「生理の実態」 地味にツラい色々に共感の声
おたくま経済新聞 / 2019年7月6日 7時0分
minetteさん(@222Minette)提供
女性ならば必ず経験するのが、生理。程度の差はあれど、毎月の出血、それに伴うおなかや腰の痛み、気分の変調、ホルモン変化による体調の変化など様々な症状に悩まされている人は多くいます。そして毎月地味に悩まされる「いつもの事」。その地味な辛さの数々がツイッターに投稿され、多くの人から共感を得ています。
「生理の話は恥ずかしいこととされて実態を知らない人から軽く見られているのが嫌なので呟きたい、生理の地味につらいところ」と、その辛さの数々を連続ツイートでつぶやいたのは、ネットユーザーのminetteさん。その数々とは……。
・立ち上がるとドバっと出る血や塊
・止められるもんじゃないので入浴中も出る
・バスマットに血を垂らさないよう必死
・気をつけても服や布団や椅子を血塗れにする事がある
そして、「それらを何事もない顔で周りに気付かれず対処しなければいけないところ。 たぶん今までの女性は文句も言わず、すごく頑張ってきたんだと思う。だから無理解で『気合で止められるんでしょ?』とか言っちゃうアホな成人男性が生産されてしまったんだと思う… だから下品と言われようと呟きたい」とツイート。
他にもつづけてこんな実態を知らせてくれています。(以下、編集部でコメントより抜粋、編集しています)
▼体調の変化
・生理前から始まる頭痛
・精神的に不安定になりイライラしたり落ち込む人もいる
・子宮内膜が剥がれることに伴う腹痛(鈍痛~気絶まで人それぞれ)
・本来の運動能力が発揮できない
・匂いが生臭い
・酒に弱くなり頭痛がするなど酔い方が悪くなる。血の量も増えるので生理中の飲酒は控えた方がいいと思った…
・免疫力が弱るのか、熱が出たり結膜炎になったり膀胱炎になったり、菌系の病に負けやすくなる
・普段やらない謎のミスをする
・許されるなら丸一日横になっていたい
・何をどうしても起きられず寝坊することがある。恐怖
・生理前からお腹がゆるくなる。やけに便通いいじゃん?腸内環境改善した?と思ったらただの生理の力だった
・下痢になることもある。どちらの痛みかもはやわからなくなる
・立ちっぱなしだとなぜか股が痛くなる
▼風呂関連
・多い日の風呂上がりは血が垂れるのが先か拭き終わるのが先かスピード勝負
・勝負には大体負けてタオルが血まみれになりそれを洗う哀しみ
・生理中はこれが嫌でシャワーすら億劫になり清拭で済ませたいとよく思う
▼今まで意図せず血で汚してしまってへこんだもの
・ベッドパッド
・気に入っていた服(血のシミが尻まで広がり昼休みに急いで服を買いに行った)
・人様の車のシート(クリーニング代)
・オフィスの椅子(布のやつ落ちない) どれほど申し訳なく、消えたいほど恥ずかしかったか…
▼その他
・生理用品のCMのようなピッタリした白パンツははけず、ゆとりのある濃い色のボトムスをはく (生理用品の形がバレることと、万が一血が染みた時の大惨事を防ぐ)
・当たり前だけど経血は青くないし、CMのようにサラサラしていない。もっと赤黒くて固形物(レバー似)も混じる
といった内容を、10ツイートにわたりその地味に辛いことから笑えない辛いことまでを書き連ねています。全部ではなくとも、半分以上は経験しているという人はきっと多いのでは。
生理の話は恥ずかしいこととされて実態を知らない人から軽く見られているのが嫌なので呟きたい、生理の地味につらいところ
・立ち上がるとドバっと出る血や塊
・止められるもんじゃないので入浴中も出る
・バスマットに血を垂らさないよう必死
・気をつけても服や布団や椅子を血塗れにする事がある
— minette (@222Minette) July 2, 2019
このツイートに共感し、自身の経験をリプライで話し出す人も多くいます。咳やくしゃみをした時に、経血がどろっと一気に出てくる不快感、義実家への帰省と被ったときの憂鬱感、生理中の頭の回らなさ、生理前から終わるまでの間の、死にたいと思うくらいの気分の沈み、などなど……。
特に体を冷やしたわけでもないのに、デリケートゾーンがちぎれるような痛みも人によってあります(筆者もあります)。女性には生理前から生理後までの間、月経前症候群(PMS)に悩まされる人も数多くおり、月の半分くらいが調子が悪いという人もかなりの数にのぼります。
しかし、中には全く生理前後のホルモン変化に心身がとらわれないという人や、生理自体が元から軽く、生理痛もない人もいるため、個人差がかなり大きいことも事実。そのため、男性ばかりか、女性の中でも生理が軽い人から見たら「大げさ」ととらえる人もいるようです(筆者は昔の職場のお局に言われて泣かされました)。
生理中のお風呂はやはり湯船に浸かる以前に、シャワーですら入るのがつらいという人も多いです(筆者もです)。前述のツイートの通りの理由なんですが、タンポンが使える人は使うのが一番かと思います。最近では、膣内で経血を一定量受け止めてくれる「月経カップ」というものもあり、膣内に装着することが苦にならない様であれば、こういったものを使うという手段もあります。ただ、体質的にこれらのものが使えない人もおり、「風呂場の外にトイレットペーパーを置いておいて、上がったらすぐに股に挟む」という人も多く見受けられました。
こういうことが、初経が来てから閉経するまで毎月(PMS含めると月の半分)、何十年にもわたって繰り返していかなければなりません。スカートやズボンに血のシミを何度付けたことか、起きたら血の海状態だったことが何度あったか……男性には分かるまい。
正常の女性の経血量は、だいたい20~140gと言われています。かなり幅がありますが、正常でも毎月200mlの牛乳瓶半分ちょっとは内臓から流血している、という計算になります。そこに子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が加わると、さらにその量は増えます。
グラムで言われても実際の自分の経血量が正常なのか異常なのかあまりピンとこない人が多いかと思います。それは、じわじわと経血量が増えていって、正常量以上に出ていることに気が付かなかったり、正常量自体がよく分からないまま来てしまっていて、知識を得ることで初めて人よりも多い事に気が付くという人が多いからです。
経血が一番多い日で、1時間に1回以上ナプキンを取り替えないと間に合わない、という人は、経血量が多いかもしれません。また、生理痛で脂汗を流すほどの強い痛みも、子宮の疾患によるものの疑いが多いです。正常値を越える経血量や強い痛みは、子宮筋腫や内膜症の増悪によることも多くあります。このような場合は、年齢に関係なく婦人科への受診をお勧めしています。
筆者も、思春期の娘が二人いますが、生理前はやはり気が荒れていたり、生理痛でしんどいと動けなくなっているのを見ています。経血量を聞き取ると、まだ正常値以内といえそうな様子なのでそのまま様子を見ていますが、腹痛やデリケートゾーンの痛みも時々あるようなので、様子を見ながら、婦人科を受診させるかどうか考えています。
そして、これは筆者自身の話ですが、月経困難症で低用量ピルを内服するようになってからは、明らかに経血量も腹痛も減り、デリケートゾーンの痛みも出てこなくなりました。服薬を休止して生理が来る期間がある時は、やはりポンコツ化してしまいますが、服やシーツを汚すほどではなくなったのはありがたいこと。長時間の外出も怖くなくなりました。
ピルは喫煙者にとって血栓症のリスクが高くなるので使えない、高血圧がある人にも使えないなど、副作用もあるのですが、副作用よりも良い作用の方が明らかに高い場合は、処方してもらう価値はあると思います。高校生でも、生理の悩み事でピルを処方してもらっている人が年々増えてきています。
以前は病棟勤務時代に、たまに白衣にシミを付けてしまって非常に恥ずかしかったこともありました。なかなか頻繁にトイレに行けないこの業界、生理が重い人はタンポン+大きいナプキンで乗り切っている人も多数。生理不順で突然生理になってしまったけど、そんな時に限ってナプキンの予備がない!という事態も。ナプキンの貸し借りは日常茶飯事でした。
生理前から生理時の日常茶飯事。人によって重い軽いがありますが、どうか男性のみなさんは、「生理の血はオシッコみたいに出すことはできない」こと、かなりの女性が月の半分近くを不安定な状態で過ごしていることを分かって欲しいと思います。
また、男性のみならず、生理が軽い・または閉経後の女性にも、「症状が重い人はどうしてもつらいので、痛くてつらい状況だけは分かって欲しい」と多くの生理で辛い思いをしている人の気持ちを汲んであげて欲しいと思います。
男性のみなさんは、自分の体から毎月コップ半分くらいの鼻血が出たり、吐血したら恐怖に見舞われるはずです。女性には、子宮という場所でそれに近い状態が毎月訪れるのです。子宮という内臓の粘膜がボロボロと剥がれ落ち、流血が数日続く生理について、全ての人に知識と理解を深めて欲しいと思います。
<記事化協力>
minetteさん(@222Minette)
(梓川みいな/正看護師)
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