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偏食と発達障害の関係性とは 「図表でわかる発達障害」が分かりやすく納得

おたくま経済新聞 / 2020年1月18日 12時0分

偏食と発達障害の関係性とは 「図表でわかる発達障害」が分かりやすく納得

TEENS発達障害 小中高生のための放課後デイ専門塾さん(teensmn)提供

 離乳食が始まった辺りから、「好き嫌いを少なく栄養バランスよく」と多くの親は考えて、手作りしたり、作り置きしたり、色々なベビーフードを試してみたりします。が、育児ってなかなか思うようにいかないもの。たまに現れる「超偏食」さんの中には、発達障害が関係していることもあるようです。

 人間、食べ物の好き嫌いの一つや二つくらいはあってもおかしくないものですが、せっかく美味しく調理できた料理なのに、わが子が「あれもダメ、これも食べられない、それは何か嫌い、あとこっちも無理」となると、育てている側としてはあまりにも食べてくれなさ過ぎて、思わず「ムキー!!」っとなってしまうことも。でも、この「無理、ダメ、嫌い」には、実はワケがあるのです。

 それを詳しく図表にまとめたものが、「図表でわかる発達障害」シリーズの中の、「発達障害×偏食 偏食はわがままではなく“体質”」という図表。この図表は、「TEENS@発達障害 小中高生のための放課後デイ/専門塾」の公式ツイッターアカウントが、「#図表でわかる発達障害」というハッシュタグをつけて投稿したもの。

#図表でわかる発達障害

今回ご紹介するのは『発達障害 × 偏食』

偏食について周囲の人に理解してもらえない…とお悩みの方へ。

図表は利用規約範囲内で転載・引用可。啓発にご活用ください。https://t.co/5pURIrbsNb pic.twitter.com/wZHBs6i9Hf

— TEENS@発達障害 小中高生のための放課後デイ/専門塾 (@teensmn) January 8, 2020

 あまりに子どもが好き嫌いを多く言うと、「何でこんなにもわがままなの?私の育て方が間違ってた?離乳食がちゃんと作れていなかったから??」と、子どもにいら立ちを覚えつつも自分の育児に自信を無くしてしまうことってよくあると思うんです。

 しかし、この図表を見てみると、偏食には発達障害に特有な感覚過敏が影響していたり、発達障害特有のこだわりが影響していることが分かります。図表には例として、「コロッケの衣がとげのように痛い」「物を噛む音が気持ち悪くて耐えられない」など、知覚や聴覚が過剰に反応してしまった結果、「食べられない」に繋がってしまうのです。

 また、「初めて見る食材・料理は食べられない」「赤い食べ物は気持ち悪い」などの例を出し、想像の特異性からくる「こだわり」ゆえに、生理的に食べられないということもあるようです。

 筆者の子たちも発達障害による感覚過敏があり、例えば長女は炭酸飲料の刺激が「口の中が痛い」と、微弱な炭酸でも小さい時から中学生を卒業する現在でも一切無理。次女は、練り物類が小さい頃から食べられず、キャラクターもののかまぼこなどは、かまぼこであると認識すると好きなキャラでも「いらない」となる状態。どうやら噛んだ時の食感や弾力感がダメだった様子。

 また、キノコのアヒージョ、舞茸の天ぷらなど、割と人気のキノコ料理であっても、キノコ類は全員敵!!といった具合。思春期に入って少しずつ食べられるものが増えていったものの、キノコ類だけは「あの匂いがまず無理、あとあの感触も」といった具合。

 まぁ小さい頃の偏食っぷりは挙げたらキリがないのですが、「食感が無理なら他のたんぱく質で問題なし、匂いはどうしようもないから無理して食べる必要もなし、食感はそのうち大人になったら食べられるものも増えてくるでしょ」くらいに考え、親子で食べられるものを中心に作っていました。離乳食の時も、大人の分から味付けが下味程度のものだけを取り分けて、素材単品で調理。言葉が出るようになってしばらくした時にやっとみそ汁が飲めるようになったのですが、園児時代に「あの時初めてみそ汁飲めたんだよねぇ」と話した時に「だってお口の中でいろんな味がするの、嫌だったもん。でもお汁と一緒にもぐもぐしたら大丈夫になった」とのこと。

 この図表にもあるように、偏食に対して厳しく「ダメ」と叱ったり、無理強いすることで、却って食べること自体が嫌になったり、無理に食べて吐いてしまうなどで食材に対するトラウマができたりということも。この図表を見た現在の筆者、食に対する向き合い方としてはあながち間違っていなかったようでホッとしました。

 子どもらが園児だった当時、既に家ではよく拗ねる、ものをよく壊す、家の中の落書きが酷いなどといった発達障害の気配は出ていたものの、親である筆者たちの無知と、園では「あまり好き嫌いなく食べていますよ。園でもおりこうさんでお遊戯も楽しんでますよ」と言われていたので、二人ともが発達障害であること自体、小学校に上がってそれぞれ問題が起こるまで気が付くことができないでいました。しかし、こうして思い返してみると、「あれは確かにASD(長女)やADHD(次女)の現れだったのかも」と思い当たる節が続々……。

 今でもそうとは気づかずに不必要なまでに怒ってしまったことが、二人の自己肯定感を下げる原因となってしまったことを後悔することもしばしばですが、偏食に対しては当時自宅の隣に住んでいたママ友自身がかなりの偏食だったこともあり、「大人でも偏食はあることだしトータルで栄養摂れればいいや」とあまり躍起になっていなかったこと自体は、ある意味これ以上子どもを追い詰めることにならずに済んでよかったのかな、と。現在では、私が食べているところに来て「少しだけ味見してみる」ということを繰り返しながら、食べられるものの範囲が広がってきつつあります。

 今回は極度の偏食には理由があること、発達障害による特性が大きく関係していることを示唆している図表をご紹介しましたが、ツイッターを運営している「発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス TEENS」のサイトには、「【図表でわかる!】発達障害」のコーナーがあり、これまでにツイッターに投稿されてきた図表の一覧が掲載されていますので、発達障害についてのヒントをたくさんもらえると思いますよ。

 もしかしたらうちの子って……?って思ったときや、何となく自分が当てはまりそうかも……と思ったときには、一度覗いてみると何か分かる事があるかもしれませんね。

<記事化協力>
TEENS@発達障害 小中高生のための放課後デイ/専門塾さん(@teensmn)

(梓川みいな)

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