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恒例の「クリスマス・ドロップ作戦」始まる 日本を含む5か国が太平洋の島々へプレゼントを配達!

おたくま経済新聞 / 2018年12月12日 12時41分

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「クリスマス・ドロップ作戦」のパイロット(画像:USAF)

 2018年12月5日(グアム時間)、グアム島アンダーセン空軍基地で航空自衛隊、アメリカ空軍、オーストラリア空軍らが共同で実施する「クリスマス・ドロップ作戦」が始まりました。太平洋の島々へ、様々な支援物資を「クリスマスプレゼント」として届ける、67回目を迎えるアメリカ軍で最も長い歴史を持つ人道支援活動です。

 クリスマス・ドロップ作戦が始まったのは、1952年のこと。B-29の改良気象偵察機型、WB-50の搭乗員がミクロネシアのカピンガマランギ環礁を哨戒飛行中、クリスマスのお裾分けとして機内に搭載していた物資をパラシュートで投下したことがきっかけです。これが恒例行事となり、現在では太平洋の56を超える島々に住む約2万人の住民に支援物資の「クリスマスプレゼント」を投下しています。

「クリスマス・ドロップ作戦」開始式(画像:USAF)

 作戦の実施にあたり、中心となっているのは横田基地に所在するアメリカ空軍の第374空輸航空団。2015年からは日本からも航空自衛隊の第401飛行隊、そしてオーストラリア空軍の第37飛行隊も参加して、3か国のC-130が共同で行う作戦となっています。2018年はこれに加え、インド空軍とフィリピン空軍もオブザーバーとして参加することになりました。

クリスマス・ドロップ作戦2018の記念パッチ(画像:USAF)

 作戦の始まりは、支援物資の仕分けと梱包。アンダーセン基地の広大な倉庫を使って、集められた支援物資を仕分けしていきます。支援物資は主に衣類や食料、農作物の種子や学童用品など。小牧基地から参加している自衛隊員も笑顔で仕分け作業を行います。




 箱には子供達が島々の子供達にメッセージとイラストを描く姿も。缶詰の食料は、壊れることがないようクーラーボックスに入れられています。


 2018年から参加したフィリピン空軍やインド空軍のメンバーも梱包に参加。丁寧に梱包する様子をスマホで撮影する人もいました。


 そして、この支援物資を最終的に送り届けるための試験も行われます。実際に支援物資を模した箱をC-130から物量傘で投下し、風に流されてもちゃんと海に浮くかどうかを確認する試験投下が行われました。



 この「クリスマス・ドロップ作戦」は、表向きには戦術輸送機(C-130)からの低空物量投下訓練として実施されます。輸送機から物量傘を用いて物資を投下するのは、人道支援物資でも戦場で使用する装備品でも要領は同じ。このため「訓練」という名目で人道支援活動を行なっているのです。

 一応「訓練」ですが、アメリカ空軍のC-130では、コクピットにイルミネーションの装飾がされており、パイロットやロードマスター(荷扱い責任者)はサンタ帽をかぶって作戦に従事します。任務ですが、クリスマス気分ですね。


 航空自衛隊がミクロネシアで共同訓練を行うことに対し、中国を牽制する動きだとか、島嶼防衛などと絡めた報道が一部でなされていますが、アジア太平洋地域での人道支援活動が主な目的であることを知ってもらいたいものです。自衛隊はこのような人道支援活動を通じて、諸外国と日本が良好な関係を構築する役割も担っているのです。「クリスマス・ドロップ作戦」は2018年12月5日から12月18日まで、太平洋の島々を巡りながら行われます。

Image:USAF

(咲村珠樹)

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