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中古のゲーム機が「付喪神」に アートの力で作品へと昇華

おたくま経済新聞 / 2019年2月18日 14時35分

中古のゲーム機が「付喪神」に アートの力で作品へと昇華

画像提供:山田勇魚さん(@yamadaisana)

 古い道具などに宿るとされる「付喪神(つくもがみ)」。人に化けたりたぶらかしたりする妖怪だと言われています。ご高齢の方がよく「物を大切にしなさい」と、若者に対し口を酸っぱくして言うのも、付喪神にたぶらかされないようにと暗に忠告しているのかもしれません。この古くから伝えられている付喪神を現代版に昇華した人がTwitterで話題を集めていました。

ゲーム機の付喪神 pic.twitter.com/GG5oLBk6Pt

— 山田勇魚 (@yamadaisana) February 13, 2019

 家庭用ゲーム機「プレイステーション」を中古品で購入して作ったという「ゲーム機の付喪神」。ディスクの投入口からぐわっと飛び出た歯茎むき出しの様相が、妖怪そのもの

 こちらを作ったのは、メディアでも数多く取り上げられた「樹脂で作ったクジラ」の作者である、山田勇魚さん。現在では、東京藝術大学デザイン科教育研究助手を務めながら、造形作家としての活動も精力的に行っています。

 2012年からライフワークとして「付喪神」をテーマにした立体作品を制作している山田さん。そのシリーズのひとつとして「ゲーム機の付喪神」を作ったそうで「日本の民間伝承付喪神(つくもがみ)をコンセプトに実際に使われた道具に生物的な要素を取り入れた造形を加えた作品です」とのこと。


 今回の作品は、ディスクトレイの開閉する様子を口に見立てて作られていますが、その他でも「カメラのレンズなら目」、「電話の受話器なら耳と口」といったように、道具の特徴を捉え、そこに命を宿らせていくという手法をとっているそうです。素材は、発泡ウレタンとエポキシ樹脂でできており、歯茎を柔らかな発泡ウレタンで作り、固めのエポキシ樹脂で作った歯を挿し込むことで質感の差を表現したとのこと。

 ちなみにこの「ゲーム機の付喪神」は、3月17日まで開催中の個展会場(会場:アッシュカフェ/荒川区西尾久8-45-11)にて販売しているそうです。また、2019年8月21日~27日にかけては、伊勢丹新宿店でも個展の開催が予定されています。ご興味がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

<記事化協力>
山田勇魚さん(@yamadaisana)

(黒田芽以)

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