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道後温泉に「火の鳥」が舞う 明治の北側入口が復活し光のアート出現

おたくま経済新聞 / 2019年2月12日 15時46分

道後温泉に「火の鳥」が舞う 明治の北側入口が復活し光のアート出現

道後温泉本館「道後REBORN」

 1894(明治27)年改築以来125年にわたって親しまれてきた、愛媛県松山市の道後温泉本館。2019年1月15日からは、重要文化財の公衆浴場としては全国で初めて、営業しながらの保存修理工事が始まりました。この工事に合わせて、1894年当時の正面入口だった北側入口が復活。そして2月1日からは、約7年に及ぶ事業の第1期工事期間となる約3年間を彩る、手塚治虫のライフワーク「火の鳥」とコラボしたイベントが始まりました。期間中のライトアップを手がけるのは、デジタルアートコンテンツの旗手、ネイキッドです。

 1894年、道後湯ノ町の初代町長である伊佐庭如矢(いさにわ・ゆきや)が、100年後の道後の繁栄を見据えて改築した道後温泉本館(神の湯)。木造3階建て、刻太鼓(ときだいこ)を鳴らす塔屋「振鷺閣」を有する建物は、松山城の城大工棟梁の家系に連なる坂本又八郎によるもの。その後1899年に日本唯一の皇室専用浴室として又新殿(ゆうしんでん)が建築され、1924年には養生湯の改築や玄関棟などの建築、そして1935年の改造を経て現在に至っています。1994年には国の重要文化財(文化施設)に指定され、2009年には経済産業省の近代化産業遺産にも認定されました。

 2019年から約7年にわたって行われる保存修理工事は、重要文化財の公衆浴場としては初めて、営業を継続したままで行われることに。まず約3年を予定している第1期工事では、現在使用されている入口(西面玄関)が工事範囲となるため、1894年の改築当時に使用されていた北側入口が復活しました。そして工事期間中も観光客に楽しんでもらえるよう、手塚プロダクションとコラボし、手塚治虫のライフワーク作品「火の鳥」をフィーチャーしたイベントが2月1日から始まっています。

 復活した北側入口の2階部分には、保存修理工事をへて再生する道後温泉と重なる、永遠の命を生きる火の鳥のオブジェを設置。広げた翼の大きさは約2mにもおよびます。

 さらに連日18時からは、神の湯正面(北側入口壁面)を使ったネイキッドによる「日本文化の再生」の物語をつむぐライトアップ「火の鳥・ネイキッドRe:LIGHT-再生への灯り-」が行われます。歴史ある木造建築とその障子をスクリーンにし、オーケストラの奏でる音楽と光による3分のプログラム。21時30分まで、15分おきに投影されます(観覧無料)。

 これに先立つ1月15日からは、現在の入口である唐破風の西面玄関に「火の鳥」の灯籠と日除け幕が設置され、商店街のアーケードを抜けた時からムードを盛り上げています。また、期間中は入浴券(大人税込410円)も火の鳥「道後REBORN」のオリジナルデザイン。


 2018年12月9日に道後温泉本館前で行われた「道後REBORN」プロジェクト制作発表では、松山市の野志克仁市長と、この事業を手がけるポニーキャニオンの吉村隆社長、俳優のつるの郷士さんが参加し、手塚プロダクションが自ら「道後REBORN」のPRのため、火の鳥のオリジナルアニメーションを制作することが発表されました。いわば「火の鳥“道後温泉編”」ともいえる内容で、道後温泉の開湯伝説にある大国主命をつるの剛士さんが、そして少彦名命を三森すずこさんが演じ、神話の時代から飛鳥時代までの歴史絵巻を描きます。

 また、2019年2月1日から開始した、道後温泉本館保存修理工事への寄付募集(第4回)の市外寄付者への特典として「道後REBORN」オリジナルグッズの「道後REBORN×火の鳥」キービジュアルを使用した限定ブックカバーとしおりのセットも登場しています。

 道後温泉保存修復工事「道後REBORN」プロジェクトの最新情報を発信している公式サイトには、2台のライブカメラによる映像配信もあり、道後温泉本館の様子をいつでも見ることができます。

情報提供:株式会社ポニーキャニオン

(咲村珠樹)

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