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韓国海軍の潜水艦に初の親子乗組員誕生

おたくま経済新聞 / 2019年1月8日 14時43分

韓国海軍の潜水艦に初の親子乗組員誕生

潜水艦ホン・ボムドに配属されたチョン・ハンミン下士を激励する父のチョン・サンボン准尉(画像:韓国海軍)

 2018年に就役した韓国海軍ソン・ウォニル型(孫元一・ドイツ214型のライセンス生産版)潜水艦の7番艦、ホン・ボムド(洪範図・SS-079)に乗組員の息子が配属されました。親子が同じ潜水艦の乗組員になるのは、韓国初の出来事です。

 この親子は、49歳の父チョン・サンボン(鄭上鳳)准尉と、24歳の息子チョン・ハンミン(鄭韓民)下士(2等兵曹)。父のチョン・サンボン准尉がホン・ボムドからの転出を控えた2019年1月4日、新たに息子のチョン・ハンミン下士がこの潜水艦へと配属されたのです。

 チョン・サンボン准尉は、1996年から20年以上もの長きにわたって潜水艦部隊に所属し、そのうち14年間を潜水艦乗組員として過ごしてきた経験豊富な潜水艦乗り。これまでに海豚(トルゴレ)型潜水艇、チョン・ウン(鄭運・SS-067)、チェ・ムソン(崔茂宣・SS-063)、ソン・ウォニル(孫元一・SS-072)と乗り継ぎ、ホン・ボムドが4隻目となります。ソン・ウォニル型の採用にあたっては、教官要員として開発元のドイツに派遣され、8か月にわたってドイツの潜水艦基地であるキールで艦についての教育を受けました。運用に際しての技術教範作成(ドイツ語教範の翻訳)や試験航海の評価書作成にも従事し、ソン・ウォニル型潜水艦における運用の基礎を築いた人物でもあります。

 息子のチョン・ハンミン下士は2017年2月に海軍第254期として任官。2018年6月から潜水艦乗組員養成課程に入り、およそ半年の訓練を終えてホン・ボムドへと配属されました。潜水艦を志望したのは、子供の頃父親のドイツ留学にともない、ドイツのキールで潜水艦が日常的にある生活を送ったのが大きな動機になったといいます。

 親子は同じ機関科のディーゼル員。父親のチョン・サンボン准尉が分隊長を務めます。親子といえども、艦内では分隊長と分隊員という厳しい上下関係。父は分隊長として、新しい分隊員の息子にこれから担当する潜水艦の主機関であるディーゼルエンジンについてレクチャーします。

 父のチョン・サンボン准尉は、あと1か月足らずで潜水艦勤務を終え、陸上の司令部勤務になるとのこと。親子が同じ潜水艦に乗り組むのはわずかな期間ですが、チョン准尉は息子にできる限りのことを教えたいそうで「潜水艦というのは、1人がミスをすると、それが全体に波及してしまうものなので、すべてが重要です。息子はまだまだ半人前で、足りないところがたくさんあります。基本に忠実に、そしてよく考えて行動して立派な潜水艦乗りへと成長してもらいたいですね」と語っています。

 息子のチョン・ハンミン下士は「潜水艦要員になったということを真っ先に父に報告した時、父は『よくあの難関を突破したな』と褒めてくれました。必ず精鋭の潜水艦乗りになって、国を守っていきたいと思います」と語っています。

 また、チョン・サンボン准尉の次男、23歳のチョン・スミン中士(1等兵曹)も海軍でソナー員を務めているとのこと。スミン中士も潜水艦を志望しているそうで、ひょっとしたら兄弟で同じ潜水艦に乗る日が来るかもしれません。

Image:韓国海軍

(咲村珠樹)

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