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アメリカ海兵隊が新型装甲偵察車両を構想中 2020年代後半からの導入を目指す

おたくま経済新聞 / 2019年4月25日 16時6分

アメリカ海兵隊が新型装甲偵察車両を構想中 2020年代後半からの導入を目指す

ノルウェー、アイスランドとの合同演習「Trident Juncture」で揚陸艦ニューヨーク(LPD-21)のLCACで上陸する第2軽装甲偵察大隊のLAV(画像:USMC)

 アメリカ海兵隊は1980年代から運用している偵察用の軽装甲車(LAV)ファミリーを更新するべく、新世代の装甲偵察車両の検討に入っています。海兵隊システムコマンド(MCSC)によると、現用のLAVが耐用年数を迎える2030年代半ばまでには更新を完了したいとのことで、それ以前となる2020年代後半から新型の導入を始めたいとしています。

 アメリカ海兵隊が現在運用している軽装甲車(LAV)は、スイスのMOWAG(現:ゼネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランド・システムズ)が開発した8輪装甲車「ピラーニャ(PIRANHA)」をベースにしたもの。基本は兵員輸送車(乗員を除いた輸送人員6名)ですが、これをプラットフォームにした偵察車や、対戦車誘導弾を装備した車両など、様々な派生モデルが作られています。



 水陸両用車であり、単独での渡河能力も持ち合わせています。ただし、同じ水陸両用の兵員輸送車両であるAAV7と違って凌波性は低く、波のない静水面での移動に限られます。海兵隊では、M242ブッシュマスター25mm機関砲を装備した回転式砲塔を持つ形態が標準仕様です。

 この後継車両となる装甲偵察車両(ARV)に求められているのは、偵察任務に必要な高いセンサー能力に、自身を防御するためのシステム、そして後方の部隊と連携するための高いネットワーク能力。海兵隊システムコマンド(MCSC)でLAV計画のプログラムマネージャを務めるジョン・マイヤーズ氏は「ARVは先進的な戦闘車両システムとなる予定です。戦闘のために必要な情報収集能力として、センサー類の性能、防衛や威力偵察に必要な射撃能力、機動性、そして通信能力のバランスが求められます」と語ります。

 現行のLAVを置き換える計画は、2016年6月に立案されました。初期計画が承認され、2020年代後半から新型の装甲偵察車両を導入開始し、現行のLAVが耐用年数を迎える2030年代半ばには置き換えを完了する予定です。

 LAVの副プログラムマネージャを務めるキンバリー・ボーウェン氏は「海兵隊はそれぞれ異なった脅威に直面しています。ARVはそれに対する助けとなり、“ピア・トゥ・ピア”の能力を拡大してくれるものとなります」と、海兵隊の任務における次期装甲偵察車両(RAV)の位置付けについて説明しています。

 海軍調査局は、この次期装甲偵察車両(RAV)に必要な要求項目策定のための調査を始めており、それをもとに競争試作をメーカーに依頼する予定。現在のところ、2019年5月には要求項目をメーカーに提示し、競争試作を開始するというスケジュールになっています。海兵隊によると、構成要素の開発判断を2020年までには行いたいとしています。

Image:USMC

(咲村珠樹)

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