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京アニ犠牲者の身元公表「求めません」署名を有志が立ち上げ

おたくま経済新聞 / 2019年8月21日 14時0分

京アニ犠牲者の身元公表「求めません」署名を有志が立ち上げ

change.org「京都アニメーション犠牲者の身元公表を求めません。」

 インターネットの署名サイトchange.orgに、「京都アニメーション犠牲者の身元公表を求めません。」というキャンペーンが一般の有志により立ち上げられている。署名の宛先は「京都府警」。

 この署名は、7月18日に発生した京都アニメーションの放火殺人事件で犠牲になった人たちの身元公表を報道側が京都府警に「求めた」ことに対して、一般の人たちが「求めない」意思を表明するために行っているもの。

 発端は時事通信社が8月20日に報道した記事。事件で犠牲になった35人の方のうち、先に遺族同意のもと公表された10人をのぞき、残り25人の身元が公表されていない件について、在洛新聞放送編集責任者会議が京都府警に対して速やかな公表を求める申し入れを行ったことが報じられた。※1

 記事が掲載されるやネット上で話題となり、報道側が公表を求めたことを批判する意見が噴出。それをうけて、このキャンペーンが立ち上げられている。

 もともと京都アニメーションは7月24日に公式サイトのお知らせ「7月18日に発生した事件について(初出7月21日、改訂7月24日)」※2の中で、報道各社に対し実名報道、遺族や家族などの取材を控えるよう申し入れをしていること、犠牲にあった人たちの氏名は遺族の意思を最優先とし、「少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」と意思表明していた。また、身元公表されていない25人については、東京新聞などの報道※3によると、遺族が匿名を希望していることが伝えられている。

 なお、警察が被害者名を実名発表にするか匿名発表にするかの判断については、4つの基本方針を掲げた犯罪被害者等のための施策「第3次犯罪被害者等基本計画(平成28年4月1日閣議決定)」※4の中で、以下のように記されている。

【犯罪被害者等施策「犯罪被害者等基本計画」】

▼4つの基本方針
(1)尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること
(2)個々の事情に応じて適切に行われること
(3)途切れることなく行われること
(4)国民の総意を形成しながら展開されること

▼犯罪被害者等に関する情報の保護
警察による被害者の実名発表、匿名発表については、犯罪被害者等の匿名発表を望む意見と、マスコミによる報道の自由、国民の知る権利を理由とする実名発表に対する要望を踏まえ、プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的に勘案しつつ、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮する。【警察庁】

<参考・引用>
change.org「京都アニメーション犠牲者の身元公表を求めません。」
※1)時事通信社「身元公表で申し入れ=京アニ事件で報道各社-京都」
※2)京都アニメーション「7月18日に発生した事件について(初出7月21日、改訂7月24日)」
※3)東京新聞「京アニ放火1カ月 「匿名に」遺族の思い 実名の同意、警察重視」
※4)警察庁「犯罪被害者等基本計画」

(宮崎美和子)

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