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アメリカ 南シナ海での中国軍事演習を非難しつつ同日程で海空軍の共同訓練実施

おたくま経済新聞 / 2020年7月6日 15時29分

アメリカ 南シナ海での中国軍事演習を非難しつつ同日程で海空軍の共同訓練実施

南シナ海でB-52Hと編隊飛行する空母レーガンの艦載機(Image:U.S.Navy)

 アメリカ国防総省は2020年7月3日(アメリカ東部時間)、中国人民解放軍が南シナ海の西沙諸島で7月1日~5日に実施した軍事演習に対し非難する声明を発表しました。あわせて7月4日~5日、南シナ海で空母ロナルド・レーガン、空母ニミッツとB-52爆撃機による共同訓練を実施し、この地域におけるアメリカの関与をアピールしています。

 アメリカ国防総省が発表した声明によると、中国人民解放軍が演習を実施する地域(西沙諸島)は、領有権が争われている部分を含み、ここで軍事演習をすることにより、地域の平和と安定に逆効果であると指摘しています。

 また、中国が南シナ海で地域の緊張を高めない、とした2002年の国際公約にも違反していると指摘。中国の行動は、自由で開かれたインド太平洋地域を維持するというアメリカの方針とも相容れない、として演習の中止を求めていました。

 これと同時にアメリカ海軍は、横須賀に前方配置している空母ロナルド・レーガンと、サンディエゴから遠征した空母ニミッツが中国人民解放軍の演習日程に合わせ、フィリピン海に続き南シナ海でも共同訓練を実施しました。



 訓練では昼夜を分かたず、空母レーガンと空母ニミッツの両空母打撃群が艦隊防衛をシミュレーションしたシナリオに従い、迫りくる脅威を探知し、迎撃行動をとるまでが確認されました。



 迎撃行動は空母の艦載機だけでなく、空母打撃群の一員であるイージスシステム搭載駆逐艦も一体となって実施します。空母ニミッツと空母打撃群を形成する第9駆逐隊司令官のトッド・ワーレン大佐は「この7月4日(アメリカ独立記念日)に、空母ニミッツの同僚と共にロナルド・レーガン空母打撃群と、自由で開かれた海洋権益を守るために行動するというのは得難い経験です」とのコメントを発表しています。


 またこの訓練にアメリカ空軍は、ルイジアナ州バークスデール空軍基地から、第2爆撃航空団第96爆撃飛行隊のB-52爆撃機を南シナ海に派遣。空母ニミッツ、空母レーガンの艦載機部隊と共同で訓練飛行を実施しました。

 B-52はアメリカ本土の基地を離陸し、無着陸で南シナ海での訓練飛行を実施して28時間後にグアム島アンダーセン空軍基地へ着陸。第96爆撃飛行隊長のクリストファー・ダフ中佐は「我々爆撃任務部隊は、前線の基地に迅速に展開し、長距離爆撃任務を実行するというアメリカの能力を実証する存在です。今回はホーム(ルイジアナ州バークスデール空軍基地)から前方展開し、世界中どこでも攻撃可能であることを示すことができました」と、訓練の持つ意味を説明しています。

 今回の空母2隻とB-52による訓練は、南シナ海におけるアメリカの関与を強くアピールするもの。直接の言及は避けていますが、中国人民解放軍の演習に呼応し、軍事的な示威活動に出たといっていいでしょう。

<出典・引用>
アメリカ国防総省 プレスリリース
アメリカ海軍 ニュースリリース
アメリカ太平洋空軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy

(咲村珠樹)

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