イギリス女王の「公式誕生日」を祝ってイギリス空軍が空をパレード
おたくま経済新聞 / 2019年6月10日 13時5分
「トルーピング・ザ・カラー」でバッキンガム宮殿上空へ飛行するレッドアローズ(Image:Crown Copyright 2019)
イギリスのエリザベス女王「公式誕生日」を祝う恒例の閲兵式「トルーピング・ザ・カラー」が、2019年6月8日(現地時間)にロンドンで開催されました。エリザベス女王の本当の誕生日は4月21日ですが、イギリスでは気候が良く式典を開催しやすい5月下旬から6月初め頃を「公式の誕生日」として、歴代国王の誕生日を祝ってきました。現在は6月の第2土曜日を公式誕生日として、その祝賀閲兵式「トルーピング・ザ・カラー」を行っています。式では近衛兵の部隊が女王はじめ王族の閲兵を受けるほか、空ではイギリス空軍の航空機が祝賀飛行を行い、集まった人々の目を楽しませました。
イギリス国王の誕生日を祝う閲兵式「トルーピング・ザ・カラー」は、260年以上も続く伝統行事。近衛兵の部隊を中心とした1400名以上の兵士、約300頭の馬、そして400名ほどの音楽隊が集結し、バッキンガム宮殿から行進を行います。エリザベス女王がこの閲兵式に初めて参加したのは、王女時代の1947年。当時は近衛部隊の一員として馬に乗り、父であるイギリス国王ジョージ6世の閲兵を受けています。
チャールズ皇太子はウェルシュ・ガーズ、ウィリアム王子はアイリッシュ・ガーズの名誉連隊長として式典に参加。このほか王族では、ヨーク公アンドルー王子がグレナディアー・ガーズ、アン王女がブルーズ・アンド・ロイヤルズ、ケント公エドワード王子がスコッツ・ガーズの名誉連隊長としてそれぞれ参加しています。今回ハリー王子はブルーズ・アンド・ロイヤルズの礼装に身を包み、メーガン妃とともに馬車に乗って閲兵する側に回りました。
この「トルーピング・ザ・カラー」を見ようと、行進が行われるザ・モールには多くの人々が詰めかけました。中にはエリザベス女王の写真を持参した人の姿も。
式典を締めくくるのは、イギリス空軍の編隊祝賀飛行。今回、バトル・オブ・ブリテン・メモリアル・フライト(BBMF)のダコタ(C-47)、第28飛行隊のピューマHC2ヘリコプターとチヌークHC6Aヘリコプター、BBMFのランカスター爆撃機にスピットファイア、ハリケーン、第14飛行隊のシャドウR1、第V(AC)飛行隊のセンティネルR1、第32(TR)飛行隊のBAe146、第10・第101飛行隊のボイジャー(A330MRTT)空中給油・輸送機、第3(F)飛行隊のタイフーンFGR.4戦闘機、そしてレッドアローズが参加予定でした。
しかし当日は強風のため、安全な間隔を維持して飛行を実施することが不可能と判断され、多くの航空機が飛行をキャンセル。飛行を実施したのはビューマとチヌーク、BAe146、タイフーン4機のダイヤモンド編隊とレッドアローズのみと、少々寂しいものになってしまいました。こればかりは飛行の安全が第一なので、無理をして飛ばさなかった判断は正しいでしょう。
それでも、編隊飛行の最後を飾ったレッドアローズは、イギリスの国旗の色である赤・白・青のスモークをたなびかせて会場上空へ進入。空を美しく彩りました。
エリザベス女王をはじめ王室の方々は、バッキンガム宮殿のバルコニーでその飛行をご覧になりました。この様子は今年もBBCテレビで生中継され、多くの人が華やかな伝統行事を楽しんでいます。BBCの特設サイトでは、トルーピング・ザ・カラーのダイジェスト映像も配信しています。
<出典・引用>
イギリス王室 プレスリリース
イギリス空軍 プレスリリース
Image:Crown Copyright 2019
(咲村珠樹)
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