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アメリカ空軍の新型ジェット練習機 制式名称「T-7Aレッドホーク」に決定

おたくま経済新聞 / 2019年9月17日 17時0分

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アメリカ空軍の新ジェット練習機T-7A(Image:USAF)

 アメリカのマシュー・ドノバン空軍長官は2019年9月16日(アメリカ東部時間)、新しいジェット練習機T-Xの制式名称を「T-7Aレッドホーク」とすることを発表しました。これは第二次世界大戦中の黒人戦闘機隊「タスキーギ・エアメン」にちなむものです。

 これはメリーランド州のナショナル・ハーバーで開催された、空軍協会主催の航空宇宙・サイバー会議において発表されたもの。老朽化したT-38ジェット練習機の後継として、ボーイングとサーブによるT-Xが次期ジェット練習機として採用が決定していましたが、その制式名称が発表されたのです。

 制式名称となった「T-7A」は、練習機(Trainer)に割り当てられた「T」に、初等練習機であるターボプロップ機、T-6テキサンII(スイスのピラタスPC-9が原型)に続く番号として「7」が選択されました。そして愛称の「レッドホーク」は、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空隊に組織された黒人戦闘機隊「タスキーギ・エアメン」の別名となっている「レッド・テイルズ」にちなんだもの。

 黒人戦闘機隊「タスキーギ・エアメン」は、アメリカ陸軍航空隊(アメリカ空軍の前身)で黒人による航空機部隊として1941年に編制された、第332戦闘集団(332nd FG)および第477爆撃集団(477th BG)のこと。アラバマ州タスキーギ飛行場で訓練が行われたことから、こう呼ばれるようになりました。

 特に第332戦闘集団に所属する戦闘機は、部隊識別塗装として尾翼を赤くしたことから「レッド・テイルズ(赤い尾翼)」の通称が生まれました。1941年から1946年にかけて、タスキーギでの訓練課程を巣立ったパイロットは992名。うち355名が海外の戦場へと派遣され、84名が命を落としています。

 タスキーギ・エアメンは、アメリカで有名な戦闘機隊。のちの大統領ロナルド・レーガンがナレーターを務めた1945年のプロモーション映画「Wings For This Man」をはじめ、数々の映画や本が世に出ています。

 ドノバン空軍長官は、この次期ジェット練習機の制式名称を発表する席上、タスキーギ・エアメンの一員として第二次世界大戦から朝鮮戦争、ベトナム戦争を戦ったチャールズ・マギー退役大佐をステージに招きました。そして新型ジェット練習機の映像を上映後「みなさん、ここに新たな『レッド・テイル』をご紹介します!」と、T-7Aの模型を披露したのです。

 そのT-7Aは、尾翼が赤く塗られた「レッド・テイル」仕様。優れた戦績を残したタスキーギ・エアメンに敬意を評して、愛称を「レッドホーク」にしたとドノバン空軍長官は発言しました。

 すでにT-7Aは、351機の実機と46台のシミュレータがボーイングに発注されています。最初のT-7Aが配備されるのは、テキサス州のサンアントニオ・ランドルフ統合基地で、2023年を予定しています。その後ミシシッピ州のコロンバス空軍基地、テキサス州のラフリン空軍基地とシェパード空軍基地、そしてオクラホマ州のバンス空軍基地に配備され、これまでのT-38を更新していくことになっています。

<出典・引用>
アメリカ空軍 プレスリリース
Image:USAF

(咲村珠樹)

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