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時々閲覧注意!?各国の博物館が「レアな収蔵品バトル」をTwitterで展開

おたくま経済新聞 / 2020年4月22日 10時30分

時々閲覧注意!?各国の博物館が「レアな収蔵品バトル」をTwitterで展開

ヨークシャー博物館(@YorkshireMuseum)が「一番ゾッとする収蔵品」として公開した古代ローマ時代3〜4世紀のウィッグ(公式Twitterのスクリーンショット)

 様々なものが収蔵されている博物館。しかし、その全てが展示公開されている訳ではありません。イギリスの博物館の呼びかけで、世界中で外出自粛に協力して休館中の博物館がレアな収蔵品をTwitterで公開する「キュレーターバトル(#CURATORBATTLE)」が始まり話題となっています。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国で不要不急の外出が制限され、それにともない博物館や美術館も休館しています。せっかく企画されていた様々な特別展や企画展示もできなくなっており、企画の実現に奔走していたキュレーターは残念に思っていることでしょう。

 しかし休館中でも、自宅で収蔵品を鑑賞できるオンライン展示会を実施する取り組みも広がっています。イギリスのヨークにある博物館「ヨークシャーミュージアム」が、Twitterを通じて各国の博物館・美術館に対し、レアな収蔵品の画像を見せ合いましょう!という「キュレーターバトル(#CURATORBATTLE)」を提案するツイートを2020年4月17日に投稿しました。

 設定されたテーマは「#Creeoiestobject(一番ゾッとするようなもの)」。手始めにヨークシャーミュージアム(@YorkshireMuseum)が出してきたのは、3~4世紀のローマ時代に埋葬された女性についていたウィッグ。留めるためのピンまで残っています。

MUSEUMS ASSEMBLE! It's time for #CURATORBATTLE! 💥

Today's theme, chosen by you, is #CreepiestObject!

We're kicking things off with this 3rd/4th century hair bun from the burial of a #Roman lady, still with the jet pins in place…

CAN YOU BEAT IT? 💥 pic.twitter.com/ntPiXDuM6v

— Yorkshire Museum (@YorkshireMuseum) April 17, 2020

 これにまず反応したのは、イギリス各地にある博物館や美術館の公式アカウント。リーズにある医学史をテーマとするサックレー医学博物館(@thackraymuseum)は、かつて助産師や医学生が分娩実習に使用したという人形(ぬいぐるみ)を投稿。通常分娩の際は、出てくる赤ちゃんの頭をうまく回し、肩の部分をスムーズに通過させる必要があるので、ちょうど首の部分が経年変化で損傷し、すごくダメな外見になってしまっています。

Um, here's a fetus doll to train midwives and medical students but honestly, we could carry on posting forever when it comes to the #CreepiestObject… pic.twitter.com/xAdH4gwmOp

— Thackray Museum (@thackraymuseum) April 17, 2020

 ヨーク城博物館(@YorkCastle)は、カニの脚と爪で作られた人形を投稿。この種の人形はビクトリア朝(ビクトリア女王が在位した1837年~1901年)に典型的な工芸品なんだそうですよ。

STEP ASIDE ALL.

These are hand-made models of figures playing cards and of gold miners hauling gold nuggets to the surface. BUT the figures are made from crab’s legs and claws… Typical Victorians, they loved weird/creepy stuff. #CreepiestObject pic.twitter.com/A5NHiPGnVh

— York Castle Museum (@YorkCastle) April 17, 2020

 ロンドン郊外にある町エガムのエガム博物館(@EghamMuseum)は、とある中学校の校庭から出土したという、1920年代の粉々になった陶器人形の頭。誰かが壊してしまい、証拠隠滅で校庭に埋めたんでしょうか……。しかも丁寧に包まれてあって、これを何の気なしに開けたらビックリしますよね。

Imagine rummaging through an archive and unwrapping this 👇

MC 490A: Broken Dolls head in many parts with fair hair c.1920

Found on the grounds of @StJudesHead. Let’s hope they treat the pupils better 😂#CuratorBattle #CreepiestObject pic.twitter.com/J5aVRNuSo6

— Egham Museum (@EghamMuseum) April 17, 2020

 スコットランド自然史博物館(@NatSciNMS)は、魚の剥製などで作られた「人魚のミイラ」を2種類投稿。やけにチャチな姿が笑いを誘います。

Our #CreepiestObject has to be this ‘mermaid’… 😱💀🧜‍♀️ #CURATORBATTLE #TroublingTaxidermy pic.twitter.com/GMSosyuqIX

— Natural Sciences NMS (@NatSciNMS) April 17, 2020

 スコットランド自然史博物館は「たぶん、多くの博物館が収蔵してる人魚のミイラは、こんな奴だと思うんだけど……」と、日本にもいくつか例のある典型的な人魚のミイラも投稿。こちらのミイラは下半身は太平洋に生息するベラの仲間、上半身は完全な作り物で、口の部分に歯のある魚の口を埋め込んであるとのことです。

Many museums have one but they usually look more like our other ‘mermaid’…

We have a little more information about this one: The posterior half was formed from a Pacific wrasse, & the head/thorax were sculpted, with fish jaw inserted in the mouth. #CreepiestObject pic.twitter.com/7MrPcaZqdh

— Natural Sciences NMS (@NatSciNMS) April 18, 2020

 王立戦争博物館(@I_W_M)は「ティルピッツ」という名の豚の剥製の画像を投稿。第一次世界大戦中の1915年、イギリス巡洋艦グラスゴーらの攻撃を受けて沈んだドイツ巡洋艦ドレスデンから救い出された豚で、当時ドイツの海軍大臣を務めていたアルフレート・フォン・ティルピッツ提督から命名されました。巡洋艦グラスゴーで1年間マスコットとして過ごしたのち、イギリスのホエールアイランド砲術学校で余生を過ごしていたのですが、1919年にイギリス赤十字のチャリティーオークションで食肉にされてしまったのです……。

Can I offer 'Tirpitz' here? Saved from drowning after her German ship sunk the South Pacific, served as a mascot on HMS Glasgow for the rest of the FWW, eventually auctioned off for pork (raising £1,785 for charity) in retirement. No wonder she looks like she's seen things. pic.twitter.com/gYdkvK60Yb

— Imperial War Museums (@I_W_M) April 17, 2020

 また、王立甲冑博物館(@Royal_Armouries)は、ロンドン塔に展示されているという、処刑人が着用した鉄仮面を投稿。嘲笑するように歪んだ笑みを浮かべた口の作りから、魔女裁判での処刑に使われたものではないか、と考えられているようです。

Turn the creep up to 💯 and check out this iron mask that was exhibited in the @TowerOfLondon as an Executioner's Mask. However, due to its grotesque appearance, we think it's more likely part of an elaborate scold’s bridle – an iron muzzle designed for public humiliation 😱 pic.twitter.com/1nG4mMZRex

— Royal Armouries (@Royal_Armouries) April 17, 2020

 イングランド、ヨークにある1740年代築の商館を博物館にしたフェアファックス・ハウス(@fairfax_house)は、スコットランドのセントアンドリュース大学博物館(@MuseumsUniStA)から展示のために借用したことがある、というイギリス王ジョージ4世(在位:1820年~1830年)愛用の「嗅ぎタバコ入れ」の画像をツイート。なんでもこれは嗅ぎタバコではなく、中には愛人の体毛が入っていたそうで、その匂いを楽しむものなんだそうです。「イングランド一のジェントルマン」と称されたジョージ4世ですが、キャロライン王妃とは不仲で、互いに多数の愛人がいたそうです。

Just had a thought. Not our object but we did once borrow a silver snuffbox from @MuseumsUniStA that is said to contain the pubic hair of one of George IV's mistresses.

Yes that's right a pubic hair snuffbox.#CURATORBATTLE #creepiestobject pic.twitter.com/ePGY8eJ22R

— Fairfax House (@fairfax_house) April 17, 2020

 この「ゾッとするようなもの選手権」、海外の博物館からも参戦があります。 アメリカ国立公文書館(@USNatArchives)は、ヨークシャー・ミュージアムが髪に関する収蔵品を出したのに対抗し、ジョン・F・ケネディ図書館(@FDRLibrary)に対し「みんなが大好きな髪でできた花束を見せる番だよ!」とツイート。

Ok, @FDRLibrary, it's time to bring out everyone's favorite hair bouquet! #CreepiestObject #CURATORBATTLE

— US National Archives (@USNatArchives) April 17, 2020

 ご指名を受けたジョン・F・ケネディ図書館は、1941年にフランクリン・D・ルーズベルト大統領へ贈られたという、ルーズベルト家の先祖の髪で作られた花束の画像を投稿しました。これはルーズベルト家に受け継がれていたものなんだとか。

Here you go @USNatArchives! It really is the gift that keeps on giving. #CURATORBATTLE #MuseumFromHome pic.twitter.com/5VoS8q6SuO

— FDR Library (@FDRLibrary) April 17, 2020

 ベルリンにあるドイツ歴史博物館(@DHMBerlin)は、1650年代~1750年代にたびたび発生したペストの大流行において、治療する医師が着用した防護マスクを投稿。17世紀フランスの医師ハルム・ド・ロルムが考案したというマスクのクチバシは、この中に香料を入れておき、ペスト患者から漂う悪い空気(瘴気)から身を守るもの。

Thanks for thinking of us @HottyCouture and wow, will we be having nightmares tonight with all these #CreepiestObject|s ! Here is the one we just can't hide from you, one of our many creepy gems – our Plague Mask (1650/1750)! #curatorbattle pic.twitter.com/JrMjqAJSIM

— Deutsches Historisches Museum (@DHMBerlin) April 17, 2020

 今回のテーマは「ゾッとするようなもの」でしたが、このキュレーターバトルは毎週金曜日(現地時間)にテーマがヨークシャーミュージアム公式アカウント(@YorkshireMuseum)から告知されることになっており、過去には「一番美しいもの」や、イースターにちなんだ「最高の卵を探そう」といったテーマも設定されています。時差の関係で、日本では土曜日に各地の博物館から投稿されたものが見られることになるので、週末の楽しみにするといいかもしれません。

<出典・引用>
ヨークシャーミュージアム公式Twitter(@YorkshireMuseum)
サックレー医学博物館公式Twitter(@thackraymuseum)
ヨーク城博物館公式Twitter(@YorkCastle)
エガム博物館公式Twitter(@EghamMuseum)
スコットランド自然史博物館公式Twitter(@NatSciNMS)
王立戦争博物館公式Twitter(@I_W_M)
王立甲冑博物館公式Twitter(@Royal_Armouries)
フェアファックス・ハウス公式Twitter(@fairfax_house)
アメリカ国立公文書館公式Twitter(@USNatArchives)
ジョン・F・ケネディ図書館公式Twitter(@FDRLibrary)
ドイツ歴史博物館公式Twitter(@DHMBerlin)
※見出し画像はヨークシャーミュージアム公式Twitter(@YorkshireMuseum)のスクリーンショットです。

(咲村珠樹)

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