アメリカ海軍が艦船用VLSミサイル容器を5年分一括発注
おたくま経済新聞 / 2020年6月12日 15時54分
Mk41VLS用のシースパロー4発分キャニスター(Image:BAEシステムズ)
BAEシステムズは2020年6月11日(現地時間)、アメリカ海軍から艦船用ミサイル垂直発射システム(VLS)のミサイル収納容器(キャニスター)を5年分一括受注したと発表しました。同社によれば、この受注によるトータルの経済効果は9億5500万ドル(約1023億2400万円)にのぼるとしています。
現代の水上艦艇には不可欠な装備となっているVLS(垂直発射システム)。ミサイルを収容するキャニスターを交換することで、SM-2、SM-3といった対空・対弾道ミサイル防衛用ミサイルや巡航ミサイルのトマホーク、対潜水艦用のアスロックなど、様々な種類のミサイルに対応することができます。その結果、外部からはどのようなミサイルがどれくらい装填されているのか判断できず、情報を秘匿できる利点も。
BAEシステムズは、アメリカ海軍をはじめとする各国の艦艇に対し、長年VLSとそのキャニスターを供給してきました。今回、アメリカ海軍は2020年2月にまず2400万ドル(約25億7150万円)分の初期発注をしたのち、3月に9900万ドル(約106億円)、次いで5月に4300万ドル(約46億円)の追加発注をしています。
BAEシステムズで兵器システム部門を統括する、ブレント・ブッチャー副社長は「今回受注したキャニスターは、VLSの鍵となるエレメントです。およそ30年に及ぶ我が社のVLS製造や艦船における装備、試験における経験は、このワールドクラスの能力をサポートしています。アメリカ海軍は引き続き、高品質なキャニスターによる無駄のない運用の恩恵を受け、最大限のバリューを手にすることでしょう」とのコメントを発表しました。
今回のアメリカ海軍による発注は、アメリカ海軍の艦船用だけでなく、同盟国向けに有償軍事供与(FMS)で販売される分も含まれます。BAEシステムズによると、今回の契約に基づくキャニスターの生産はサウスダコタ州アバディーンの事業所で行われ、2021年の初めから2025年にかけて納入される見込みとしています。
<出典・引用>
BAEシステムズ ニュースリリース
Image:BAE Systems/U.S.Navy
(咲村珠樹)
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