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期限せまる「Brexit」対策? 独ラインメタルがイギリスでBAEシステムズとの合弁会社設立

おたくま経済新聞 / 2019年1月24日 17時4分

期限せまる「Brexit」対策? 独ラインメタルがイギリスでBAEシステムズとの合弁会社設立

テルフォードのBAEシステムズ事業所で走行するボクサー装輪装甲車(Image:BAE Systems)

 2019年3月29日にEU離脱交渉期限を迎えるイギリス。そのイギリスを代表する防衛産業の世界的大手、BAEシステムズとドイツの防衛産業大手、ラインメタルが、イギリスに陸上の防衛装備品を開発・生産する合弁企業を設立することで合意したと、2019年1月21日(イギリス時間)に発表しました。イギリスがEUから離脱すると、これまで非課税だったEU圏内からの輸入に際して関税がかかることになります。防衛装備品の国際共同開発が標準的手法となる中、これを回避するための措置と思われます。

 イギリス、テルフォードにあるBAEシステムズの事業所に本社が置かれる予定の合弁企業は、ラインメタルが55%、BAEシステムズが45%を出資して設立される予定。発表によると「ラインメタルBAEシステムズ・ランド(RBSL)」という社名になるということです。

 この合弁企業の第一の目的は、イギリス陸軍が採用を決定した新しい歩兵用装輪装甲車(MIV)の生産。ラインメタルのボクサー8輪装甲車をベースとしたもので、500両以上を導入し、2023年に就役することを予定しています。

 ただでさえ防衛装備品はコストが高いことに加え、採用決定当時はまさかイギリスがEUから離脱するなんて想像もしていませんでした。このままイギリスがEUから離脱してしまうと、ドイツから輸入するこの装甲車に関税がかかってしまい、調達金額も大きく膨らんでしまいます。ラインメタルはイギリスに生産拠点を持っていないので、BAEシステムズとの合弁企業を設立し、関税のかからないイギリスでの現地生産をできるようにした、ということのようです。

 BAEシステムズの陸上装備イギリス事業部マネージング・ディレクター、ジェニファー・オスバルデスティン氏は「私たちは戦闘車両の絶え間ない進化によって、顧客の将来の関心にお応えすることをお約束します。ラインメタルとイギリスで事業を行うことで、私どものビジネスを一新し、製品を送り出すことで陸上戦力の重要な役割を果たすことになります。この合弁企業がイギリス陸軍だけでなく、海外の顧客にも信頼ある供給者となることを楽しみにしています」とコメント。

 また、ラインメタルの車両部門グローバルヘッドのベン・ハドソン氏は「ラインメタルとBAEシステムズとの新しい合弁に大きな期待を抱いています。両社の能力を結集することで、軍用車両やテクノロジーの融合において、現在だけでなく未来においても素晴らしい未来図を顧客に示すことができるでしょう。イギリス、テルフォードの地でこれから成長していくことに自信を持っています」と、この合弁についての期待を語っています。

 この合弁企業「ラインメタルBAEシステムズ・ランド」は2019年前半には設立されるとのこと。この合弁企業の発足で、イギリス国内に400名以上の労働需要も生み出せるとしています。

Image:BAE Systems

(咲村珠樹)

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