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外出自粛で自律神経失調症になりかけた話に反響 不調の対処は早めが肝心

おたくま経済新聞 / 2020年4月15日 7時0分

外出自粛で自律神経失調症になりかけた話に反響 不調の対処は早めが肝心

小林拙太さん(@setta_kobayasi)提供i

 コロナ禍の影響で、必要最小限の外出しかできないこの頃。常に家にいるとメリハリも効きづらく、鬱々とした気持ちにもなりがちです。自律神経失調症になりかけた体験を持つ漫画家がツイッターに投稿した内容は、多くの人の反響を呼んでいます。

 「コロナによる外出自粛で自律神経失調症になりかけた話を描きました。似たような不調を感じた方に個人的な解決法も載せてます。窮屈な日々ですが皆様なんとか乗り切りましょう…!」と、自身の体験談と実際に行った対処法を漫画にしてツイッターに投稿したのは、最強ジャンプ(集英社)でブラッククローバーのスピンオフ「ブラッククローバーSD アスタくん魔法帝への道」を連載中の小林拙太さん。

 小林さんもコロナ禍の中、買い物以外の外出を控えて自宅で漫画を描く日々。外に出る機会が減ってしまったがために、3月頃から生活が乱れていき、規則正しい生活が徐々に取れず、昼夜逆転状態になるなどしていきました。そして1か月ほど続いた頃、小林さんは異変を感じます。

 「何か毎日元気が出ない……永遠に眠い」「謎に悲しい」「肩がむずむずして眠りたいのに眠れない……」以前にも身に覚えがあるこの状態、自律神経失調症の予兆である事に気が付いた小林さん。

 自律神経失調症……それは平たく言えば「つまり脳がバグること」。一昨年にも不規則な生活や運動不足から、同様の状態に陥った経験がある小林さん。一番酷かった時は、疲れを感じていても脳内物質が活発になって眠れず、脳や肌に虫が走り回るような感覚(蟻走感)の出現や、脳が外部からの情報を受け付けられない状態に。

 こうなると、今まで何の苦もなくできていた“テレビを見たり文章を読むこと”が苦痛になったりとか、“好きだった音楽も聴きたいと思えない状態”になったりとか、とにかく“外部からの情報”が一切受け付けられず、大切に思っていた事すらつまらないと感じる状態が数か月続いたそうです。

 いつ元のような元気な状態に戻れるのか、全く見通しがつかない状態……一度経験して、もう二度とこんな状態を味わいたくないと思った小林さん。「外出自粛で自律神経崩しかけている人がたくさんいるのでは……」と、気になってきました。

 この自律神経の状態が乱れたままの状態が続く事が、「うつ病」の発症に繋がります。精神的な健康状態をつかさどる物質が脳内で上手く受け渡しができなくなる「うつ病」は、様々な精神的な不調を呼び、体は健康なのに思い通りに動かす事ができない、頭の中で考えることはできても実行する行動に移すことができない、さらに酷くなると、すぐ食べられる状態の食事とトイレにしか起きられないという寝たきり状態に進行してしまいます。

 同時に、嫌悪を感じた時に錯乱状態に陥ったり、急に胸ぐるしい、息苦しいといった状態が起こって死の不安にまでかられてしまう「パニック発作」や、極度の不眠、入浴や身の回りの保清すらもしんどくてできないといった、社会生活はもちろん、日常生活すらも非常に困難な状態に。

 「これじゃコロナが収束してもみんな病んじゃうのでは!?」と危機感を覚えた小林さん、自身の体験と、個人的に効果があったお勧めの方法を漫画に描くことを考えついたのです。

 小林さんが一昨年前に自律神経失調症となった時、実際に試してみて効果があったと感じた事は、

・起床、入眠時間を決めてなるべく同じ生活リズムを作り、体内時計をリセットする

・午前中になるべく毎日、太陽の光を浴びるようにする。散歩やジョギングなどは密にならない状態であれば問題ないので、近くの遊歩道を歩いたり公園まで往復するといった環境が整っていれば、天気が良い日は日課として続けるのが良いのです

・外出に抵抗があるという人、散歩できるような場所がない人は窓辺やベランダに出て日光浴をするのも効果的

・そして、一番肝心なのが、毎日の運動。ラジオ体操は1日3回行うと、一日分の最低限の運動量となるらしい、と小林さんは記しています。

 実は小林さんのご両親も、自律神経失調症からうつ病へとなった経験者。今はご両親ともに元気でお過ごしですが、過去の体験から、息子である小林さんに実際に効果があった事をアドバイス。これらの方法を受けて実践した事で、小林さんも無事に回復できたという事です。

 筆者(正看護師)も以前からイマイチ調子が良くない人にはラジオ体操を行うことを勧めています。ラジオ体操は、全身の筋肉を使い、ほぐし、運動させる要素がすべて盛り込まれています。

 もし、近くに公園や広い場所があれば、朝の散歩の時にそこで太陽の光を浴びながらラジオ体操を行うことを筆者もお勧めします。夏休みの小学生みたいに思う人もいるかもしれませんが、毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴び、適度な運動を行う事は、一日のリズムをつけるのに非常に有効です。

 午前中の太陽の光は、脳内にめぐる伝達物質の動きを良くし、抑うつ状態の改善に役に立つ事が実際に臨床的にも立証されており、精神科病院の入院病棟では実際に「光療法」として、太陽光と同じ明るさの光を毎朝浴びるように、うつ病で入院している患者さんの生活プログラムに取り入れているところもあります。

 自粛生活が続いてイライラしやすくなっていると自覚した人は、ぜひこれらの方法を取り入れてみることをお勧めします。そして、小学生の子どもが休校で落ち着いて仕事ができない、子どもがうるさくてつい当たってしまう、という人も少なからずいるかと思います。そんな在宅勤務な状態の人には、おやつの時間に30分~1時間程度、子どもと一緒に遊ぶ事をお勧めします。親は気分転換になり、子どもは親が一緒に遊んでくれる事で、心が満たされる事も多いもの。貴重な親子タイムのひとつにもなりますよ。

 日々の生活を体も心も健やかに保つのは、自分自身。つい崩れがちになりそうな自宅生活での心身の健康を守り、コロナ禍をみんなで乗り切りましょう!

コロナによる外出自粛で自律神経失調症になりかけた話を描きました。似たような不調を感じた方に個人的な解決法も載せてます。窮屈な日々ですが皆様なんとか乗り切りましょう…! pic.twitter.com/2F24Vi8BOZ

— 小林拙太 (@setta_kobayasi) April 11, 2020

<記事化協力>
小林拙太さん(@setta_kobayasi)

<参考>
厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」

(梓川みいな/正看護師)

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