のあじと思ってお買い求めいただきたい」とのこと。

 しかしながら、中身のくじも昭和の時代からずっと変わっていないにも関わらず、最近他社からおみくじ紙の粗悪品が販売され、しかもかなり出回っているとか。おみくじの入っているケースの長さがバラバラだったり、またケースの太さも小さく機械の中にすきまができてしまっていて「くじが詰まって出てこない」といったクレームが北多摩製作所側に多数よせられているそうです。ホームページでは他社製品と比較した画像をそえ「他社からお買いにならない事をお勧めいたします」と注意喚起が行われています。

 ルーレット式おみくじ器は、岩手県滝沢市の特産品にもなっており、ふるさと納税の返礼品としても販売されているとか。「チャグチャグ馬コの里」岩手県滝沢市の名産・特産品ネットショップ「チャグまるしぇ滝沢 」、楽天市場などで一般販売も行われています。ただし、受注販売形式のため手元に届くまで多少の時間は必要。価格は8640円(税込)、追加のくじ100本(1セット)が3240円(税込)となっています。

<取材協力>
有限会社北多摩製作所

(黒田芽以)

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