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「酒で人は死にうる」 忘年会シーズンに向け医師が注意喚起

おたくま経済新聞 / 2018年10月31日 11時27分

「酒で人は死にうる」 忘年会シーズンに向け医師が注意喚起

武矢けいゆう@外科医の視点さん(@keiyou30)より。

 これからにかけての季節、飲み会が増えてくる時期。ほろ酔いでワイワイと楽しむうちはまだいいのですが、酔っぱらった勢いで「自分の酒が飲めないのか」と部下に迫ったり、集団の圧力に負けて一気飲みしないといけない雰囲気にのまれてしまったり。結果、急性アルコール中毒で命を落とす人も。そんな危険を現役の医師が注意喚起しています。

 外科医で、医療関係者向けのサイトで数多くの記事を執筆・監修している、武矢けいゆう医師が次のようにツイート。

「当直中は、泥酔した若者がよく搬送されてくる。 正直、仕事としては辛い。 でも、意識が戻った時に『断れなかった、散々飲まされた』って泣いて謝られたことがある。 場合によってはパワハラや集団の暴力に近い。 忘年会シーズンが近づいているが『酒で人は死にうる』ことを改めて伝えておきたい。」

 繁華街に近い病院ほどこの傾向は大きく、特に飲み会が増えるシーズンには顕著になります。点滴を数本入れてしばらく寝かせておけば回復しそうな患者も、高度な医療を受け持つ救命救急センターや高度救命救急センターがある3次救急病院に運び込まれる事があります。それだけ急性アルコール中毒は油断のならないものなのです。

 このツイートには反響も大きく、実際に急性アル中になってしまった家族の話がリプライにあったり、「店舗内でアルハラ防止キャンペーンのポスターを貼るべき」「未だにこういうことあるんですよね。本人も辛いでしょうね。」といったリプライ、ハラスメントが未だ横行している事に憤りを感じている人もかなり多く見受けられました。

 若いうちは特にお酒との付き合い方も分からない事が多く、自分の適量を把握しないまま、周りの雰囲気にのまれ飲み過ぎてしまう事があります。そして、周りの年長者からの勧めも断り切れないという事も多くあります。若い人は自分で多少の失敗を繰り返しながらお酒との付き合い方を学んでいけばいいかもしれませんが、「飲まなけれな場がしらける」「上司だから仕方なく飲む」という事は、いいお酒の付き合い方ではありません。また、周りの年長者は、若者とお酒を飲む場合は、お酒との付き合いが浅い若者に対して、いいお酒の付き合い方を諭していく義務があると思います。

 酔うと気が大きくなって、まだまだ飲める!って思ってしまう人もいるかもしれません。「自分が飲めるんだからこいつも飲め飲め」という年長者、未だに少なくありません。前者は自己責任になりますが、後者は立派なハラスメントです。その結果が人の命を奪う事に繋がる事を、酔っていても心のどこかで覚えておいて欲しいと思います。そして、アルコールは適量を守って楽しく、これが一番の鉄則です。

当直中は、泥酔した若者がよく搬送されてくる。
正直、仕事としては辛い。
でも、意識が戻った時に「断れなかった、散々飲まされた」って泣いて謝られたことがある。
場合によってはパワハラや集団の暴力に近い。
忘年会シーズンが近づいているが「酒で人は死にうる」ことを改めて伝えておきたい。

— 武矢けいゆう@外科医の視点 (@keiyou30) October 24, 2018

<記事化協力>
武矢けいゆう@外科医の視点さん(@keiyou30)

(梓川みいな/正看護師)

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