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「聞こえない」を見える化 難聴者とのやり取りをスムーズにするスマホアプリ

おたくま経済新聞 / 2020年4月17日 12時0分

「聞こえない」を見える化 難聴者とのやり取りをスムーズにするスマホアプリ

rainwormさん(@2003rainworm)

 耳が不自由な人は、筆談や手話のほかに、話している人の口の動きを読み取る「口話」という方法で、相手の話している内容を知る人が多くいます。しかし、現在は口を覆うマスクをしていないと厳しいご時世。口話で会話を読み取ることができません。そんな中、スマホアプリを活用した会話方法が注目を浴びています。

「この情勢でマスクを外してくださいとは言えないし、筆談対応を待っているよりは、Googleの音声変換アプリを使ってみたら、コンビニ店員さんの目の表情が変わった。(^^)
話もスムーズだった\(^o^)/」

この情勢でマスクを外してくださいとは言えないし、筆談対応を待っているよりは、Googleの音声変換アプリを使ってみたら、コンビニ店員さんの目の表情が変わった。(^^)
話もスムーズだった\(^o^)/#難聴#コミュニケーション#音声変換アプリ pic.twitter.com/KYgzGHp0ji

— rainworm (@2003rainworm) April 12, 2020

 と、スマホアプリの便利の使い方をツイッターに投稿したのは、先天性の難聴があるrainwormさん。ツイートと一緒に投稿された写真には「耳が不自由です。このスマホにお話しください」と書かれた手作りシートをスマホケースに、そしてスマホには、Googleのスマホアプリ「音声文字変換」の画面。このアプリは音声認識技術により、ワンタップでそのまま音声を文字に変換してくれるものです。

 アメリカで初めて聴覚障害者のために設立された大学である、ギャローデット大学とGoogleが共同開発したというこのアプリは、耳が聞こえなくても、相手の話す言葉を見やすい大きさですぐに文字にしてくれるので、難聴者にとってとても使いやすいもののようです。rainwormさんがコンビニでこのアプリを使った後日も、郵便局の窓口で大活躍したそうですよ。

 試しに筆者もアンドロイド機なので、同じ「音声文字変換」アプリをインストールして使ってみました。使っている最中に長女が興味を示して色々とスマホに話しかけてましたが、誤変換率も低い様子。キーボードマークがあり、同じ画面内で文字入力もできるので、スマホアプリを介しての会話も可能です。

 初期設定から画面が黒い「ダークモード」となっており、文字の大きさも、視力に問題がなければカウンター越しでも充分見える大きさ。そして、設定では聞こえた言葉を3日間保存するができ、表示する文字のサイズも簡単に大きくできるので、ロービジョンなど全盲でなければ設定次第で読み取ることができそうです。

 このアプリ、上手く使えば記録しておきたい会話を保存するのにも役立ちそうです。アンドロイドではGoogleがGoogle Playで提供していますが、iPhoneなどiOSではApp Storeにある「Speechy」という無料版のアプリが同様に使えるとの情報もリプライで寄せられています。

 文明の利器は、障害者でも分け隔てなく使える機能が多く盛り込まれています。視覚障害者でも、全盲であっても音声入力や出力を利用してスマホを使う事ができますし、聴覚障害者でもこのアプリのように、手話や口話が使えなくても筆談の代わりが簡単にできます。

 パッと見ただけでは分からない障害のある人でも、スマホアプリはそれをカバーしてくれる大切な補助具となりえます。せっかくスマホを持っているなら、自分の目や耳の代わり、見えない障害が見えるものとして活用できるといいですよね。

<記事化協力>
rainwormさん(@2003rainworm)
※見出し画像はrainwormさん提供、文中内の画像は筆者スマホのスクリーンショットより。

(梓川みいな)

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