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イタリア空軍曲技飛行隊 イタリア全土を巡る応援ツアーが首都ローマで完結

おたくま経済新聞 / 2020年6月4日 10時46分

イタリア空軍曲技飛行隊 イタリア全土を巡る応援ツアーが首都ローマで完結

ローマの「国父の祭壇」上空を飛行するフレッチェ・トリコローリ(Image:イタリア大統領府)

 イタリア空軍の曲技飛行チーム「フレッチェ・トリコローリ」が、新型コロナウイルス禍から立ち上がる人々を空から応援するツアー「アブラッキオ・トリコローリ」が、イタリア共和国記念日の2020年6月2日にゴール。首都ローマのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂上空を、イタリア国旗を表す緑・白・赤3色(トリコローリ)のスモークで包みました。

 ヨーロッパで最初に新型コロナウイルスの感染拡大が確認され、北部を中心に一時は医療体制が崩壊する危機に見舞われたイタリア。現在では新規感染者数も落ち着き、徐々に普段の生活に戻していくフェーズに移行しようとしています。

 大きな痛手を受けたイタリアの人々を癒やし、励ますためにイタリア国防省が企画したのが、空軍の曲技飛行隊フレッチェ・トリコローリによる全国ツアー「アブラッキオ・トリコローリ(3色の抱擁)」。イタリア各州の州都を中心に航過飛行(フライオーバー)を実施し、イタリア統一の象徴である緑・白・赤のカラースモークで空を包んで、空を見上げる人々の気持ちが前向きになるよう後押しするものです。


 5月25日のロンバルディア州(トレント、コドーニョ、ミラノ、トリノ)とヴァッレ・ダオスタ州都のアオスタから始まったツアーは、29日までにイタリア各州の州都を中心とした都市の上空でフライオーバーを実施。あとは首都ローマ(ラツィオ州都)を残すのみとなりました。

 ツアーの最終日は、1946年に共和制移行への賛否を問う国民投票の結果、サヴォイア家(ウンベルト2世)による王制廃止が決定した日である6月2日の共和国記念日。イタリア共和制74周年を祝う式典に合わせて、フライオーバーが実施されました。

 式典が実施されたのは、ローマのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂にある「アルターレ・デッラ・パトリア(国父の祭壇)」。ここは第一次世界大戦後から、無名戦士の墓として祭壇が設けられています。

 セルジョ・マッタレッラ大統領をはじめ、式典に参加した人々は衛兵を含めマスク姿。そしてソーシャルディスタンシング(適切な対人間隔の確保)を考慮し、それぞれ離れて並びます。

 マッタレッラ大統領は、国父の祭壇に花を捧げ、国のために殉じた人々の魂に祈りを捧げます。

 軍の音楽隊により鎮魂のトランペットが演奏され、その終了のタイミングでフレッチェ・トリコローリがフライオーバー。緑・白・赤のカラースモークで青空を彩りました。


 フレッチェ・トリコローリのツアーは終了しましたが、新型コロナウイルスとの戦いはまだまだ続きます。日本でも航空自衛隊の曲技飛行チーム、ブルーインパルスによる激励飛行の第2弾が検討されており、多くの人が大空を見上げ、前向きに歩む気持ちを後押しすることでしょう。

<出典・引用>
イタリア国防省 ニュースリリース
Image:イタリア国防省/イタリア大統領府

(咲村珠樹)

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