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イギリス空母クイーン・エリザベスF-35Bとアメリカへ アメリカ空軍B-2とF-35Bの初訓練も

おたくま経済新聞 / 2019年9月2日 18時0分

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出港する空母クイーン・エリザベスを見送る子供達(Image:Crown Copyright 2019)

 イギリス海軍の空母クイーン・エリザベスがF-35B運用試験のため、2019年8月30日(現地時間)にアメリカ向け母港ポーツマスを出港しました。また同日、フェアフォード空軍基地ではアメリカ空軍のB-2爆撃機とイギリス空軍F-35Bの初訓練も行われました。

 クイーン・エリザベスがアメリカを訪問するのは2018年に続いて2度目ですが、F-35Bを搭載しては初めて。前回はイギリスのF-35Bがアメリカで機種転換訓練中だったため、アメリカに出向いて発着艦試験を行いましたが、今回の「ウェストラント19」と呼ばれる遠征航海では、7機のF-35Bを搭載してポーツマスを後にしています。

 この「ウェストラント19」の期間中、空母クイーン・エリザベスとF-35Bは5週間にわたり、離着艦を含む運用試験を行います。試験ではイギリスだけでなく、アメリカ海兵隊のF-35Bも参加する予定です。

 2021年の完全作戦能力(FOC)獲得を目指すクイーン・エリザベスは、全体で3か月になる今回の遠征で、より実践的なシナリオでF-35Bを運用し、そのノウハウを得ていきます。そして同時に、同盟国であるアメリカやカナダを訪問し交流を深めることも予定されています。

 クイーン・エリザベス艦長のスティーブ・ムーアハウス大佐は「どの艦の指揮をとるのも特別ですが、特に今回のような、クイーン・エリザベスにとって重要な位置を占める任務の指揮官であるというのは、本当に名誉なことですね」と、遠征航海について語っています。

 空母クイーン・エリザベスには、45型駆逐艦のドラゴン(D35)と、23型フリゲートのノーサンバーランド(F238)がエスコート(護衛)として随伴します。また、海兵隊第42コマンドーも乗艦するほか、海軍第814飛行隊、第815飛行隊、そして第845飛行隊に所属するマーリン、ワイルドキャットの各ヘリコプターも搭載されています。

 これとは別に8月29日、アメリカ空軍のB-2爆撃機とイギリス空軍F-35Bによる初の共同訓練が、グロースターシャーのフェアフォード空軍基地で実施されています。これはアメリカ空軍のB-2長期ヨーロッパ派遣に伴うもの。

 アメリカ以外の第5世代戦闘機とB-2の共同訓練は、これが初めて。ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)の第509爆撃航空団から、アメリカ空軍のヨーロッパ派遣部隊である第501航空団爆撃任務部隊に編入されたB-2は、8月27日にイギリス入りし、これからしばらくの間イギリス空軍フェアフォード基地を拠点に活動する予定です。

 B-2を含む爆撃任務部隊の指揮をとる、アメリカ空軍のロブ・ショーネベルグ中佐は「我々第509爆撃航空団のミッションにとって、友軍であるイギリス空軍は不可欠の存在です。国外の第5世代機と訓練する特別な機会は、我々の共同作戦能力の基礎であり、NATOの結束を知らしめるものになるでしょう」と、今回初めて実現したB-2とイギリス空軍F-35の訓練について意義を強調しています。

 イギリス軍の新たな時代を担う空母クイーン・エリザベスとF-35。本格的な実戦化に向けて、確実に歩を進めています。

<出典・引用>
イギリス海軍 プレスリリース
イギリス空軍 プレスリリース
アメリカ・ヨーロッパアメリカ空軍 プレスリリース

Image:Crown Copyright 2019/USAF

(咲村珠樹)

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