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アメリカ海軍が次世代対レーダーミサイル「AARGM-ER」の開発をノースロップ・グラマンに発注

おたくま経済新聞 / 2019年3月13日 14時12分

アメリカ海軍が次世代対レーダーミサイル「AARGM-ER」の開発をノースロップ・グラマンに発注

AARGMを発射するF/A-18D(画像:Northrop Grumman)

 2019年3月8日(アメリカ西部時間)、ノースロップ・グラマンはアメリカ海軍から次世代型の長射程対レーダーミサイル「AARGM-ER」の技術開発(Engineering and Manufacturing Development=EMD)プログラムを、総額3億2250万ドル(約358億7000万円)で受注したと発表しました。アメリカ海軍はこのミサイルをF/A-18E/Fスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、そしてF-35ライトニングIIで運用する予定としています。

 対レーダーミサイル「AARGM-ER」は、現在アメリカ海軍と海兵隊、そしてイタリア空軍で運用されている対レーダーミサイル「AARGM」の長射程(Extended Range)版。2016年から基礎的な開発作業が始まりました。

 開発の背景には、年々向上する地対空ミサイルの長射程化があります。より早い時点で上空からの脅威に対処できる地対空ミサイルが開発されたことで、攻撃側は目標からまだ遠い時点で迎撃ミサイルの脅威にさらされることになりました。このあたりは「矛と盾」の関係で、いたちごっこの側面があります。


 このため、より遠くから相手の防空レーダーを破壊する必要があり、対レーダーミサイルの長射程化が望まれたため、構想されたのが「AARGM-ER(Advanced Anti-Radiation Guided Missile-Extended Range)」です。基本はAGM-88「HARM」の射程延長版であるAARGM(AGM-88E)の射程をさらに延長したもので、目標までの誘導もAARGMと同じく慣性航法とGPS航法をミックスした方式でおこなれます。

 形状面では、AARGMまでのミサイルで本体中ほどにあった安定翼が廃止され、代わりにほぼ全体におよぶフィレット(ヒレ)が設けられています。また、F-35のウエポンベイに内蔵可能なものになっており、F-35のステルス性を損なわないようデザインされています。ミサイルの方向は底部にある可動式の翼でコントロールします。この形状も抵抗が少なくなるよう改良されており、燃焼時間が延長されたロケットモーターとあいまって、飛行距離の延長に貢献しています。

 ノースロップ・グラマンの防衛電子システム担当副社長、ケリー・ラルストン氏は「AARGMの射程をより延長したAARGM-ERは、高まる抑止の要求に応え、攻撃するパイロットたちを守るものとなってくれるでしょう」とコメントしています。

Image:Northrop Grumman/U.S.Navy

(咲村珠樹)

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