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ジブリグッズコレクターがゆく「鈴木敏夫とジブリ展」東京会場編

おたくま経済新聞 / 2019年4月22日 14時41分

ジブリグッズコレクターがゆく「鈴木敏夫とジブリ展」東京会場編

(C)TS (C)Studio Ghibli

 都内でのジブリイベントとしては実に約3年ぶり!都内近郊の皆さんは首を長くして待っていたのではないでしょうか? 神田明神とのコラボで開催される「鈴木敏夫とジブリ展」では、一昨年からの広島、名古屋、金沢で開催された「鈴木敏夫 魔法の言葉展」から更にパワーアップ!東京会場初の展示物やカフェの限定メニュー、その他のオススメなどを、「非売品ジブリグッズ収集家」の筆者がご紹介させていただきますッ!

 会場となるのは、昨年末に完成したばかりの「神田明神文化交流館EDOCCO」。そして皆さんを1階でお出迎えしてくれるのが、日清製粉創業110周年記念CMに登場したキャラクター「コニャラ」の超巨大な大仏様。通称「コニャラ大仏」。こちらは本展示会の4つある撮影可能スポットのうちの1つで、おとなりでは当日券も購入できます。前売券をお持ちでない方は、まずコチラで購入するべし。

 次に本会場となるのが2階にある神田明神ホール。ちなみに4月20日~4月26日の期間に展覧会へ来場した人に先着順で「特製湯婆婆お面」がプレゼントされています。各日1000個限定で、なくなり次第終了との事なので、要チェックです。

■鈴木敏夫とジブリ展へようこそ!

 「鈴木敏夫とジブリ展」では、A・書の間、B・第一章 少年期~青年期 鈴木敏夫になるまで、C・第二章 鈴木敏夫の愛した昭和の映画、D・第三章 徳間書店時代、E・名台詞の間、F・第四章 ジブリにまつわるエトセトラ、G・第五章 自分のためでなく他人のために、H・第六章 言葉の魔法 湯婆婆と銭婆の開運・恋愛おみくじ、I・いま、ここに集中する、J・油屋 の全10コーナーからなっており、とても見ごたえのある展示内容になっていました。

 まず「A・書の間」では「言葉」の好きな鈴木敏夫さんが、今までに書いたジブリ作品の名台詞やキャッチコピー・好きな言葉を書いたものなどの一部が集められ、鈴木敏夫さんの「言葉」に対する真摯な姿勢や思いなどを感じていただけると思います。

 個人的には写真右にある言葉「どうにもならんことは どうにもならん どうにかなることは どうにかなる」がお気に入りです。なんでも鈴木さんは、愛知県の曼陀羅寺を訪ねたときにこの言葉と出会い、帰ってきて自分で書いてみたら宮崎監督がとても気に入ってしまったのだそう。崖の上のポニョの制作中は机の前にこのコピーがずっと貼ってあったのだそうです。

 「B・ 第一章 少年期~青年期 鈴木敏夫になるまで」では、鈴木敏夫さんの幼少時代の思い出の品や大学時代のレポート、面白いところでは大学時代に作ったという同人誌まで展示されています。当時の印刷は、映画「コクリコ坂から」でも出てきて話題になった謄写版による印刷だったそうで、ガリ切りはとても得意だったそうです。


 「C・第二章 鈴木敏夫の愛した昭和の映画」では少年時代の鈴木敏夫さんの遊びや漫画にならぶもう一つの楽しみ、「映画」についての展示がメイン。当時の作品の一部もプロジェクターで流されており、昔の映画を大画面で体感することもできる貴重なコーナーになっています。鈴木さんは幼少の頃から、お父さんには邦画のチャンバラや喜劇映画に連れて行ってもらい、お母さんにはハリウッドの大作やヨーロッパ映画に連れて行ってもらっていた事もあってか、小学3年生の頃からは土曜日になると一人で映画館に通ってしまうほど映画が好きだったそうです。

 つづく「D・第三章 徳間書店時代」では1972年に入社した徳間書店での仕事が展示のメインになります。アサヒ芸能の企画部配属に始まり、コミック&コミック、テレビランド、そしてアニメージュへと当時の写真や直筆の資料が展示されています。壁一面にズラリとならんだ膨大なアニメージュの本誌には圧倒されます!


 「E・名台詞の間」は鈴木さんの書いた名台詞やキャッチコピーを立体アート的に展示したもので、4つある撮影可能スポットのうちの1つになります。文字を目立たない糸で上から吊り下げてあるのですが、うまい具合にバランスが取られているのには驚きました。


 「F・第四章 ジブリにまつわるエトセトラ」のコーナーでは、アニメージュ編集部に在籍しながらもスタジオジブリの製作にも関わるという人間離れした生活を送っていた時代から、ジブリ専従となって「言葉」を武器に編集者型の映画プロデューサーとして作ってきた映画の題字やコピー、デザインなどを写真やパネル、貴重な資料などを使って紹介しています。

 中でも目を見張ったのは1994年末のジブリレポート資料で、「任天堂その他ゲーム会社の攻勢」と題されたものがありました。1994年というと家庭用32ビットゲーム機が出揃った年であり、そこへジブリにゲーム会社がかなりアプローチをしてきたという内容でした。結局のところ全てお断りということになったのですが、最後まで候補に残ったのが3DOだったというのは衝撃的だった(笑)

 それともう一つは「ナウシカ複製イラスト通信販売のお知らせ」。こちらの草案も鈴木敏夫さんがやっていたとは知りませんでした。し・か・も!草案では宮崎駿のサイン入り!!!!!ななな!なんてプレミアムな企画だったんだぁ~~~~~!と、一人で興奮していました(笑)ちなみに「ナウシカ複製イラスト通信販売のお知らせ」については、過去記事『【ジブリグッズ物語】コピー機購入のため販売された「風の谷のナウシカ複製原画三種セット」』で紹介しています。詳しい経緯はこちらをご覧下さい。

 そして「G・第五章 自分のためでなく他人のために」のコーナーでは、鈴木敏夫さんが書いたり描いたりしたジブリ関連の題字や絵などが展示されています。絵の方では、日清製粉グループの「コニャラ」や「となりのおにぎりくん」、LINEスタンプ用のトトロやカオナシのデザインなんかもズラァ~ッとありました。

 題字では、「久石譲in武道館」や「次郎長三国志」、ワインラベル用の「紅の豚」などなど所狭しと展示してあり、近年はプロデューサー業に加えてデザイン関係のお仕事にも力が入っているのがわかります。中でも鈴木敏夫さんがお世話になった方々へ書いたサイン色紙のコピーの一部も展示されており、あまりの絵のうまさにびっくりしました。中には鈴木敏夫さんがイラストで宮崎監督がサインを書いたなんて珍品もあったりと非常に楽しめます。


 「H・第六章 言葉の魔法 湯婆婆と銭婆の開運・恋愛おみくじ」では、皆さんお待ちかねの新展示「湯婆婆と銭婆の開運・恋愛おみくじ」があり、4つある撮影スポットのうちの1つになります。高さ約3メートルにも上る巨大な湯婆婆と銭婆のセットには圧倒されるかと。自分が千尋だったらこのぐらいの大きさなんだろうなと、ここではそんな千尋の気分も味わえます。

 おみくじは湯婆婆が恋愛・銭婆が開運となっており、大きく開いた口の中の札を引っ張ると劇中で使用された音声が流れます。札には番号が記されているので、展示室脇の釜爺のボイラー室にある薬棚を模した引き出しの番号に合わせておみくじを引きます。こちらのおみくじにも鈴木敏夫さんの書いた言葉がつづられており、その言葉の解説なども書かれています。




 「I・いま、ここに集中する」では過去は振り返らず、今またはちょっと先の未来ことを考えて進んでゆく鈴木敏夫さんの生き方の片鱗が見える展示になっています。鈴木敏夫さんの「いま」を知る著書も数冊展示してあるので、興味があったらお土産コーナーで入手しましょう。

 さて、展示物のラストを飾るのが「J・油屋」にある巨大な油屋の模型になります!4つある撮影スポットの最後の場所となるので、節度を保って記念撮影しちゃってください。とにかくこの油屋の完成度がスゴイ!見えない裏側まで精巧に作られているのですが、よく見ると宴会場では明かりがチカチカして中で宴会をやっているかのような演出もあったり、そこでよく耳をすせば劇中の働いている音声なども聞こえたりとビックリ!これは一見の価値ありです!


 10コーナーある展示も終わったところで、最後は訪れた人お楽しみのお土産タイム。「お土産コーナー」では今回の「鈴木敏夫とジブリ展」グッズに加え、神田明神とのコラボアイテムやジブリ美術館で販売されている商品も一部購入できるので、曇りなき眼で見定めてお楽しみください。





 なお、1階の「江戸っ子カフェ MASUMASU」では、ジブリ作品にちなんだ4メニューが提供されています。

●まっくろな胡麻おはぎのお茶セット(店内提供専用)864円
まるでまっくろくろすけのような胡麻おはぎにまっくろくろすけの好物の金平糖をちらしたお茶のメニュー。

●白(ハク)米のおにぎり(お茶つき)864円 (一日限定200食)
ハク様と白を掛けた、ちょっと洒落の効いているおにぎりとお茶のセット。千と千尋の神隠しでもハクがまじないを込めて作ったおにぎりが出てきましたよね。3つあるおにぎりは、1つは白米の塩握りで残りの2つは何の具が入っているかお楽しみだそうです。

●となりのカキ氷(お持ち帰り専用)648円 (一日限定100食)
宇治金時で太古より存在する深い森をイメージしたというカキ氷。どんぐりクッキーに葉っぱのトッピングなど、オカリナを吹いているへんないきものが住んでいるイメージが容易にできちゃいます。日差しも強くなってきた今日この頃、涼を求めて一杯いかが?ちなみに鈴木敏夫さんはカキ氷にはついついトンネルの穴を掘ってしまうそうです(笑)

●だいこく様の縁結びプリン(お持ち帰り専用)380円 (一日限定 300食)※写真左
江戸っ子カフェ MASUMASU の大人気商品「明神プリン」が、鈴木氏が描いた「だいこく様」の仕様に変身。絵柄は宮崎監督がモデルになっているとか……

 2019年4月20日に開幕したばかりの「鈴木敏夫とジブリ展」。とても大ボリュームな展示に加え、オリジナルメニューまで食べたら心も身体も大満足間違いなしです。会期が5月12日までの計23日間となりますので、ちょうどGWを挟むこの機会。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(C)TS (C)Studio Ghibli
取材協力:鈴木敏夫とジブリ展

(取材・くろすけ/@kurosuke4313)

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