ロシアの動向を探るスウェーデン海軍の新しい情報収集艦「アルテミス」進水
おたくま経済新聞 / 2019年4月22日 17時28分
進水したスウェーデンの新型情報収集艦アルテミス(Image:SAAB)
2019年4月17日(現地時間)、ポーランドのグディニャにあるストクツィニャ・ウォジェナ(Stocznia Wojenna)のナウタ造修所で、スウェーデン海軍の新しい情報収集(SIGINT)艦が進水しました。進水式にはスウェーデン海軍、スウェーデン国防調達局、スウェーデン国防電波局やポーランド政府、ポーランド国防省の関係者のほか、この艦の建造を受注したサーブ(サーブ・コックムス)の代表者が出席しました。この進水式に先立ち、新しい艦は「アルテミス」と命名されることがスウェーデン海軍から発表されています。
スウェーデン海軍には、NSA(アメリカ国家安全保障局)の支援を受けて建造され、1984年に就役した情報収集艦オリオン(A201)が存在しています。その任務は、主にロシアからの各種電波を傍受し、その周波数や運用状況などのデータや、通信の内容を収集するSIGINT(SIGnal INTelligence)活動。その任務の性質から具体的な活動状況は最高機密となっていますが、バルト海周辺で主に活動しているとされています。
搭載機器の更新は重ねられているものの、オリオンは1984年の就役から35年が経過し、船体の老朽化が目立ってきました。このため、後継艦が計画されて2017年にサーブが受注したというわけです。建造は2018年の3月に始まりました。
新しい艦は全長74m、2200トンという規模。任務の重大さに比べると小さな艦ですが、大きくても目立ち過ぎてしまいますし、小回りが利いたほうが運用面で便利なのです。船体も軍艦らしい感じはせず、民間船に近似した形状をしています(この上に情報収集用の巨大なアンテナ設備が装備されるため、完成後は異様な姿になります)。
ナウタ造修所の責任者、アダム・ポトリクス氏は「進水は造船の工程で重要なイベントです。この船は我々とそのパートナー企業の素晴らしい品質と技術水準を示してくれることでしょう」と進水式に際してコメントしています。
進水した新型情報収集艦「アルテミス」は今後、ナウタ造修所で艤装が進められ、船としての航海試験が行われます。この工程が完了するとスウェーデンのカールスクルーナに回航され、そこで電波情報収集用の各種特殊装備が組み込まれることとなっています。
Image:SAAB
(咲村珠樹)
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