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サイボーグ009「誰がために」成田賢さん死去

おたくま経済新聞 / 2018年11月13日 14時30分

サイボーグ009「誰がために」成田賢さん死去

2016年3月5日渡辺宙明卒寿記念コンサーVOL.2より

 TVアニメ「サイボーグ009(1979年版)」OP「誰がために」や東ハト「キャラメルコーン」CMソングなどで知られる歌手の成田賢さんが2018年11月13日、肺炎のため逝去されました。73歳でした。公式Twitterアカウント(@NARIKEN009)にて、アシスタントさんにより発表されました。なお、葬儀一切は身内のみで行う予定とのことです。

成田賢は本日、午前7時過ぎに肺炎の為亡くなりました。
生前、故人の作品を愛して下さった方々、ライブに脚をお運び頂いた方々に深い感謝の意を故人に代わって申し上げます。
尚、葬式一切は身内のみで行う予定ですので、今は故人の残した作品や動画で故人を偲んで頂ければ幸いです。アシスタントより

— 成田 賢 【 公式 】 (@NARIKEN009) November 13, 2018

 成田さんは旧満州の大連出身で、北海道でのバンド活動ののち、1967年にグループサウンズ「ザ・ビーバーズ」のボーカル&ハーモニカとしてシングル「初恋の丘」でデビュー。当時はスパイダースと同じ事務所(のちの田辺エージェンシー)に所属していました。かまやつひろし(「醐樹弦」名義)作曲の「君なき世界」などシングル5枚、アルバム1枚を残して1969年に解散したのちは、ギターの平井正之さんとともにロックバンド「エモーション」を結成。ディスコを中心にライブバンドとして大きな人気を博しました。メンバーには、のちにゴダイゴに参加する浅野孝己さんや、ビブラトーンズを結成する近田春夫さんらもいました。

 成田さんは、このエモーションでの活動中に肺結核を患い、約1年間の病気療養。のちにバンドに復帰しますが、ソロボーカリストとしての活動に重心が移っていきます。大林宣彦監督の初劇場映画「HOUSE」(1977年)のイメージソング「ハウスのふたり~ハウス・愛のテーマ~」をゴダイゴとともにシングルとしてリリース、また東鳩東京製菓(現:東ハト)から1971年に発売された「キャラメルコーン」CMソングでもダイナミックなボーカルを披露しています。

 アニメ・特撮ソングとの出会いは1979年のTVアニメ「サイボーグ009」。関係者からの勧めでオープニング「誰がために」を歌唱。そのソウルフルな歌声はアニメファンを魅了しました。また、1980年のスーパー戦隊シリーズ第4作「電子戦隊デンジマン」オープニング「ああ電子戦隊デンジマン」の歌唱でも知られています。

 このほかにも、1980年にフジテレビ系で放送された国鉄の「いい旅チャレンジ20,000km」キャンペーン(20,000kmは当時の国鉄旅客営業線総延長距離)関連番組「いい旅チャレンジ20,000km」のテーマソング「線路で描ける日本地図」など、TVやCMソングを手掛けています。

 1981年に一時引退し、音楽活動から身を引いていましたが、2007年の「ANIME JAPAN FES 2007 “冬の陣”」で音楽シーンに復帰。スーパー戦隊シリーズ第31作「獣拳戦隊ゲキレンジャー」のオープニング「獣拳戦隊ゲキレンジャー」を担当しました。その後もライブやYouTubeで楽曲を公開するなど音楽活動を展開、2016年3月の「渡辺宙明卆寿コンサート」では、フルオーケストラをバックにパワフルなパフォーマンスを見せてくれました。

 2018年11月6日のツイートでは風邪気味であることを明らかにされていましたが、急な訃報となってしまいました。数々の心に残る歌声に感謝したいと思います。

画像提供:スリーシェルズ

(咲村珠樹)

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