エアバス 20台のロボットが働く新しいA320自動生産ラインをハンブルクに開設
おたくま経済新聞 / 2019年10月3日 16時0分
ハンブルクに完成したA320の新しい胴体生産ライン(Image:Airbus)
エアバスは2019年10月1日(現地時間)、ドイツのハンブルクに新しく小型ジェット旅客機A320の胴体生産ラインを開設したと発表しました。生産ラインは高度に自動化され、計20台のロボットが稼働して胴体を生産するといいます。
エアバスA320ファミリーは、ボーイング737シリーズと並ぶ130〜190席クラスの小型ジェット旅客機におけるベストセラー。たえず激しい受注競争を繰り広げています。
A320はボーイング737MAXの不具合発覚以後も、多くの発注がエアバスに寄せられており、多くのバックオーダー(納入待ちの注文)が発生しています。生産能力の強化は喫緊の課題でした。
ハンブルクに完成した新しい施設では、A320ファミリーの胴体部分を生産します。ここでは多くの工程が自動化され、全体で20台のロボットとデジタル制御の搬送システムが人間の代わりに作業を行います。
飛行機の胴体は、パネルを組み合わせて胴体セクションを形作り、さらにそれを連結して規定の長さに仕上げます。セクション接合部には数多くのリベットやネジが使われ、その穴は精密な位置合わせが必要。最初の工程では「フレックストラック(Flextrack)」と呼ばれる8台のロボットによって、1セクションごとに1100〜2400か所ものリベット穴を正確に穿ちます。
続いての工程では、胴体セクションの周囲に配置された12台のロボットが中央胴体と後部胴体、そして尾翼部分を接合し、ひとつの大きなコンポーネントに仕上げます。接合部ごとに3000本ものリベットが使われています。
こうして完成した胴体コンポーネントは最終組み立て施設へ送られ、翼やコクピットを含む機首部分などのコンポーネントと結合して機体を形作ることになります。
エアバスのマイケル・ショールホルンCOOは「最新の技術や手法を取り入れ、エアバスはA320ファミリーの生産において、新たな一歩を踏み出しました。この新しい胴体生産ラインは、A320ファミリーの飛躍に大きな力を与えてくれるでしょう。ラインの自動化とロボット導入を高めることによって、より早く経済的に、私たちが最も重視している高い品質の維持を実現してくれます」とコメントしています。
現在生産されている最新のエアバスA320neoファミリーは、すでに100以上の事業者から6500機以上の発注を受けています。生産の効率化により、さらに多くの完成機を顧客に引き渡せるようになることでしょう。
<出典・引用>
エアバス プレスリリース
Image:AIRBUS
(咲村珠樹)
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