まさかの空中衝突!昆虫館の館長が激写したドジっ娘ミツバチの衝撃映像
おたくま経済新聞 / 2020年5月6日 12時19分
伊丹市昆虫館・奥山館長 SEIICHI OKUYAMA(@soku26)提供
新緑が心地よい5月。昆虫たちも活発になる時期でもあります。咲き乱れる花々から蜜や花粉団子を持ち帰ってきたミツバチが、飛び立ったミツバチとのまさかの正面衝突という珍しい映像がツイッターに公開され、見た人を和ませています。
「昆虫館で飼育していたセイヨウミツバチの落下動画。ドリフリスペクトが入った爆笑&ミツバチが好きになる動画です」
昆虫館で飼育していたセイヨウミツバチの落下動画。ドリフリスペクトが入った爆笑&ミツバチが好きになる動画です。#エア昆虫館 #伊丹市昆虫館 #おうちミュージアム pic.twitter.com/FtGl8YDlWB
— SEIICHI OKUYAMA (@soku26) April 27, 2020
と、ハッシュタグに「#エア昆虫館 #伊丹市昆虫館 #おうちミュージアム」を付けてその動画を公開したのは、兵庫県伊丹市にある「伊丹市昆虫館」の奥山館長。
そのわずか3秒ほどの動画には、花の蜜や花粉を巣に持ち帰るために空腹ヘロヘロの状態で外回りから帰ってきた働きバチが、これから花の元へと向かうミツバチと巣箱の目の前で正面衝突!2匹とも落下していってしまいました……。よく見ると、同時に帰ってきたミツバチも目測を誤ったのか、着地に微妙に失敗。前足をひっかけて必死に巣箱に帰ろうとしているところも収められています。
ミツバチも疲れると目測を誤るのか……、と妙な関心を抱きつつ、延々と衝突動画を眺めてしまった筆者。奥山館長はこのツイートの補足として、元の映像の紹介とともに「ちなみに降りてくる方の働き蜂さんは、荷物(花の蜜や花粉)満載、お腹がペコペコのはずなので、事故の原因は100パー下から上がってきた子にあります。働き蜂さんって緻密なようで案外間抜けだったりして、そこがたまらなく愛おしかったりします」ともツイート。
衝突の過失でいうと、帰ってきたミツバチは過失0%、飛び立った方が100%という損害の計算になりそうです……。昆虫の世界なのでこんな世知辛い話はありませんが。
こんなミツバチたちを見た人たちからは、「落ちてく姿がかわいすぎる…w」「ミツバチの交通事故かわいいwwww」「ハチをこんなに可愛いと思える日が来るとはww」と、意外なハチの衝突に微笑ましく思っている様子。「管制官の重要さが…(よく分かる)」というリプライも。ミツバチにとっての空中の交通信号も必要な時代?ちなみにミツバチの中で働きバチとして動いているのはもれなく雌のハチなので、さしずめ「ドジっ娘同士のハチ合わせ」と言ったところでしょうか。
しかし、この近距離でこんな衝突を起こすとは。ミツバチって複眼だから、視野角度がかなり広くて視力もそれほど悪くないと思うのに何で……?気になったので、奥山館長に話を聞いてみました。
ミツバチの衝突事故は、実は意外と少なくないらしく、奥山館長も、「ミツバチの眼は悪くないはずですが、視野や視力については正直、よくわかりません」との事。昆虫の生態って、まだまだ謎に包まれている部分が多い様です。
そして筆者が個人的に最も気になっていたのが、「衝突したハチたちは果たして無事だったのかどうか」。これに対して、「(衝突しても)けろっとしています。体重も軽いからか、落下したくらいではダメージはほぼないようです。ご安心ください」と奥山館長。正直、ホッとしました。
そしてこの衝撃映像、定点観測などしていたから撮れたのかな?と思ったらどうやら違っていたよう。奥山館長が所属している、「SSP-日本科学写真協会(@ScientificPhoto)」がEX-F1というカメラのモニターを募集していた時があり、その時に借りることができたので、昆虫館で飼育しているミツバチの巣箱の入り口を撮影してみたら撮れてしまったという、奇跡的な映像だったのです。
ミツバチの動きは結構早いので、しばらく巣箱を撮影し、後から映像をよく見たらこんな衝撃映像が映っていたそう。面白いのでYouTubeに投稿したところ、ニコニコ動画にも転載されて話題にもなったそう。残念ながら伊丹市昆虫館のYouTubeチャンネルにはこの動画はもう残っていませんが、奥山館長の手元に残っていたのは幸いな事でした。
この時期、例年であれば自然観察会やイベントも多く、緑豊かな公園や緑地で自然と親しみながら楽しく過ごせる時期なのですが……。残念ながら、今年はコロナ禍の影響でどこの博物館も動物園や水族館も、人が集まりそうなところは軒並み休業に。ハチ蜜はおいしいのに人の「密」状態は現状では危険なので、やむを得ないとはいえ残念な事。
北海道博物館が提唱し、自宅から出ることができない子どもたちや自然好きな方に話題を提供したい、という全国の約140の博物館の仲間たちが同じ思いで展開している、「#おうちミュージアム」のムーブメント。ツイッターのハッシュタグを追っていくと、意外な発見が見つかりそう。
ちなみに、北海道博物館では特設サイトも開設して、全国の参加ミュージアムを紹介していますよ。自宅に居ながら、日本各地の風土や歴史など、あらゆる土地へ訪れた気分に浸れるかもしれませんね。
<記事化協力>
伊丹市昆虫館・奥山館長 SEIICHI OKUYAMA(@soku26)
(梓川みいな)
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